映画の文法
久しぶりに実写の映画を観てきました
「いとみち」 原作のファンなので
あ、原作読んでない人にはちょっとだけネタバレ含みますので、ご注意を
冒頭で、これ弘前高校に通ってる意味なくね? 映画としてシンプルに造るなら青森高校に通ってる方がスッキリしない? とか、通学電車、他の高校の生徒いなくね? とか思ったのはさておき
少しネタバレになりますが、観ない人はどっちみち観ないだろうし、観る人はこの程度ネタバレのうちには入らないだろうと勝手に決めつけて、続きを書きますよ
冒頭、電車を降りたあたりのシーン、あのへんのランドマークというかシンボルと言うか、そんな存在の岩木山のカットがあるんですが、山頂の形にこそ味のある岩木山、わざわざ帽子をかぶっているみたいな雲に覆われているんですね
で、アルバイトを始めて、仲のよい子もできて、少しだけ前に進んだ感じのあたりで、また岩木山のカット
今度は、少し雲が薄くなっていて
そして最後、父とふたりで岩木山頂まで登り(ちょっときついけど、女の子でも登れるんです、八合目までバスで行けるし)、その後自宅から見上げる岩木山はきれいなシルエットで
ほかには髪を梳いてもらうシーン
二回目に髪を梳いてもらう時には、無言で、察してくれ、という感じで催促
そしてゆっくりと涙
きっと自分が気づかなかったもっと細かい仕掛けとか演技とかいっぱいあったと思うんです
で、ですね
最近の若い人って映画を倍速で見たりするっていうじゃないですか
そういう人たちにとっては全然面白くない映画だろうな、と思ったわけです
「間」だったり、視線の向きだったり、たぶん横浜監督だってエンタメ寄りに抑えて作ったと思うんですよ、この映画
それでもやっぱり、ディズニーとかマーベルとかそういうスピード感とかわかりやすい表現に慣れた人にとっては、退屈な映画に思えるんじゃないかな、と
映画を観慣れている妻には勧められるけど、娘たちはこれ観て面白いって思わなそうな気がしたのでした
主人公「いと」の自宅での自堕落っぽいところはとてもウチの娘たちに似ているな、と思ったんですけどね