準優勝おめでとう!
先週土曜日、友人と飲みに行った帰り道。
三越仙台店前のライオン像が野球帽をかぶっていた。
仙台三越といえば、今年の全国高等学校野球選手権大会の準決勝戦で宮城県代表の仙台育英学園高等学校が決勝進出を決めた際、試合後の須江監督のインタビューを受けて掲げた案内看板がSNSで大きな話題を集めたお店でもある。
リンク先の記事にあるとおり、このライオン像がかぶっている仙台育英の野球帽は、仙台三越の社員の方々が作ったものだという。
かぶるのは、東北勢初の全国制覇を成し遂げた昨年に続いて、二年連続。
でも、決勝戦を終えた先日は、ライオン像の前に、こんな言葉が。
ずっとチームを応援し続けてきた地元のお店ならではの「胸を張って帰ってきてください」のあたたかい言葉に、ほろ酔いのテンションも相俟って、涙腺がゆるんでしまった。
誰よりも悔しいのは、選手達。
応援する側は
「おかえりなさい!」
「準優勝おめでとう!」
以外、何も言わなくて良いのだよな。
後で調べたところ、三越前のライオン像にこの帽子とメッセージボードが掲げられるのは、今日8月28日までだったらしい。
見ることが出来て、良かったと思う。
もしも、今年の夏の甲子園で仙台育英が優勝していれば、2005年に南北海道代表の駒大苫小牧が成し遂げて以来の二連覇だったという。
けれど、あくまで個人的な印象としては、全国メディアでの今年の仙台育英の扱われ方は、駒大苫小牧二連覇の時よりも、その翌年、三連覇がかかっていた年の駒大苫小牧に重なって感じられた。
2004年と2005年夏に連続優勝を果たした後の南北海道代表・駒澤大学付属苫小牧高等学校(駒大苫小牧)は、翌2006年、三連覇がかかる夏の甲子園に出場した。
けれどその年に大きな話題を集めたのは、早稲田実業の斎藤佑樹投手。
爽やかなルックスとハンカチで汗を拭く様子から「ハンカチ王子」とメディアに名付けられ、大きなブームを巻き起こした。
全国ネットのニュース等で扱われる時間は、圧倒的に早稲田実業の方が多かった記憶がある。
その早稲田実業と駒大苫小牧の決勝戦。
テレビで見ていても啞然とするくらいに、早稲田実業への応援は、凄かった。前年に二連覇を成し遂げている強豪校よりも対戦相手に声援が集まるのは、仕方のないことだったのかもしれない。けれど、甲子園全体が早稲田実業を応援するような大声援の中、駒大苫小牧は、まるでヒールのようだった。
そんなアウェイな状況の中、あの伝説の延長15回引き分け・翌日再試合にまで持ち込んだあの時の駒大苫小牧の選手達には、今でも、心からの賛辞を贈りたい。
三連覇は成し遂げられなくても、立派な準優勝だった。
ちなみに、私は北海道日本ハムファイターズのファンだけれど、実は今でも一番応援している野球選手は、あの時の駒大苫小牧のエースであり、現・楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手である。
チームがどこであろうと、ずっと応援し続けている。
あらためて、今年の仙台育英高校野球部の選手達に「準優勝おめでとう!」の言葉を贈りたい。
そして「ありがとう」を。
決勝戦という場に立つことが出来るのは、全国でたった2校だけ。
頑張っている姿を応援するという楽しさを、たった2つの学校しか経験できない一番最後の試合の日まで体験させてもらえたことに、心からのありがとうを伝えたいと思う。
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