この間の諸事情(志望校再設定と面談)〈中編〉
第73話
〈前回のあらすじ〉
志望校を再設定するチャンスが来た。
4月に立てた、東大とかいう無謀な目標は目標として機能しなくなっていたので、
良い機会だと思った。
とはいえ、ここで目標を変えることには違和感を覚えました。
「目標を変える」ということ自体が違和感なんです。
目標を立てるとき、
それは安易に変えられないもの、と自分に言い聞かせる。
そうやって自分を律する。
目標は、不変で、絶対でなければならないんです。
そして私は、板挟みになりました。
現実に即したサイドからは目標を変えるように言われ、
理論を通したサイドからは目標を変えないように言われているようなものです。
それが、7月18日の夕方〜夜のことです。
面談のある翌19日までにこれ↓を書かなきゃいけなかったからです。
母親から、「書き終わったら夜ご飯だ」と、食べ物を人質に取られました。
お腹は空いてましたが、まぁ、仕方ないです。
妥協はしたくないんで。
いろいろ考えました。
「答えってなんだろう」とか、
概念の思考に溺れました。私の良くない癖です。
ですがその思考中とあるとき、22時ぐらいだったか、
あることに気づきました。
"いつの"第1志望校とは書いてない!
屁理屈ですね。
ですが、これで方向性が決まっていきました。
嫌な予感。
そうです。
また「東大」になりました。
話が違うじゃないか!
志望理由のところ見てみましょうか。
「もっとも、そろそろ現実を見て、高望みはやめるべきなのでしょうけど、
ここで変えてしまうと、絶対としていたものが崩壊してしまう気がしたので。
4月の自分の意見の尊重 兼 4月の自分への責任のなすりつけ(仕返し)」
まず譲歩してますね。現実サイドに寄り添ってます。
で、逆接。理論サイドが勝ったんですね。
"現実"よりも"理"優先だと。
選んだ理由をまとめてみましょう。
まず、
①:"いつの"の志望だとは書いてないから。
これは流石に志望理由の欄に書くわけにはいきません。
実際に書いたのは
②:絶対としていたものが崩壊してしまうから。(それは己の理に合わない。)
③:4月の自分の意見を尊重するため。
④:4月の自分へ責任をなすりつけるため。仕返し。
仕返しですよ。あんな口調で書かれたんですから。(前回参照。)
他には、「志望」という言葉につっかかる形で、
⑤:現実サイドでは志望ができないから。
とか。
あとは、ここ2か月の私の風潮、
自分の毎日を"物語"としてみているところから、
⑥:物語の続きが見たいから。手出しするのはナンセンス。
とか、
⑦:苦しめばこそ昇華される芸術の質が高いだろうから。
とか。
でも⑦に関しては、少し疑問あり。
苦しまなくたって良質な芸術は生まれる。
芸術昇華は、意味の無い行動も
そういう作品だと言うことで意味を持たせられる。
そういう点で、最強ではあるんです。
そのため、大学合格といった一般的な勝利を得られなくても、
自分なりの勝利を見出すとかになると思います。
しかしそんな勝利は他人に認められない。そこで次の理由。
⑧:両勝利するため。
主観的にも客観的にも、ってことです。
あとは4月からある理由。
⑨青天井にするため。
天井(=目標)に一喜一憂せずに最大限努力できるようにするため
でしたね。
もともとは⑨だけだったんですね。
それが今では①〜⑨の9個の理由が。
理由があとから付いてきたんです。
ですが、今挙げた理由をもう一度見てみると、
③④は、今の自分と4月の自分を"別"とする前提のもと
成り立っているんです。
⑤は、現実サイドと理サイドの、2つの自分があるという前提のもと
成り立っているんです。
⑥⑦は、物語・作品の中にいる自分と、鑑賞者の自分がいるという前提のもと
成り立っているんです。
私の活動名「しぐん」は、漢字では「私群」だったりするんですが、
今のを見ると分かりますね。
たくさんの"自分"を作っていたんです。
そんなものは、通常の次元では「無いもの」とされます。
ですから、9個も理由が出ましたが、
通常の次元から見たらそれは「虚数」のようなものなんです。
分かりますか?
そんなわけで、
第一志望校が、ある次元では決まったんです。
午前3時でした。
冷蔵庫に入ってた夜ご飯を温めて食べ、
お風呂に入って、
ちょうど午前4時だったので、
『夜明けの朝』を聴きながら、お皿を洗って、歯を磨いて、
そして寝ました。
後編に続きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。