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【蒸留日記 vol.111】和ハーブの代表格ドクダミの蒸留!

こんちゃこんちゃ、植物蒸留家のエフゲニーマエダでっすどうも。
降雨日で農作業がストップしてしまったのでとりあえず、花がわんさか咲き誇りいかにもワタシを蒸留して!と語りかけてきているドクダミ(Houttuynia cordata)を蒸留してあげることにしました。
1年ぶりぐらいですかね?去年もこのぐらいの時期にやってたハズです。


■ドクダミ(Houttuynia cordata)について何か思うこと語ってみる。

詳しいドクダミのプロフィールは上記の前回記事を参照していただければと思い今回は省略していきます。
まぁ見た目はジャスミンとかそこらの南アジア・中東オリエンタルな雰囲醸してる花を咲かせますが、東アジア原産の植物です。
東洋のハーブ・生薬として古くから知られていて、スイセンみたいにヨーロッパからきた植物ではないよ〜ということだけ。

昨年秋ごろに北大薬草園を見学させてもらう機会があったんですが、そこでなんと八重のドクダミをみることができました。
基本4枚の純白な花びら(に見える総苞片)をつけてるんですが、八重はこの白花がめっちゃついてるんです。
なのでよりお花っぽい印象をまとったドクダミでした。
やはり八重ドクダミは園芸業界では好まれるようで、ヨーロッパでは重宝がられてる鑑賞花なんだそうです。

■材料調達!

小屋のたもと・写真中央にドクダミ群落ができている

奥の古びた小屋の手前に、ウチの周りでも特にドクダミが茂っている箇所があります。
湿っててドクダミに適した環境がドクダミを繁茂させているんでしょうが、毎年この時期になるとドクダミ畑の様相を呈します。まぁありがたい天然のドクダミ(生薬)畑ということで。。。
(おいらの一説によると大正時代からここに住んでた大婆さんが生薬として栽培していた説もあり…)

収穫前のようす。あふれんばかりのドクダミ畑。

近くで撮ってみるとまぁヨーロッパの方々が園芸作物として育てたくなる気持ちがわかるくらいのかわいらしいお花畑に!
ですが軽く触れただけて香る強烈なシトラス系の香りのためか、あまり虫が目立ちません。

25Lバケツいっぱいに収穫したところ

かれこれ1時間くらい丁寧にドクダミを摘んだのですが、ドクダミ畑をキレイさっぱりさせるどころか先にバケツがドクダミで満載に。すんげぇ生えてるのね…
とりあえずオイル取れるくらいは集まっただろう!と収穫を終えます。

■蒸留準備!

刻んだ断面から凄まじく清潔感&美味しいオレンジのようなアロマが香ります。
この生素材の時点では素晴らしい香りでとても癒されます。

ドクダミの芳香成分/精油は植物構造のどこに含まれているのかをエフゲニーマエダはわかっていません。
なのでとりあえず粉砕蒸留と同様に可能な限り手とハサミで細かくして蒸留にかけることとします。

容器重量の差し引き分は雨水に濡れてることなど考慮し858gマイナスする

バケツ/容器重量は雨水に濡れていることも考慮して858グラムとしました。
なのでドクダミの素材重量としては1968グラムになります。
収穫した物量のわりにあまりグラム数稼げませんでしたね、とりあえず収油率はみれそうなのでざっと2キロ分でみていきたいと思います。

シトラスフレッシュな香りを生かした精油に仕上げたいので蒸留時間は気持ち短めに。

蒸留時間は1時間30分としました!
薬用成分の抽出というよりか、おいらことエフゲニーマエダ氏はドクダミを香料として見ており、ドクダミの特徴的な清々しいシトラスアロマを崩さないような精油を得たいと考えたため、蒸留時間は気持ち短めで回します。

ちなみに前回も1時間半だったようです。
なので収油率の比較に際しても正確性が増しますね。

■結果は…!?

相変わらずヤロウ蒸留の影響でカマズレンが精油に染みてしまってマス

得られたドクダミ精油はピペット目盛り計測で0.4mLでした!
やっぱしとんでもなく少ないなぁ…
前回もえげつない少ない収油率だった気がするんですよね。

あまりに少ないので前回分と足している

前回…とはいっても昨年のドクダミ蒸留で得た精油に足してまとめてしまっています。けれどやっとこの量。
量をまとめないと香りが確かめられないくらい少ないんですよね。。。

1.収油率 - EO Yield

抽出量[ 0.4mL ]÷ 素材重量[ 1968g]x 100 = 0.020%

7月初旬ドクダミ蒸留の収油率

前年同時期のドクダミ蒸留では収油率が0.039%でした。
今回はさらに下回る0.020%と、わりと%を落とす結果に…

考察としては雨降り日に収穫してびしょ濡れのボタニカルを蒸留したので雨水分が重量に影響したためと考えてます。
前人まではギャンギャンの晴れ日続きだったので精油成分はわりとたくさん作られてそうな気もしたんですけどね。どこに蓄えられるのかは相変わらずわかっていません(調べてないだけ…)。

とにもかくにも、美しいシトラス香料をわざわざ収油率の少ないドクダミから得たい!と考えるのはまぁまぁな愚策といえる収油率であることは変わりなさそうでした。

2.香りとか - EO Scent

香り・アロマの評価としてドクダミをみると、癒されるドクダミの香りを集めて凝縮した精油の美しい香りは、ドクダミの生草っぽい香りスイートオレンジやマンダリンオレンジのような柑橘類の中でも香り甘いグループに似た美味しい香りがあります。
その香り甘さがドクダミ精油を癒される美しい香りにしているんだと思います。

…まぁ強いて言えば、この低い収油率よりかは素直に柑橘精油のなかで似通った香り個性を持つ精油を探した方がコスパ良いのかもしれません。

■総評!

ドクダミ(Houttynia cordata)は葉っぱに触れれば誰でも味わえるシトラスな香りをもっており、蒸留にかけてみるとまぁ精油が得られることは判明しています。一応は精油として出てくるんですね。

しかし問題なのはその精油の抽出量の低さ。
0.1%を切ってしまっているので香料としてはかなり苦労してボタニカルを集めることになる部類。
なので精油という商品形態であまり世の中に出回りにくいのも想像がつきます。

で、香りに敏感・強い方ならそこらのスイートオレンジやみかん精油とドクダミ精油の香りの違いはさすがに区別つけられるとは思いますが、一般人目線でわざわざ収率の低いドクダミ精油で柑橘アロマを楽しむより、素直に甘い香りが際立つ柑橘精油を買い求めた方が得策でしょう。。。
エコロジーに考えて、無理に電気と水を使うことはないっすね…f^^;

まぁ、蒸留素材としては相変わらずエゾヨモギ(葉っぱと茎)並みに低い収率の植物ですよ、といったデータは残しておこうと思います。

来年はドクダミ蒸留やるかどうか怪しいなぁ…笑
ではでは!

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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。