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雪が積もる前のラベンダー越冬準備!

まだ間に合う、まだ間に合うのだ。

どうやら今年もエフゲニーマエダ結界(雪よまだ積もるな!!の念)が効いて、永年豪雪地帯と語られるここ岩見沢地域はビックリするほど雪がない秋のままの世界

かくいう札幌がすでに積もり始めていて、なんだか岩見沢エリアと札幌エリアとの積雪パターンが反転してしまっている感すらある昨今。

ラベ活、間に合う。まだ間に合うのだ…!!!

ということで、8月から地団駄踏み続けている『ラベンダーの事だけを考えた、ラベンダーのための、ラベンダーの新しい植栽方式』を検証していくタイトルを何本かに分けて書いていこうと思う…!


●ザックリと、ラベンダーの栽培用土改善に挑む理由をば。

栽培6年目になった今でも安定したコモンラベンダーの植栽方式が固定化できていないのは、ラベンダー栽培をはじめた当初はまったくの無知であったことの表れだ。
北海道では基本的にどんな適当な土であれ、ラベンダー苗を植えれば2,3年は枯れずに持つ。(涼しい環境がそれを可能にしている…?)

がしかし、問題なのはその後。
株の樹齢が4,5年とだんだん大株に育つにつれて、「根腐れ」や「蒸し枯れ」というリスクが出てくる。
いまエフゲニーマエダのラベンダー活動はその課題と向き合っている段階なのだ。

関東エリアなどラベンダー栽培人気は根強くも1,2年で枯らしてしまうその根本的な要因というものに、本州ならではの高温多湿という本来の生育地ではありえない気候が影響している。

そしてここ北海道でもここ2年で7月後半〜9月にかけて本州の梅雨時期のような気候条件が再現されてしまう年が頻発している。
アフリカの乾燥帯で進化したラベンダー属植物は強烈な乾燥には耐えられても亜熱帯のような高温多湿にはまず耐えられないのだ。

雨の多い熱帯地域が原産のハーブであるバジルやパチュリの栽培はむしろ好適かもしれない。

バジル植えてたら雨時期に意外と大きく育った件から
今年夏より少数の鉢植え株に対して新しい植栽方式を試験しはじめた
以上に同じ

この本州でラベンダー枯らす一因となっている高温多湿気候を対策しようと考え、、、
気候は人為ではコントロールできなくとも、土壌・栽培環境はまだ人為コントロールが可能な部分だ。
エフゲニーマエダは「用土構成」ここに注目した。ラベンダー栽培6年目にしてさらなる栽培用土の改良を目論んだ実験を行っていく…!

●まずはフランス現地の畑の土をひたっすら観察しまくる。

早い話、ラベンダーがギリギリ生きていけるパターンと畑で元気に育っている両極端な双方のパターンを観察するには、ラベンダー栽培発祥地である南フランスのラベンダー原産地のようすをひたすら観察することに尽きる!
とエフゲニーマエダは考えた!

コモンラベンダーの原産地でのようす。Lavande sous le sauvage.

まずは南仏原産地における、野生で育つ原種ラベンダーのようす。
高原で基本的に土壌が薄いのだろうか、ところどころ白い石灰岩が顔を出しているような草原や岩の隙間に株が成立しているのがわかる。

とくに写真上段のワイルドラベンダーは極端で、いわゆる「土」が見えないような岩礫にしっかりと生育している
園芸雑誌でメソッド解説される植え方(英国式?)ではぜったいに見ることのないような生え方。
おそらくは表面的に岩ゴロゴロであっても数十センチ下層にはおそらく細かくなった砂粒と枯れた植物などの腐植が混ざり合ったA0層が潜んでいて、そこから自身を大きくするためのチッソ栄養なんかを獲得しているのだろう。

少なくとも表土の岩ゴロゴロ状態だと根っこまわりの風通りが良いために、蒸れて枯れたり給水用の細根が混みあって自身蒸し枯れ〜なんてことは起こりえないのだろうと推察できる。(とくに梅雨台風のない南仏地方では)

むしろ根まわりの風通しスカスカであっても生きられる強靭さがあるのだと推測できる。

南仏のラベンダー畑のようす⑴

次にラベンダー栽培畑の地面のようす。
農業大国北海道に住む人間からするとびっくりするぐらい大粒の石や岩でゴロッゴロの畑土をしている。
ぱっと見の印象だと、とにかく石が多い。トラクターを走らせようものならものの数メートル進んだところで耕運機械が破損してしまいそうなくらい岩でゴロゴロしている。

南仏のラベンダー畑のようす⑵

次の写真も工事現場跡か!ってくらい砂利ゴロッゴロなところにラベンダーが植えられている。
南仏こそ東アジア列島気候の日本のように雨が長期的に降るイメージはないが、これだと水はけが随分とよさそうな土壌環境に思える。

友人ノダカズキのラジオでは、日本の国土以外ではむしろ栄養豊富な「黒土」というものが稀少なほど少ないと聞いているので、むしろ黒土に相当する栽培用土がなかなか手に入らず稀少である事もあるのかもしれない。

南仏のラベンダー畑のようす⑶

次はわりと有名なラベンダーオイル蒸留所の畑写真を観察。
右手は南仏でもっとも北部に位置する4バレー蒸留所のラベンダー畑。設備がすごいので精油の生産量もかなり多いハズ。もっとも北海道に気候が近いとされる。(緯度は道北中川町と同じ)
AOP協会のラベンダー精油生産拠点のお膝元でもやはり石ゴロゴロな畑土なうえに、ほぼ泥?と思えるような母材で埋もれている。
石と泥とおそらくは馬糞牛糞などの堆肥の3セットで構成されている畑土なのだろう。

