スペイングルメの王様「パエジャ」を大解剖!おいしいパエジャはどこにある?
こんにちは、しえです!いつもご覧いただきありがとうございます!
Paella。説明不要ですね。あのスペイン発祥の黄色いお米料理です。
おそらく日本に一番最初に登場したスペイン料理で、お米の国の私達としては見逃せないグルメです。スペイン料理といえばパエジャが思い浮かぶのが普通でしょう。
スペインに足を運ぶなら、絶対に試して欲しい本場のパエジャ。国を代表する料理なだけあって奥が深い。
スペインで好みのパエジャに出会うためにも、その歴史や種類、どこで食べるべきか?どれを避けるべきか?などなどパエジャ周りのイロハを伝授いたします!バモース!
Paellaとは?
日本語でパエリア、スペイン語ではPaellaと名付けられた食の世界遺産。お米料理ということもあり、いつの間にか日本にも定着しています。
取っ手の付いた浅いフライパンにお米が敷き詰められ、その上に魚介やお肉、野菜など様々な食材がトッピングされている姿がお馴染みです。
日本でスペイン料理屋さんに行けば必ず出会える一品で、むしろメインと言っても過言ではありません。
その発祥はバレンシア地方
パエジャの発祥はスペイン南東部に位置するバレンシア地方です。
パエジャが登場する記述で最も古いものは18世紀だそうですが、発祥はそのもっともっと前。9世紀頃にアラブ人たちが稲を持ち込み、バレンシアで稲作を始めた結果生まれたものとされています。
現在のバレンシア市街地のすぐ南にある「アルフェブーラ自然公園」の辺りがパエジャ発祥の地だそうで、今もその周辺地域ではお米の栽培が盛んに行われています。
大人数の食事を賄うためのパエジャ
日本ではホームパーティの際に並んだり、レストランで食べたりと比較的「豪華な食事」カテゴリーに入るパエジャ。おいしくて見栄えも良いのでなんら不思議はありません。
しかし、実はもともと豪華さとは真逆のcampo(畑や田舎の意味)の料理でした。
薪で火を起こし、大きな鍋で家族や友達の食事を一度に作っていたのがパエジャの発祥。手に入る食材を集め、大人数分の食事を賄うことを目的として生まれた料理です。
その後少しずつ街にも広がっていき、人の集まるお祭りなどでも作られるようになりました。
現在のスペインでも、パエジャの立ち位置は変わらず「家族で食事をする時のお料理」。日曜や祝日など、人が集まる時をメインに家庭でも作られます。中には「毎週日曜日のお昼は絶対にパエジャだった」という人も!
Paella Valencianaが本物
元来のパエジャの材料はとてもシンプル。現在のように魚介やお肉をたっぷり使う料理ではありませんでした。
本来のパエジャは大地の恵みのみ!
一番最初のパエジャはお米、オリーブオイル、お水、ウサギのお肉、モロッコいんげん、白いんげん豆、そしてカタツムリを使って作られていました。
現在のパエジャ・バレンシアーナは元々の材料にサフラン、鶏肉、トマト、塩を加えたものが王道です。
クラシックなパエジャ・バレンシアーナは海のものは一切入っていないのが特徴で、魚介類を入れたパエジャは本物のパエジャではないと考える人もいるのだとか!
パエジャといえば魚介というイメージが強いので、意外に思われるでしょう。魚介類がふんだんに使われるようになるのはパエジャがバレンシアを飛び出して、もっと全国に広がってからなんです。
ウサギとカタツムリ
本物のパエジャの材料の中に、日本では見慣れない食材が2つありますね。ウサギとカタツムリ。うん、あのウサギとカタツムリです。ご想像通りの。
スペインではウサギのお肉は鶏、豚、牛と同じくよく食べる食材です。そしてカタツムリも。
どちらもパエジャだけでなく、煮込み料理に入っていたり、メイン食材だったり・・。ゲテモノ?No,no,普通においしいです!
ただ、カタツムリをよく食べる地域はバレンシア、アンダルシア、カタルーニャ、アラゴン、後はガリシア州に限られているようです。私もバレンシアで食べましたね、カタツムリの煮込み。貝ですよ、貝!貝と同じ味!
ウサギはスペイン全国で食べられます。スーパーで普通に販売されていますし、家庭料理として出されることも結構あります。
パエジャの種類
パエジャ・バレンシアーナがオリジナルではあるものの、現在のスペインには様々な種類のパエジャがあります。色んなパエジャを試してみるのもスペイン旅行の醍醐味です!
