見出し画像

フランス・パリ市近郊のラベンダー生産農場について調べてみた!

前回記事からの続きです!
調べを進めていると、なんとラベンダーが登録作物として栽培されている畑は南仏エリアだけではなく、なんとフランス首都パリ市の南40~50kmに位置するGâtinais/ガティネという自治体近郊でも栽培されていることが判明しました!

生態学的に述べると、パリ市気候とほぼ同じ気候条件下で栽培されるラベンダーの実例となります。

ではまずロケーションから!

パリ市からのだいたいの距離

グーグルアース上の表示だけではラベンダー畑の位置をまったく特定できなかったので、「地域名」と「Lavande」の2ワードでググってみました。

https://www.essonne.fr/cadre-de-vie-environnement/lactualite-cadre-de-vie-environnement/vallees-des-sens-la-marque-qui-sent-bon-lessonne?fbclid=IwY2xjawHDzvRleHRuA2FlbQIxMAABHQuBWe9q_P51RxB5n1132joEfsG-qfsUFndqqhKdCb8_Sh2qRelD-9VR4g_aem_WwQcd6JIPiwxKBFO62wiEA

エソンヌ県の自治体HPでは、ラベンダーを含めた芳香作物の栽培についての記述ページがしっかり存在していました!
図表化された統計情報はしっかり反映されているようです。

こんな記事も。
エソンヌ県南部自治体では、MillyPPAM:ミリー芳香作物協同組合が存在しており、Gatinais/ガティネ近郊の30人ほどの農家さんが協同で蒸留所を運営しているそうです。蒸留所はMilly-la-Forêt:ミリー・ラ・フォレに所在しているのだそう。
ミリー・ラ・フォレの地理は、エソンヌ県の南端県境に位置する自治体で、エソンヌ県はシャルルドゴール空港があり、ミリー・ラ・フォレから15km先にはパリ市中央を流れるセーヌ川もあります。

これは今年の記事ですね。
にしても、フランス国内であっても2020年ごろを境にハーブ類の精油生産をはじめとした芳香薬用作物(PPAM)の栽培事例は年々めざましく増加しているようですね。
欧州文化の影響を強く受ける日本でも、これは数年遅れて波がやってくるのは間違いなさそうです。

フランス国勢調査簿よりここ10年間のラベンダー栽培面積と栽培登録戸数
栽培面積と栽培者は年々増加をたどっていることがわかる
https://www.franceagrimer.fr/content/download/69946/document/Note_conjoncture_PPAM_Novembre2022-n3.pdf


統計情報の表示位置と実際の芳香作物栽培エリアとはやや距離があった
別の農業生産者マップサイトも参照したが該当エリアには方向作物の生産者は見当たらなかった
おそらくミリー・ラ・フォレの情報を参照しているのだと思われる

Fr農業統計情報サイトの資料の表示位置からはややズレていますが、黄色表示=0~10haの栽培面積なので、たぶんミリー・ラ・フォレ自治体のラベンダー栽培面積を意味しているのだと思います。

農業統計情報の図表ではメスピュイという自治体に表示があるので、そのエリアの農業生産者情報をフランス地域自然公園連合の農業生産物マップから探しましたが、ミリー・ラ・フォレ以外のエリアでラベンダーを栽培していると思しき生産者の情報は見当たりませんでした。
よってこの0~10ha栽培表示はミリー・ラ・フォレ蒸留所のことであると仮定して調べを進めてみます。

主なラベンダー栽培品種

まずはラバンジンのグロッソであることがインスタにて告知されていました!
まぁ南仏とは違って低い土地での栽培なのでラバンジンが無難なチョイスなのでしょうか。
北部の涼しい気候帯のはずなのでコモンラベンダー品種でも悪くないと思うんですけどね。

このMillyppamページで精油生産されている作物リストをみることができました!
このサイトによると、栽培されるラベンダー品種は「グロッソ」「アブリアル 」「シュペール」!ラバンジンの基盤品種を網羅していました!
さらにはカマズレン生産種のセイヨウノコギリソウも栽培目録のひとつのよう。
これは大変興味深い栽培リストですね!

ミリー・ラ・フォレ一帯の気候

さて生態学者は必ずや把握しておきたい、同地域の気候条件について、近郊の気候統計情報を参照してみましょう。

ブリティニー・シュル・オルジュ市の1948~2002までの気候統計
比較参考としておいらの地域岩見沢の1991~2020の気候データも載せておきます
降水量とかすんごい差ですね…

ミリー・ラ・フォレから北に25km先のブリティニー・シュル・オルジュの気候統計をフランス語Wikipediaから引っ張ってきました。
1948~2002年までの限られた期間のデータですが、ミリー・ラ・フォレの気候データとしてはこれが最も参考にできそうです。
下はおいらのラベンダーを栽培する気候である岩見沢気候の統計データです。まぁ軽い比較用として。

北海道と比べて、パリ市南方50kmの気候は、暖かめでやや乾燥しているイメージでしょうか。湿度があまりなさそうなので内陸性の気候っぽいですね。
ラバンジンやほか地中海性のハーブの栽培には向いてそうです。


肝心のグーグルストリートビュー上でのラベンダー畑視察についてですが、、、
ストリートビューと航空写真でラベンダー畑を見つけられませんでした!
(輪作を避けて数年おきに栽培畑をリフレッシュしている)

おわりに、、、
Le développement rural, c’est vital !


Milly sens(ラベンダー精油など販売ページ)

パリ市南方50kmほどのエリアで生産されるラベンダー精油などの販売ページ(フランス語サイト)

Millysensインスタグラム


いいなと思ったら応援しよう!

エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。