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アイロンに命懸けてますから
以前アイロンをかけている母に言われたことがある。
そこまで一生懸命でなくてもいいんじゃないかと思ったが
「そうですか」とだけ返した。
子どもたちが寝ている寝室で薄明りの中、翌日分の制服のブラウスやYシャツにアイロンをかけていた。(厭味ではなく、実家は家の構造的に&部屋が狭くて寝室くらいしかアイロン台を広げるスペースがなかった)
ちなみに
伯母や従兄とも一緒に住んでいたが、彼らも同じく自分でアイロンをかける主義だった。(クリーニング代がもったいないとの事)
家族が当たり前のようにアイロンをかけていたので、私も実家を出てからはTシャツやデニムも含め何でもアイロンをかけていた。
人にやってもらっている間はその作業の面倒臭さややる意味は理解できないものだ。
正直場所は取るし手間はかかるし、厄介なシワと格闘していると汗ばんでくる。一苦労ではある。しかし、どんなに安い服・古びた服でもアイロンをかけるだけで、服が凛とした姿になっていく。それに比例して気持ちもシャキッとしてくる。個人的にはメイクよりも気持ちがあがる。
友人が泊まりに来た時も、アイロンをかけてあげたらとても喜んでくれた。
やはり美人にはアイロンでピンと整った服がお似合いだ。
東京・丸の内の一等地にある自社オフィスに向かう道中には、たくさんの美男美女・イケオジ・美魔女に遭遇する。
顔や髪型はバッチリ仕上がっていて洋服や装飾品はきらびやかなことが多いが、服の状態をよく見ると実はシワだらけで、ほつれていたりする。
もったいないなぁ。
あなたの魅力、服の価値を半減させてしまっていますよと言いたくなる。
アイロンをかけてあげたい。
どうやら母のスピリットはしっかりと受け継いでいるようだ。