写真と経験
私もスマホで写真を撮ります。自然を撮ることが多いです。太陽の下の鮮やかな色。電灯に照らされたくすんだ雰囲気。計算では出せない色の混ざり方や変化。幾何学な配置や秩序ある並び方。雨が降る前の暗さも、雨上がりの水滴も。そういったものが気になって撮るのですが、ではスマホの中に何があるのかと問われれば、道端の花や木、どこからでも見える空です。
ある日、投稿をお休みしようと思いました。疲れていたのです。でもなあ、せっかく毎週更新が続いているのに。そうだ、撮ってある写真を1枚投稿して終わりにしよう。それなら時間もかからないはず。
どれがいいかな? 今日はお休みだから、お休みっぽいのがいいなあ。花には花言葉があります。「お休み」みたいな花言葉の花、ないのかな? 検索して出てきたのは、ハマヒルガオ。ハマヒルガオ? 写真持ってるかも。フォルダの中を下までスクロールしていったら、出てきました! いつだったかの旅行で、朝、砂浜を散歩したときに撮ったものです。普段は見ない花が、与えられた場所で生き生きと咲いている。なんの気なしに撮った写真が、何年後かのこんなときに役に立つなんて。
ふとそこで、経験って写真に似ているなと思いました。そのときは確かに意味があったはずなのに、どこにでもあって忘れてさえいるような経験が、人生の中の思わぬところで役に立つ。むしろ、今の自分を作っている経験は、それを経験した当時、未来の自分に影響を与えるなんて思ってなかった気がします。
なんだかんだでそれなりに時間がかかってしまいましたが、無事、毎週更新を維持しつつ、体を休めることもできました。
ところで、私の渾身のあいうえお作文、気づいていただけましたか?