次にブルーダルジャン蒸留所のラベンダー畑。グラースの北でアルプス山脈にほど近く標高が最も高いことで有名な精油生産地だ。
ここも白い石灰石?が目立つ石ばかりの畑土で栽培されている。
その右手は場所がわからなかったが、もはや川の砂利持ってきただろってツッコみたくなるような丸い川砂利(石)が混ざった畑土になっている。

南仏のラベンダー畑のようす⑷

こちらはプロバンスのラベンダースポットで1,2を争う有名どころのソー村のラベンダー畑。
ヴァントゥ山etリュール山の合間のなだらかな山麓に位置する標高1000mほどの高原エリアなので、ご覧の通り畑の土質は石灰石でゴロゴロ。
日本人が見慣れた茶色い土がまったく見えないせいで、ラベンダーの生理機能を知らない人間からしたら根っこが石灰焼けを起こすんじゃないかと胸がざわつくような光景だ。
ここでもやはり過剰なほど水はけが良い環境でもラベンダーは育つということを証明している。

https://www.ada-aura.org/wp-content/uploads/2020/10/BP_ADAAURA_2020_Lavande_itineraires-techniques.pdf より写真引用

これらを観察してみると、やはりどうしても石/礫を栽培用土に混ぜることがどこのラベンダー畑でも共通していることがわかった。
⑶のラベンダー畑ではわざわざ川底の石をすくって持ってきたような畑土になっているワケだから。。。

と、ここまで栄養の豊富さをむしろ考慮しないスッキリ開き直ったような栽培環境で、北海道人のエフゲニーマエダからすると安心感すら覚えた観察結果だった!
この先いろんな蒸留所なんかの現地ラベンダー畑の写真が手に入ったら追加しておく。

▶︎極端な例として…ピレナイカ亜種の生育例。

火山岩土壌での生育がみられるコモンラベンダーのピレナイカ亜種

ラベンダーが育つ土壌栄養を考えたときの、とても極端な・極端だと思う例をみつけた。
実はコモンラベンダーには現在3亜種認められている。そのうちの一つがスペインとフランスの国境沿いにまたがるピレネー山脈に生育するLavandula angustifolia ssp. pyrenaicaだ。
ピレナイカ亜種は"ラベンダー栽培の常識"とされている石灰岩土壌ではなく、鉄分など重金属元素の豊富な火山灰土壌でもガッツリ育っている例がみられる。
栄養的要素を除くと、火山灰土壌の水はけの良さという点においてラベンダーの好適栽培条件と合致している。

で、つまるところ北海道ないし日本は火山大国なので一応火山灰用土は手に入れやすい園芸土壌でもあり、火山灰土を基材とした栽培用土でもラベンダーは育つという実証が間接的に得られている実証例がピレナイカ亜種だ。

ちなみに遺伝的にかなり離れるが、カナリア諸島原産のLavandula canariensis(レースラベンダーグループのカナリア諸島原産種)も真っ黒な溶岩砂礫地の極貧栄養土壌でも立派に育つタフな性質をもっている。

●三笠ならではの特産土壌を使う。

貝化石とともに固まった泥岩がボロボロとこぼれ落ちてくる露頭層(崖)
含有元素によるためか青っぽいグレー色をしているのが特徴的。
水を含むと崩れやすく、角が鋭利で硬い。
赤玉土の中粒と同じような粒度の地元の土。
これだとラベンダーの根っこも蒸れず適度に空気を吸いやすいだろう。

石炭や化石がたくさん産出する三笠市一帯は古くは浅い海の底だったそう。
なので地面を掘ると海性土壌の土がでてきます。おまけに二枚貝の化石も。
海性土質ということは、海水に含まれていたマグネシウムやカルシウムなどの元素成分が豊富であるという事。
(おまけにこの泥岩は鋭利な劈開がある)

で、おそらくは園芸店で市販される焼き固めの赤玉土よりは耐久性が高いことが期待できる特性だ。
赤玉土は水を吸って乾いたり、凍ったりなんかを繰り返すとほどなくして砂状に崩れて戻ってしまう。
が、この地元の土は硬く絞め固まった泥岩なので、ブロック上に崩れやすくはあるがある程度の粒サイズを保って耐久性が期待できる。
そんなすぐに崩れてドロドロになったりはしないようなのである。

赤玉土の代わりにこれで植えてみるとどうなるであろうか??
これを雪が積もる直前にセッティング済ませてしまおうと考えている。

●地元の土を使って期待できる効果。

ラベンダーは歳をとると、とにかく栄養分を欲しがらない植物。
じっくりゆっくり堅実に育つ低木・宿根草なのでそこらの青々と葉っぱを広げる草木とはまた育ちのワケが違った植物なんですな。

人によっては栄養施肥コントロールなどでラベンダーを健全に栽培している方もおられますが、、、

ラベンダーの原産地である地中海エリアでは、土中に豊富な石灰岩からカルシウム分を存分に取り込み、自身を強くしなやかな樹木として成長させているそうなんですわ。
それが英国や日本などの原産地以外での園芸栽培で、となるとなかなかカルシウムなどの自身をタフにする元素が施肥以外では得られないもよう。。。

ということで、石灰石とはまた違うけど海性の元素が豊富な栽培用土で育てると、すなわちでその岩石が含む元素を取り入れることができるんじゃないかっていう予想。マグネシウムやカルシウムなど。ほかにもいろいろ入ってるんでしょうけど…(詳しい情報源は参照できておらず)

ともあれ、既存の園芸ガイドにあるような育て方をしたラベンダーと比べて、どんな効果が現れるか試してみようと思いまっす。

めんどくさがりのエフゲニーマエダは栽培土壌の完成度をより高めて、基本植えたらほったらかしができるような栽培管理を目指します!


そして次回、油断。。。


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エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。