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307_個別最適授業実践_一人一台端末活用(高校数学)

 高校生の皆さんは、数学の授業の振り返りを授業ノートで行っていますか?

 私の指導経験では、教科書や問題集の解答を見て復習していることが多いです。授業でノートに効果的な考え方をまとめてもらっているので、ノートで復習してもらいたいです。

 「復習でノートを見てね」などと何度言っても実際に行うのは生徒ですので、効果は懐疑的です。私は発想を転換して、教科書や問題集の解答例で復習することを前提にした「仕組み」の授業に変えました。

今回の実践のポイント

  • 復習で問題を解くとき、生徒は問題集の解答例を見て確認することを前提にしている。

  • 復習のたびに、何度も見る解答例に「伝えたいこと」を書き込んでおくことで、「伝えたいこと」の定着を図る。

今回紹介する授業例は、教科書範囲を終えて、共通テストへ向けての学習を想定したものです。

方法

1.事前準備:
iPadを使用して問題集の解答冊子PDFに手書きで「伝えたいこと」をまとめる。
・解答例の行間の説明を補う。
・自分の経験からくる「考え方」を補う。
・記憶に残したい「超一言」を補う。
・Teamsで事前配布する。

解答例の行間の説明,自分の経験からくる「考え方」
記憶に残したい「超一言」

2.予習・授業中・復習:
生徒は1人1台端末を活用して、何度でも「伝えたいこと」+解答例を確認できる。

3.授業:
プロジェクタの投影と板書で「伝えたいこと」を短時間で説明した後、生徒が「自分で解いて、考える時間」を多くとる。

意図

  • 解答例で省略されている計算途中の考え方を生徒が何度も目にする「仕組み」にする。

  • 立式の意図、行間の補足の考え方を生徒が何度も目にする「仕組み」にする。

  • 紙面の都合上、図の説明が充分でない部分を補い、数式のなぜ?の根拠を生徒が何度も目にする「仕組み」にする。

やってみての所感

 現在この方法を行っているクラスは文系数学ベーシッククラスです。受験に向けて基本的な力をつけながら、応用問題を扱うクラスです。

 板書解説の時間が授業の大半となると、理解しているかどうかわからないままノートを作っているように見受けられます。全体説明に時間の多くを割くため、理解が不十分な生徒がいても対応する時間は十分にはありません。自分の頭で考える時間が少ないため、授業時間が生徒にとって効果的でないと感じていました。

 この方法では、全体解説を聞いて納得できなくとも、「伝えたいこと」+解答例をもとに再度熟考できる時間が多くあります。生徒は聞いてわからなかった、理解が不十分だったところを「伝えたいこと」+解答例を見ながら自分で再度考えます。それでも納得しなければ、周囲の生徒と相談したり、期間巡視している私に質問したりします。

 授業時間だけでなく、復習の際、テスト勉強の際にも「伝えたいこと」+解答例を見ながら考えます。

 大切なことは、生徒が何度も見直すものに「伝えたいこと」(身につけてほしいこと)が書いてあることです。

 この授業方法を始めて実感したことがあります。数学があまり得意ではない生徒が、「なぜそう考えたのか?」にこだわるようになりました。難しめの問題でも頑張って考えるようになりました。

 今後、この成果が出ているかどうかを確認テストの結果、模試の結果等を見ていきながらさらなる工夫を模索します。

生徒の時間を大切にしたい。

生徒にとっての授業時間、自主学習の時間を有益なものにしたい。

人生の限りある時間を大切に、自分のやりたいことを実現したい。
シンパクト和 でした。


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