徳田 満

派遣社員兼フリーライター兼アマチュア音楽家です。たまに音楽コラムを書いてます。 htt…

徳田 満

派遣社員兼フリーライター兼アマチュア音楽家です。たまに音楽コラムを書いてます。 https://note.aktio.co.jp/music/20210205-1626.html

最近の記事

#ひとり街宣(移動版)やってみた

#ひとり街宣 が、X(旧Twitter→いまだになじめない。名前戻してくれんかね?)で流行ってる。 ひとり街宣とは、選挙の立候補者や政党などが行う街宣とは関係なく、個人が推しの候補や政党を勝手にPRすること。以前からちらほらやられてはいたが、今回の都知事選において、蓮舫を支持する人たちの間で一気にブレイクした感がある。Xを見ている人はすでに知っているかもしれないが、このような #ひとり街宣 MAP までできて、しかもその街宣数がものすごいことになっている。 https://

    • 「トノバン 音楽家加藤和彦とその時代」を観る。

      昨日(2024年6月1日)、キノシネマ新宿にて「トノバン 音楽家加藤和彦とその時代」を観た。 公開はその前日の5月31日。すでにXでは絶賛の嵐のようだ。 たしかに、フォーク・クルセダーズの盟友・北山修や、サディスティック・ミカ・バンドのメンバーだった角田ヒロ、高中正義、小原礼、(元気だった頃の)高橋幸宏や坂本龍一、名盤『黒船』をプロデュースしたクリス・トーマス、東芝EMIのディレクターだった新田和長、「結婚しようよ」をアレンジしてもらった吉田拓郎、アルバムをプロデュースし

      • 『ゴジラ-1.0』を観る。

        TOHOシネマズ新宿で『ゴジラ-1.0』を観る。 思えば本作の監督、山崎貴の「初ゴジラ」である『ALWAYS 続・三丁目の夕日』を観たのは16年も前、今はなき京都の東宝行楽だった。1962年、『キングコング対ゴジラ』の年にできた劇場は古びていたけれど、日本映画黄金時代の名残が感じられるいい小屋だった。 それから2014年のギャレス・エドワーズ監督による『GODZILLA』までは7年もあったのだ。その間、日本は民主党政権になり3.11があった。ギャレス版ゴジラがなければ『シ

        • 『福田村事件』と天皇

          本来なら、先週、関東大震災からちょうど100年目の9月1日に公開された映画『福田村事件』の感想をストレートに書くべきかもしれない。 しかし、いやだからこそ、自分は書きたい。何を? 天皇の問題を。 そう、ここのところ、睡眠時間さえ削って熱中して読んでいたのが、田中清著『天皇の戦争責任』(岩波書店)だった。 この天皇の問題こそが、『福田村事件』、つまり朝鮮人・被差別部落民・社会主義者たちを、軍人でも警官でもない「普通の日本人」たちが虐殺した事件の根底にあるからだ。 1

        #ひとり街宣(移動版)やってみた

          山下達郎の件

          ここ数日、ずっと心に引っかかっていたことを書く。 それは山下達郎の件である。 1 今回の問題についてよく知らないという人もいるかもしれないので、改めて事実関係を述べると、まず、音楽プロデューサーの松尾潔が、業務委託していたスマイルカンパニーとの契約を中途解除されたというツイートが発端である。 スマイルカンパニーは、山下達郎やその妻の竹内まりやなどが所属する音楽事務所(当初は山下達郎夫妻のために作られた個人事務所だった)。松尾潔は現社長の小杉周水から契約解除の話を伝えられ、

          山下達郎の件

          「REVOLUTION+1」を観た。

          安倍晋三を殺したい。 俺もそう思ったことがある。 「安倍さんが住みよい日本にしてくれた」と思う日本人(が本当にいるとして)の対極に俺はいる。安倍晋三が生きづらいほどめちゃくちゃにしてしまった日本にこれ以上生きていたくない、俺が日本から出ていくか、安倍を日本から追放するか、どっちかしかないと思っていた時期もある。 もちろん安倍は日本から出ていかない。それどころか死ぬまで何十年も総理大臣を続けるかもしれない。どんな犯罪に値する疑惑があっても国家権力、すなわち司法と警察を味方に

          「REVOLUTION+1」を観た。

          『千代田区一番一号のラビリンス』を読む。

          本人たち、つまり明仁上皇と美智子上皇后が読んだら、どんな感想を持つだろうか。まず、それをぜひ知りたいと思った。なぜならこの小説の主人公は、この二人だからだ。 それにしても、皇室を描いた小説が、こんなにエンターテイメントしているとは思わなかった。 天皇と皇后はスマホやネットをやるのか? 自分たちで料理もするのか? 冗談も言ったりするのか? もちろん、するだろう。だって彼らは俺たちと同じくこの日本、東京に今現在生きている人間なのだから…という前提で、想像力と資料を駆使して書き

          『千代田区一番一号のラビリンス』を読む。

          山本太郎は馬鹿である。

          山本太郎は、馬鹿だと思う。 芸能人が政治家になろうとする、その理由の多くは、金だと思う。今回の生稲晃子のように巨額の借金返済を抱えていたり、仕事が減ってきたり。そんなときに声がかかれば、背に腹は変えられないだろう。 しかし、山本太郎は金に困っていたわけではない。それどころか年間1千万円のCM契約もあった。最初に立候補したのは2012年だから、まだ37歳。そのまま俳優を続けていれば、もっと金も稼げていただろうし、いい仕事にも巡り会えていただろう。 たしかに、俳優も普通の人

