
「やめること」からはじめなさい 千田琢哉
「自分で「がんばっている」とか「努力している」と感じた時点で、それは好きなことではないからさっさとやめてしまうことだ。」
「やめること」からはじめなさい 千田琢哉
がんばっているけど、報われない。
そう思っている人が多いのではないでしょうか?
ひょっとして、そう思い当たるあなたは、何かを「いっぱい、いっぱい」抱え込んでいるのではないですか?
千田琢哉さんは、このように語ります。
そんな「いっぱいいっぱい」の人生に何かを足そうとしても、それは無理な話だ。実は、今のあなたに必要なことは「やめる」ことなのだ。
~しなければならない
という呪縛に囚われてはいませんか?
自分で「がんばっている」とか「努力している」と感じた時点で、それは好きなことではないからさっさとやめてしまうことだ。
「勉強なんてしなくても生きていく道はある」と千田さんは言います。
それよりも大切なことがあるのです。
好きなこととは何か。
気がついたらついやってしまっていることである。
気がついたらつい文章を書いてしまっている人が作家になる。
気がついたらつい絵を描いてしまっている人が画家になる。
気がついたらつい作曲してしまっている人が作曲家になる。
無意識にやり続けていることが、自分の好きなことであり、それが人生の幸福感を得ることで、嫌なことに時間を費やしていても報われないことが多いのだと。
便利な世の中になっているはずなのに、どうして心が疲れているのだろう?
たくさんの服を着すぎて、苦しくなっているように、少しづつそれらを脱ぎ捨てて身軽になればいいのではないか?
それには
「そうあらねばならない」と思い込んでいたことを少しずつやめること。そうすることによって、「報われる人生へと変わってゆくのではないか?」
この本は千田さんがとても短い文章で、はっきりと言い切っています。ときにはそれが、キツイ言い方にも聞こえましたが、でも、腑に落ちる言葉が多かったのです。
今まで、人生を変えるためには「何かをやる」ということが潜在意識の中に刷り込まれていたのですが、そうではないのですね。
まず、「やめてみる」ことが飛躍につながるコツだというのがよくわかりました。
印象的だった言葉が
イケてるやつ、モテるやつは絶対に群がっていない。
ネット上に1次情報はひとつもない。人とお金が殺到するのはいつも1次情報だ。デジタル化が進めば進むほどアナログの価値は上がるのだ。
眠くてなかなか頭に入らない読書など時間の無駄だ。やさしい本を堂々と読むことのできる人が将来成功するのだ。
友達はがんばって作るものではなく、一人でがんばっていたら勝手にできてしまっているものだ。
むやみに人に会うのはお互いの命の時間の無駄遣い。まず目の前の人を大切にしていこう。
これからは、追加することから、手放すことに切り替えていこうと考えさせられた本でした。
【出典】
「やめること」からはじめなさい 千田琢哉 星海社新書