Paella Marinera(海のパエジャ)
私達が持つエビやムール貝、イカなど豊富に魚介類が飾られたパエジャはPaella Marinera(海のパエジャ)と呼ばれます。
大きな伊勢海老などが入ったパエジャもありますが、地元民に言わせると「完全に観光客向け」だそうです。
Paella Señorito(坊っちゃんのパエジャ)
魚介類が使われたパエジャの1つの種類として、Paella Señorito(坊っちゃんのパエジャ)というものがあります。
坊っちゃんと呼ばれる由来は、エビやムール貝など食べにくい魚介類がすべて殻が剥かれた状態で入っているから笑。手が汚れない、お坊ちゃん仕様のパエジャです。
Paella mixta(ミックスパエジャ)
その名の通り、海と大地の素材どちらも使われたパエジャのことをPaella mixta(ミックスパエジャ)と呼びます。
全国どこででも食べられるタイプのパエジャで、現在一番スタンダードなもの。バレンシアでももちろん食べられます。パエジャ・バレンシアーナとパエジャ・マリネラのいいとこ取りですね!
Arroz Negro(イカスミのパエジャ)
パエジャといえば黄色が定番ですが、イカスミを使った真っ黒なものも存在します。それがArroz Negro(イカスミのパエジャ)!
arrosはお米、negroは黒という意味。名前のまんま、本当に真っ黒です。びっくりするかも。イカスミを使い、魚介の出汁で作られるアロス・ネグロは旨味がたっぷり詰まっていておいしい!おすすめです。
Fideuà(ショートパスタを使ったパエジャ)
お米の代わりに短いパスタを使ったパエジャがFideuà(ショートパスタを使ったパエジャ)です。細く短いパスタや、マカロニ形状のパスタが使われます。これ大好き。個人的にはお米のパエジャより好き!
aioliというマヨネーズ状のにんにく風味のソースを付けて食べるのが主流。パスタですが、予想外にブヨブヨ食感にはなっておらず、ツルツル食べられます。ぜひお試しください。
お気に召したら、スーパーでフィデウア用のパスタが売っているのでお土産にどうぞ!
パエジャはどこで食べるもの?
どうせ食べるなら、おいしいパエジャに出会いたいですよね。しかし、スペインに出かけると、特に観光地に行くとあっちのお店もこっちのお店もパエジャ。一体どこがおいしいの?と頭を悩ませるはず。
万が一ハズレを引いてしまったら「こんなもんか」で終わってしまう可能性があるので注意です。
お米料理専門のarroceríaで食べる!
スペインにはお米料理の専門店、arroceríaがあります。どこでパエジャを食べるか迷った時には、アロセリアを選べば間違いありません!
多くの場合、お店の外にアロセリアの表示があったりお店の名前自体が「アロセリア◯◯」だったりとお米を全面に押し出しているので探してみてください。グーグルマップでarroceríaと検索すれば、たくさん出てきます!
一人旅にはMenú del Día(日替わりランチ)
実はスペインでパエジャを食べようとする場合、2人以上からの注文のところが多いんです。
パエジャのフライパンのことをPaelleraと呼びますが、これが一番小さいものでも大概2人用から。1人用のパエジェラもあるにはありますが、1人用に1からパエジャを作ってくれるお店は少ない。
一人旅の場合、おいしいパエジャを食べるならMenú del Día(日替わりランチ)の利用がおすすめです。メヌー・デル・ディアであれば、たくさん作ったパエジャから一人分がお皿に盛り付けられてサーブされます。
ハズレパエジャ回避の心得
当たりがあれば、ハズレもあります。まあ当然ですね。ハズレを知ることで当たりを引く確率がぐっと上がります!
冷凍かどうかを見極めて!
恐ろしいことに、あの国には冷凍のパエジャが存在します。絶対に避けてほしい。
いや、私もスペインの冷凍食品が日本ほどのクオリティがあるならこんなことは言いません。日本の冷凍食品、最高においしいですからね。スペインの冷凍食品はイマイチ。
決しておいしいとは言えない冷凍食品のパエジャを、まるで作っているかのように出しているお店が存在します。観光客向けに。
特に、絶対に手作りではないパエジャの看板が出ていたら冷凍だそうです。正直しょっちゅう見かけますが現地のスペイン人が止めろというので、どれだけパエジャが食べたくても食べません。現地民の言うことは聞いた方がいいですよね!
価格を確認!
実は、パエジャは安く手軽に食べられるお料理ではありません。サフランも高い、パエジャに相応しい丸形のお米も比較的高い、魚介類も安くはない。材料費が高いのですから、売値も高くなるのが普通です。
それなのに10ユーロ以下でパエジャが食べられるのは絶対にありえない!冷凍です。一人分15ユーロ以上が目安です。他のお料理が良くても、パエジャは冷凍の可能性が高い。避けましょう。
好みのパエジャを探して!
スペインを代表するお料理パエジャにまつわるあれこれ、いかがでしたか?
お腹空きましたね!今すぐパエジャが食べたいですが、日本ではなかなか食べられないのが残念です。これは自作するしかない。
スペインは他のヨーロッパの国に比べると食費が比較的安く済むので節約旅にもおすすめ!パエジャはそんなスペインでは少々価格がお高めの存在ですが、絶対に後悔しません。
種類も豊富、見た目も良い、おいしいと三拍子揃ったパエジャをぜひお試しあれ!
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