餅は餅屋
5月に入りました。
年越しを母と過ごし、僕が年越しそばをつくったのが、つい昨日のことのような気がします。
5月は連休もあって肌感覚として早く通過するでしょうから、それと対比しての休日のない6月の梅雨時の長いロードを超えると、もう後半戦。歳月の過ぎるのは早いものです。
今の法務部門は、僕は若い時の経験がなく、したがって個々の業務を担当しているスタッフが抱える苦労を知りません。
それぞれのスタッフは担当するセクションや業務が割り振られており、担当だけで見えている世界とか、抱えている困難というのが当然あるものと思います。
もちろん、現場のチーフはそれぞれいて、担当に近い目線で仕事しているわけですが、チーフも個別事案を抱えて忙しいことから、経験年数の多い担当ほど、自分でまずは抱えて悩む、これはどんな業務でも共通していると思います。
ただ、時には担当で抱えて目詰まりを起こす場合があり、管理職が全体を目配せする中で、その目詰まりを取り除く、少し部屋の中を歩くことで、相談に乗り、その場でいくつか解決するなりヒントをわたすといったことも、組織全体をうまく回すには必要なことかと思います。
もちろん、管理職が一担当の仕事にガンガン立ち入るのは、逆に仕事の邪魔になり、若手が育たないことになってしまうので、このへんのかかわり方の塩梅も、担当を経験していなければわかりません。
こうした担当のフォローは、法務部門を知り尽くした副部門長の得意とするところであり、僕は部屋の中を回っても、即興でフォローするようなテクニカルな深い谷の知見は持ち合わせていないので、ここは副部門長に任せるしかありません。
僕にできることは、まずは外形的に担当がどんな仕事をしているのかを知るため、担当になったら読むような、定評ある仕事のトリセツ本を読み、少なくとも自分が長くいた世界の尺度で物事を図るのでなく、今、僕がいる世界の常識とか、独特なルールの中で勝負している人たちの苦労を理解することですね。
正直、どんな分野も大変さはあり、同じ世界で生きている人の感じている大変さというのは、どうしても井の中の蛙になってしまう面があり、俯瞰して見られる立場にあると、その、一人負けみたいな思いを抱くのはどうなのと感じることもありますが、
そんなこと、山の上にいないと、わかるわけがないので、そこは置いておいて、まずは苦労しているポイントをつかみ、僕に実感はないけれど、相手がそこで苦労していることは理解し、共感する、そこで心を開いてもらえば、僕も俯瞰する立場から、副部門長とは異なるアドバイスができるかもしれません。
とはいえ、僕自身は法務部門という船の船長ではあるものの、基本的なマネジメントは副部門長が副船長として仕切っているので、極端な話、状況報告だけ受けていれば、こまかな航行のオペレーションにまで立ち入る必要はなく、
現状と先行きの気象条件で予測されるリスクに対し、自分なりに策を練っておく、時々、甲板に降り立ち、風にあたりながら順調であることを確認する、そんな立ち位置が基本です。
餅は餅屋といいますので、僕なりにリスキリングで知見は深めますが、生兵法はけがの元、求めがあり、責任を取る場面だけ、役目を果たす、今は現場指揮官の思いは箱にしまい、振りつけられた役割の中で、過ごしてみたいと思います。