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【蒸留日記vol.13】北海道の林業2番手、カラマツを蒸留してみる!
札幌が大雪で大混乱した日の翌日。。。
わが地元では積もるというより、横殴りの吹雪なお天気模様となりました。
吹雪が収まったさらに後日。
裏庭をウロウロしているとドスン!と生えているカラマツの下枝がボキボキ折れているのをハッケン!
そこでエフゲニーマエダは思い出す・・・
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そういえばカラマツも一応オイルは採れるよな!?と思い出し、
釜に入る量の枝を拝借してきました!
植林地に生えてて枝打ち管理を受けている"人工林カラマツ"とは違って野放しカラマツなので下枝が多く、毎年雪の重みでひん曲がってるんですよね。
ちゃんと枝打ちしてあげたいね。
屋根除雪の傍ら、おちおち雪の上を歩いて枝拾ってきました。
なんだかこの時期になると雪解け要素も加わるらしく、雪原の上をさほど埋まらず歩けるようになります。
いよいよ春=メープルシロップの時期も到来ということになりますね。。。
●カラマツ(Larix kaempferi)のご紹介!
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トドマツ(Abies sachalinensis)と並び、北海道の田舎道をドライブしていてまず目にしないことがないほど、北海道の風景をかたちづくる針葉樹です。
大正時代から盛んに植林され、2020年代の現在でもたくさんカラマツの丸太が収穫されています。
歴史はというと、もともと北海道には生えていなかったカラマツ。
生まれは長野県の高原地域にあるカラマツが、北海道へ盛んに移植されたそうです。
今現在では、人工林として管理整備されず野生化したカラマツ林もあるほど。。。
生命力がスゴイんだナ!(ライフサイクルが早い、とも)
炭鉱時代は坑道トンネルを支える坑木や掘っ立て長屋の構造材として多用されていたそうです。
なのでわが街三笠市も、まちを囲うようにカラマツ林が存在しています。
しかし家屋に使うには難しい時代が長くありました。
カラマツは乾燥させると丸太がねじれていくのです。。。
木材業界では『材が暴れる』というのですが、乾燥が進んだり湿気を吸ったりして角材がどんどん曲がっていくので、近代になってカラマツ独自の乾燥法が確立されるまでは、扱いが難しい木材でした。
そんな歴史とともにあるカラマツ(Larix kaempferi)からオイルを採ってみましょ〜う!
●今回は枝を蒸留してみた
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まずは太いものと芝枝とで分別分別!
釜には蒸気が抜けるように交互に積層させます。
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で、釜に詰め込んでみた図。
枝を盛んに蒸留するボタニカルといえば、本州のクロモジがありますね。
クロモジ蒸留家さんも、こんな景色を毎日見ているのかなぁーとか。。。
●はたして蒸留の結果は…!?
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1時間半回しているハズなんですが、ぜんっぜんオイルの溜まりは良くない模様。。。
葉っぱだったらまた結果は変わるのでしょうが、これはぜんぜん量取れない予感。
そういえばカラマツアロマオイルってぜんぜん聞かないですもんね。
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で結果。
5ミリボトルに1/4ほどしか溜まらなかった。1.5mLほどだろうか?
蒸留成績としては前々回のドイツトウヒ並みの少なさに匹敵する。
けど蒸留したのは苔むした古い枝だったので、わりと若い枝だともっとオイルは採れるのかもしれない。フレッシュだしね!
●香りの味わいはまた独特だった!
けど香りとしては、わりと初めて感じるような重めでマットな香り。
(これがウッディな香りというのだろうか?)
ほかマツの葉っぱから抽出したオイルとは一線を画すような香り!であることは間違いなさそう!
聞いた話だけど、ヒノキオイルやスギオイルも葉っぱ(Leaf oil)と木材(wood oil)とじゃ香り成分の構成が全然違って、実際匂いも違うと聞く。
化学的に考えてみても、カラマツであれ、葉っぱと幹の中とじゃ細胞の発達(代謝)方法が違うんだから、含んでる物質もそれなりに違うよね〜というのはあながち納得できる…!(個人的には)
と・な・る・と
活用方法としては、葉っぱ系のフレッシュな香りとは違って、ウッディな香りのキャンドルとか香りづけに活用できるんじゃないかと考えている。。。
キャンドルのラインナップも緑系ばかりじゃなく、ブラウン系・樹木系のカラーもバリエーション展開したいしね!
ということでごぜぇーます!
一応カラマツの冬枝からもオイルはわずかながら採れたよ!という実験回でした!
たぶんカラマツからエッセンシャルオイルとってる企業さんとか製品って、ほぼないと思うんですよ。
ぜんぜんメジャーではない上抽出量も少ないですが、活用した二次製品作ってカラマツアロマの名を広めたいな〜とは思ってたりするおいらですbb
んではでは!
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