「トリニティ」窪美澄〜本当に欲深きものは嘘をつかないのでは?
今生きているなら80代の女3人。
高度経済成長を支えてきた3人。
ライター
イラストレーター
主婦として
外側から見たら
成功したように見える3人。
3人に共通するのは
本音を言わないこと。
●夫が浮気していることを知っていても
家庭を壊すことが怖くて
黙って耐えるイラストレーター。
●夫に自己主張しない主婦。
●本当は幸せとは言えない自分の家庭なのに、
それを偽って、
幸せそうなエッセイを書くライター。
どんなに成功していても
嘘で塗り固められた人生なんて
つまらない。
私はいらない。
嘘ではなく
本音で生きていく。
これはイラストレーター妙子が思った言葉。
だけど妙子は
夫の浮気を知りながら
夫へ、疑問や怒りをぶつけることはできなかったじゃない。
怒って、嫉妬して、醜い自分を曝け出してでも
夫からの一心の愛を奪おうとしなかったじゃない。
"そしられても、石礫を投げられてもいい"なら
夫からも、愛人からも石礫を投げられても
いいんじゃないの?
本当に欲深きものは
嘘をつかない。
夫に本音をぶつけて
それで夫が去っていくなら
それが真実。
そこからまた新しい欲しいものを
手にしていけばいいじゃない。