メタ認知の視座に徹する
今の職場に来てからは、なるべく僕が手を出さないことを基本姿勢としています。
以前の自分であれば、幹部レクの資料などは、確実に手を入れていましたが、今は資料の勘所を抑えて、説明で補うようにしています。
対外的な説明場面では、事前に想定問答のようなものを準備することも多いわけで、これもすべてにおいて時間の足らなかった前の職場では、先回りして僕が準備し、あとはタイムアウトになる前に投げ入れて、何とか間に合わせるようにしていましたが、
今は、想定問答自体には手を入れず、ただ、ロジックがかみ合っていないような部分については、想定問答を分解したうえで、
・そもそも、聞かれることにストレートに答えるとこうなる
・ただそれだと我々の「ウリ」のようなものが伝えられない
・「ウリ」の部分を答えに入れられるよう、論理構成の骨組みを作り
・回答作成した担当と認識を共有のうえ、想定問答を軌道修正する
といったやり方に変えるようにしています。
そもそも、今の職場は機密性の高い法務案件を多く抱えているため、部門内部における情報資源へのアクセス権管理が厳格なので、前の職場のように、僕がダイレクトアクセスして、資料を作るようなことはできなくなり、作業中の情報もわからず、一通り出来上がるまでの間は、とにかく各担当にお任せすることになっています。
前とは、少し勝手が違うわけですが、本来は、僕がいろいろ手を出して進めてしまうことは、組織の力を使っていないということでもあり、僕が担当の人たちと一緒に残って作業をするのは、生死が紙一重である最前線の指揮官ならではの対応であり、後方勤務でそうしたことをすると、長年のルーチンを壊し、事務処理が混乱することになります。
とにかく、今の組織の構造から生み出されるアウトプットは受け入れ、アウトプットの品質がイマイチであれば、生み出す構造を変えていくことについて頭を働かせ、あるいは、そこで働く人たちの共通認識自体を変容させることで、構造と思考をゆっくりと変容させていく、この2年間染みついてきた即応最優先の現場主義を捨て、自らはメタ認知の立ち位置から、物事を動かしていきたいと思います。