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生徒指導提要が改訂されました!

2022.12.6
生徒指導提要が改訂されました。

生徒指導の基本書として平成22年に作られ、12年ぶりに初の改訂がされました。

新しい生徒指導提要はデジタルテキストです。
私達が要望していた不適切指導が書かれた部分は、
第3章 チーム学校による生徒指導体制 の中の、
3.6 生徒指導に関する法制度等の運用体制 の中の、
3.6.2 懲戒と体罰・不適切な指導
のところをタップすると103頁に飛び、見ることができます。
105頁には不適切指導の具体例などが載っています。


生徒指導提要は、子どもの命に関わる教材

もともとの生徒指導提要も大変充実した内容だったと思います。
それが現場で実践されていれば、子どもが死にたくなったり学校に行けなくなるような指導にはならないと思っていました。
改訂されたことを機に、生徒指導提要を子どもの命に関わる教材と思って、先生はもちろん、保護者にも子ども自身にも、読んでみていただきたいです。

不適切指導の具体例が載りました

105頁には、不適切指導の具体例が7つ載っています。

生徒指導提要105頁 図

不適切指導についての「注意書き」も載っています

具体例の下にも、不適切指導に関して大変重要なことが書かれています。

たとえ身体的な侵害や、肉体的苦痛を与える行為でなくても、いたずらに注意や 過度な叱責を繰り返すことは、児童生徒のストレスや不安感を高め、自信や意欲を喪失させるなど、児童生徒を精神的に追い詰めることにつながりかねません。教職員にとっては日常的な声掛けや指導であっても、児童生徒や個々の状況によって受け止めが異なること から、特定の児童生徒のみならず、全体への過度な叱責等に対しても、児童生徒が圧力と感じる場合もあることを考慮しなければなりません。そのため、指導を行った後には、児童生徒を一人にせず、心身の状況を観察するなど、指導後のフォローを行うことが大切です。加えて、教職員による不適切な指導等が不登校や自殺のきっかけになる場合もあることから、体罰や不適切な言動等が、部活動を含めた学校生活全体において、いかなる児童 生徒に対しても決して許されないことに留意する必要があります[*43] 。

生徒指導提要105頁

上の文章のままで十分ですが、要点をまとめてみます。
・教職員にとっては日常的な声掛けや指導のつもりでも、生徒を精神的に追い詰めてしまうことがあること
・個人ではなく全体への指導でも、生徒が圧力と感じる場合もあること
・指導後のフォローを行うことが大切
不適切な指導等が不登校や自殺のきっかけになる場合もあること
・不適切な言動は、部活動・学校生活全体において、どんな生徒に対しても決して許されないこと

具体的な事案も載りました

不適切指導の解説が書かれた文章の最後に、[*43]として、「池田町における自殺事案を踏まえた生徒指導上の留意事項について」という文科省の通知をつけています。
文科省は通知の中で、この事件を、「生徒指導上の不適切な対応,学校における組織的な対応の欠如」があった事案としています。

この事件の記事は以下のようなものがあります。


最後に

生徒指導提要で不適切指導の存在に初めて触れられましたが、自分の日常に心当たる場面はありませんでしたか?
指導後に子どもが亡くなってしまう事件の背景には、このような不適切な言動があるのだと思います。
池田中の事案が提要に載ったのは、このような事件を繰り返さないために、生徒指導提要に書かれていることを守ってほしいというメッセージだと思います。
今回の改訂によって、少しでも不適切指導に気づきやすくなったり、周りが指摘しやすくなったりして、一人でも多くの子どもの命と未来が守られほしいと願っています。


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