ウクライナ危機と地下室
昨日はコワーキングスペースで日中過ごすつもりが、午後も3時を過ぎると雨になるとの予報で、その前に家に戻りました。
やはり、一人で家にいると「小人閑居して不善を為す」で、時間の使い方の質が悪くなると反省、コワーキングスペースに、読みたい本やパソコンを持ち込み、ゆるやかな衆人環視のもとに身を置いたほうが、自己を律して作業を進められますね。
このところ読んでいたウクライナ関係の本を、読み終えました。
どうしても、戦争を描こうとすると、どちらかの見方に肩入れすることになり、特にこの戦争においては、ロシア側の情報が少ないこともあって、完全に鵜呑みはできないわけですが、
この本からは、戦争という極限状態において、限られた時間と情報をもとに自分で考え、行動することの大事さを知らされ、家族の命を奪われ自宅を破壊されても、ブラックジョークを飛ばし、日常を取り戻そうとするウクライナの人たちのしたたかさを垣間見た気がしました。
ウクライナ政府が、国民の多大な犠牲を払って抵抗をすることへの是非はあり、政権や軍内部の腐敗も一部報じられますが、それでも大統領が首都にとどまったことで、国全体がまとまって抵抗を続けられているという点は、確かにあるのだと思います。
また、虐殺が行われたとされるキーウ近郊の町は、閑静な住宅街であり、戦争が始まる前は、日本とさほど変わらない、豊かな暮らしが営まれていたことも知りました。突然の戦争や災害で、昨日までの暮らしが一変する、
これは、確証バイアスにどっぷり浸っていると、どうしても思念の外に置きがちなので、時々、こうした本を読み、自分の立ち位置を確認し、少しでも備えを厚くすることは大事だと知らされます。
本を読んでいて、日本とウクライナの違いもわかりました
。一つには、ウクライナは欧州の一員であるということで、国民の相当数の家族が、欧州の他国に何らかのつてを持っているということです。
もちろん、つてがある人だからこそ、国外に逃れられたわけで、つてがなく国内にとどまった人も多いとは思いますが、日本人に比べると、国境を越えて難を避けることに対するハードルは低く、国内から銃後の人たちを出したことで、守りやすくなった面もあるように感じました。
あとは、地下貯蔵庫とか地下室が多いことですね。空襲のときは地下に逃れればミサイルの直撃による被害から避けることができ、ロシア占領時は住民の多くが地下に逃れ、地下から出てこなければロシア兵も危害を加えなかったとのこと。
日本の場合、地下貯蔵庫とか地下室を持つ家はほとんどなく、公共の地下シェルターも整備されていないので、最近は慣れっこになってきたミサイル発射も、本当に自分の住んでいる町に飛んで来たら、Jアラートが鳴り響いて警告をされても、逃げようがないように思います。
地下室については、なんといっても多湿がネックのようですね。
完全防水の地下シェルターをつくれば、何とかなるようですが、酸欠にならないための設備は必要なようです。
現実的には、有事にインフラが失われた際に動きが取れなくなる都心部の密集地でもなく、また、今後の日本社会の人手不足やメンテ不足で社会インフラの維持が難しくなっていくような田舎でもないところに住まいを選ぶ、地盤が安定し、浸水リスクの低い地域に住む、国内でも離れたところにつながりを持つ、といった、できる範囲でのリスク軽減により、自衛に努めるしかないのでしょうね。
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