          山本太郎は馬鹿である。

          風街オデッセイ2021

          「風街オデッセイ」から1週間。 先週の土曜日は、日本武道館の硬い椅子に腰掛けてたんだなあと思う。 本当に武道館の椅子は尻が痛い。腰痛持ちにはこたえる。 最後に武道館に行ったのは2006年の「忌野清志郎完全復活祭」だから、15年も前になる。あのときも硬い椅子だったはずだが、記憶にないのは、途中からずっと立ってたからだろう。本当にあのライブは客席の熱がすごかった。自分も含めて年寄りばかりだったけど。 今回も客の平均年齢は高い。前の席に、お父さんに連れてこられた中学生くらいの男

          風街オデッセイ2021

          シン・エヴァンゲリオンを観て。

          あのラストシーンは、どこかで観た気がした。 それはデジャヴだったのかもしれない。気のせいだったのかもしれないが。 そしてあの駅。庵野秀明のふるさとが山口県宇部市だったことを思い出した。 劇場で観るエヴァは23年ぶりだった。 あのあと俺は病を得て東京を離れ、故郷で入院した。精神分裂病に似た症状だったので、友人のひとりは「そういえば徳田はエヴァにのめり込んでいた」と言っていたらしい。たしかにあの頃の、いわゆる旧劇場版は新興宗教や自己啓発セミナーと比較されるようなテイストだ

          シン・エヴァンゲリオンを観て。

          「「彼女たち」の連合赤軍」を読む。

          数少ない友人のK君が山本直樹の「レッド」を読んでいるということで、彼に勧められた大塚英志の「「彼女たち」の連合赤軍」(文藝春秋)を図書館で借りて読んだ。 と言ってもこれは新刊ではなく、初版は1996年。およそ四半世紀前に書かれたものだ。 今から四半世紀前といえば、1995年。自分は30歳だった。当時は男性娯楽雑誌、いわゆる「エロ本」の編集者を辞めてフリーのライターになったばかりで、今から考えるとろくに仕事もなかった割には、特に悲観することもなく、楽しく生きていたと思う。た

          「「彼女たち」の連合赤軍」を読む。

          バイデン大統領誕生に思うこと

          アメリカ合衆国・バイデン大統領の勝利演説を聞いて、こんなことを考えた。 政治家というのは理想を語るべきだと思う。それも個人的な理想ではなく、共同体や人類共通の。 確かに所得を増やします、生活が楽になりますという目先のことも大事。同時に、その国が向かう方向を指し示すことも必要だ。人はパンのみにて生きられないのだから。 敗戦直後から高度成長期までの日本は、新憲法と民主主義という旗を得て、頑張れば幸せになれる、豊かになれるという理想があった。だから国民は懸命に働き、子供を産み

          バイデン大統領誕生に思うこと

          マドンナと政治と日本

          マドンナが、SNSを使って、大統領選挙の期日前投票で民主党のバイデン候補に投票したことを報告し、他の人にも投票を呼びかけたという。 マドンナは、今でこそ社会的活動を積極的に行うアーティストとしてよく知られているけれど、彼女が「ライク・ア・ヴァージン」でブレイクした頃、誰もそんなふうになるとは予想しなかったはずだ。 あれは1984年、自分が大学に入った年だった。1981年にアメリカで放送開始されたMTVの影響で、ロック/ポップス系のアーティストはこぞってミュージックビデオ(

          マドンナと政治と日本

          伊達政保「現在につづく昭和40年代激動文化(ラジカルチャー)」を読む

          伊達さんは、ずっと謎の人だった。 最初にお見かけしたのは2013年の7月、バンド仲間の「ふさおさん」こと堀江繁伸の追悼イベント「ふさおさん大感謝祭」だったと思う。彼ゆかりのバンドやユニットがいろいろ出演して、自分も「AOSABA」「SUKIYAKA」「うにげ・さびら」という3バンドで出させてもらったが、唯一ひとりだけ、「スピーチ」という形で参加していたのが伊達さんだった。 そのときは、ふさおさんや渋さ知らズの関係者で、物書きの人なんだろうなというぐらいの知識しかなかったが

          伊達政保「現在につづく昭和40年代激動文化(ラジカルチャー)」を読む

          「ニッポンの編曲家」を読む。

          「ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち」川瀬泰雄、吉田格、梶田昌史、田渕浩久 共著(ディスクユニオン)読了。 先ごろBS日テレで放送された「風の譜〜福岡が生んだ伝説の編曲家 大村雅朗」(FBS福岡放送制作)がきっかけで、彼のことをもっとよく知りたいと思って図書館で借りたのだが、これが本当にとんでもなく面白かった。 タイトルどおり、川口真、荻田光雄、星勝、瀬尾一三、若草恵、船山基紀、佐藤準、新川博、武部聡志、井上鑑といった、1970〜80

          「ニッポンの編曲家」を読む。

          自分はなぜ山本太郎を支持するのか。

          山本太郎は、つくづく自分に正直な人だと思う。 彼が計算高い人物であれば、今回の都知事選では出馬しなかっただろう。 もともと山本太郎は国政で仕事をしてきたわけで、総理大臣を目指すと公言していたのだから、それがもっとも自然だっただろう。以前から「都知事選出馬も選択肢のひとつ」とは言っていたが、それは周囲の状況が整った状況ならありえる、という条件があったと思う。 今回は、決してそうではなかった。 小池百合子が圧倒的に強いという情勢分析もあったが、最も大きな問題は、すでに宇都

          自分はなぜ山本太郎を支持するのか。