『なぜなぜ』
「申し訳ありませんでした。」
俺は頭を下げる。
職場でミスをしてしまった。
加工不良をそのまま発送してしまったのだ。
製造業を営む者ならわかる絶対に有るまじき失敗である。
しっかり確認していればこのようにはならなかった。
しかし俺は上司にこの製品が良品であるかどうかは先日確認したはずだ。
その時上司は「うん。大丈夫。」
そう述べた。
俺は上司を頼りにしすぎていた。
ぶっちゃけ本当に良品なのかどうかは不安だった。
しかし上司に大丈夫と言われてから安堵していた。
そういえば先日、新入社員研修でこう言われた。
「上司を信用し過ぎてはいけない。
どれだけキャリアを積んだ人でもミスはする。」
ということ。
それを学んだはずだけどどうしても上司を信用してしまう。
悪い事ではないとは思うのだがもう少し自分自身の考えも必要なのかもしれない。
徹頭徹尾上司の言われるがままに働いているだけである。
そりゃもちろん自分だって誰を頼りにしなくても仕事できるようになりたい。
けどなぜか上手くできない。センスの問題なのだろうか。
とりあえず加工ミスの原因を考えることに。
加工ミスをしてしまった原因を考える事で、次回同じ製品を加工する時に活かせる。
Q. なぜ、加工ミスが出てしまったか。
A.機会の点検をしていなかった。
Q.なぜ、機会の点検をしていなかったのか。
A.長期休暇明けという事もあり、機会の点検を忘れていた。
Q.なぜ、加工不良に気付かずに発送してしまったのか。
A.製品の確認をしていなかった。
Q.なぜ、製品の確認をしていなかったか。
A.長期休暇前は上手く出来ていたから。
Q.そこでこれから改善すべき点は?
A.良品であるか不良品であるかの確認、乃至、検査を加工の途中に行うこと。
5W1Hというのをご存知だろうか。
When
Where
Who
What
Why
How
これらの頭文字をとった言葉である。
不良品を出してしまったり不手際があった際は
Whyにフォーカスする。
新しい考えが生まれる時や真の原因の発見、解決に繋がることがある。これも新入社員研修で習った。
習ったはずなのになぜ出来ていなかったのだろうか。
俺は仕事がとても憂鬱になってきた。
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