価値「感」?価値「観」!
更新日:2024/11/21
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導からよく見かける、中高生の間違えやすい表記を紹介し、世の中高生・受験生に警鐘を鳴らすのが、このシリーズ【間違えやすい表記】。
体感として、これは高校生よりも中学生の方が多く間違えている感じがします。「価値観」を「価値『感』」としがちです。よく使う言葉なので、作文や小論文だけでなく、国語の記述解答の中でもよく目にする間違いです。
ここで国語辞典を引いてみます。「価値」と別に、「価値観」で独立して項目が立っていますね。
「~観」とは、「~についての考え方」ということです。「人生観」ならば、「人生についての考え方」です。「教育観」ならば、「教育についての考え方」となります。
そもそも、それに価値があるかどうかは、その人の考え方によります。テレビCMでもやっていましたよね、「その価値、プライスレス」って(何のCMだったか忘れました(笑))。「価格が高い(お金がかかる)ものほど、ねうちがある」という考え方も一つですが、「価格が高いものだけが、ねうちがあるとは言えない(価格とは関係のないねうちもある=プライスレス))」という考え方もあります。こうした価値についての考え方のことを価値観といい、これは人によって違う(価値観の相違)わけです。
一方で「~感」で終わる熟語もありますね。これは「~という感じ」ということです。「達成感」ならば、「(何か物事を)達成した感じ」。「臨場感」ならば「まるでその場にいる(臨む)かのような感じ」となります。これは「考え方」ではなく「感じ方」の問題なので、あくまでその人が主観的に感覚として得るものです。
「価値観」の「かん」は「感」ではありません。注意しましょう。
参考図書:三省堂国語辞典 第七版 2014年1月10日 第一刷
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