波風は放置しておく
つい数時間前のことになりますが、妻が既に寝ている息子に向かって「平気でうそをつきとおすのは信じられない」「将来どんな大人になるか心配だ」とつぶやいていたのが聞こえてきました。
おそらく、妻に隠れてオンラインゲームを再開していたのを、何らかのかたちで妻も知ったのだと思います。
まあ、母親というのは見て見ぬふりはできないのでしょうし、心配の裏返しでもあるのでしょうが、わざわざ寝ている息子に、聞こえるようにつぶやかなくてもいいのにと、僕も寝たふりしながら思いました。
オンラインゲームに息子の心が鷲掴みにされて、2年近くは経つでしょうか。失敗した中学受験もゲームに片足取られながらでしたし、今でも状況は変わっていない。
学びに投資しながら、それに応えてくれない息子に対する苛立ちもあり、貯めたお年玉を勝手に課金した考えのなさも相まって、妻も、ついついそうした棘のある言葉を発したくもなったのでしょう。
もともと妻は器用ではないし、子どもに対する思いは強いので、子育てはある程度落ち着いてきたので働くとかいう発想も、今はないようであり、いまどき過保護かなと思う面もあります。
僕自身は、オンラインゲームの害毒は強いとは思うものの、そこから引きはがすことが、勉強へ力を振り向けることにつながるとは、とても思えず、まずは学びが自分の未来を決めるということを、息子なりに理解しないと、勉強は他人のためにやってるという意識のままでは、本質的に変わらないのではないかなと。
簡単ではないけど、今はわかる部分が少なすぎるので、学びの喜びがないわけで、そこは教育者ではないので素人の手習いではありますが、僕なりに息子に伝えられないかなと考えています。
妻にも変に棘のある言葉で傷つけなくてもとは思うのですが、家庭内を考えを無理に一致させるのは、それはそれでストレスのもとになるし、家族とはいえ、母子の間のコミュニケーションは立ち入れない面もあるので、今はそれぞれが思う立ち位置で、自分として信じる役回りを演じるしかないでしょうね。
それで重大な支障が出れば、もちろん介入しますが、今はとりあえず、家庭内の波風は、その程度が適度であれば容認し放置しておくことで、接合部分のひずみの蓄積を防ぐことができると考え、決定的な事態に至らぬよう、ホットラインだけは維持しておきたいと思います。