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【論文要約】ラベンダーの根っこと生存能力について調べる。

前段階研究:コモンセージ(ただし苗木の生存性についての内容)

https://www.researchgate.net/publication/299336786_Effect_of_cutting_size_and_position_on_propagation_ability_of_Sage_Salvia_officinalis_L

この論文によれば、セージ(Salvia offichinalis)においては地上部高が
雨季だと9~12cmで生存有意に、乾季だと12cmから15cmが推奨とされました。
雨季と乾季で生存性を分かつ要因というのが「Hartman and Kester, (1983) reported that the difference in propagation ability is due to the difference in
carbohydrate content of the stock, activeness of the vegetative growth and difference in micro climate of the propagation site.」という引用箇所が要因示唆の箇所となっており、本論文において明確な要因は掴めていないようです。

https://www.researchgate.net/publication/322307521_Effect_of_Cutting_Size_and_Position_on_Propagation_Ability_of_Lavender_Lavandula_angustifolia_L

こちらは同じ研究チームによるラベンダーに調査対象を切り替えたパターン。

ルーマニアでの土壌階層(10cm間隔)ごとに根量(体積)を調査した論文。

https://www.researchgate.net/publication/346269673_Research_on_the_growth_and_development_of_some_varieties_of_Lavandula_Angustifolia_Mill_in_the_South-East_of_Romania

(個人感)ラベンダーの根っこ研究に関する真打ち論文登場!舞台はルーマニアでの研究でした!

使用品種はセブストポリス(東欧品種)、ヴェラ(仏?)、ヒドコート(英国品種)、ブエナビスタ(アメリカ品種)といったなんともラベンダーグローバリズムを踏まえた品種構成!
というかブエナビスタが欧州大陸:ルーマニア国内に存在していることが驚き。北米の主要品種ロイヤルベルベッドと対をなすもう一つの主要品種だったはず。

結果1.全体的な根っこのようす

https://www.researchgate.net/publication/346269673_Research_on_the_growth_and_development_of_some_varieties_of_Lavandula_Angustifolia_Mill_in_the_South-East_of_Romaniaより図引用

どの品種においても土壌深度10cm直下で根っこ体積の極大を示していて、つまるところ10cm深付近にもっとも根っこが集中することを意味しています。
対してもっとも根っこが少なくなる土壌深度は30cm付近で、小型品種とされるHidcote(英国品種)だけはピーク極小エリアが20cm深付近から始まっています。

結果2.土壌深度40cm付近の根っこ体積第2ピークは何か?

各品種の図を見ると、根っこ体積の極大ピークが二点存在していることがわかるかと思います。小型品種のヒドコートにおいてはかなりわかりずらくなっていますが、絶妙に第二ピークが存在していることがわかります。

この第2ピークの存在意義:機能を考察してみたいと思います。

(私用処理中につきデスク離席中。。。)

ブルガリアでの肥料をトラクター施肥する際の深度の影響についての論文

https://www.researchgate.net/publication/376314244_Statistical_Models_for_Monitoring_the_Uniformity_of_the_Working_Depth_of_a_Fertilizer_Aggregate_in_a_Lavender_Plantation

こちらは抄録をざっと読んだ限りでは、土壌深度別に(とはいっても10cmと15cm)肥料を入れる深さを変えてラベンダーがどのような成長差をみせるのか?を調べた論文ですね。
土壌の質ではなく施肥関係の内容だったので深入りはしないでおきます。

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エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。