ラジオ『私たちはどう学んでいるのか: 創発から見る認知の変化』の文字起こし
今回紹介する本は『私たちはどう学んでいるのか。創発から見る認知の変化』です。
正直今年読んだ本の中でぶっちぎりで面白かった本でした。
この本を一言で表すと「私たちがどうやって物事を認識し、認知獲得しているのかを教えてくれる」本です。
この本の面白さは「私たちの無意識を意図的に変えることができる」って言っている部分なんですよね。
僕らは基本的に「無意識は自分では書き換えられない」と思っています。でもこの本を読むとどうやらそうではないということがわかります。
一言で要約
使い方
著者
この本の著者は鈴木博明さんです。
この方は現在、青山学院大学に所属されており、心理学を専攻されている教授です。東京大学、中大、エディンバラ大学の客員研究員などを経て青山学院大学に所属されています。
この本では、どうやって僕らは学んでいるのかをすごくわかりやすく教えてくれている一冊です。
では中身に入っていきます。
僕らがどうやって学んでいるのか
この本は「認知っていうのは記憶と外からの刺激の 2 つを混ぜて獲得しているんだよ」というふうに教えてくれています。
例えば人間はこのリンゴっていう名前や記号を覚えたり、その見た目を覚えたり、その味を覚えます。リンゴがあったとしてリンゴを知らない、食べたことがない。だけど食べてみて甘くて美味しいなって感じたとリンゴは甘くて美味しいものだと覚えます。 それの名前がリンゴだと覚えると「リンゴは美味しい」と獲得されていきます。
外からの刺激を自分なりに覚えたものが記憶です。りんごは美味しいということがなんと認知獲得なんですよね。だから「認知っていうのは記憶と外からの刺激によって作られるよ」って言っています。
認知獲得が無意識に関係する理由
ではなぜ認知獲得が無意識に関係するのかについて話していきます。
人間は基本的には省エネで生きていきたいんですよね。人間の脳は 20% 以上の体内のカロリーを使うんですよ。つまり考えれば考えるほどすごいエネルギーを使ってしまう。エネルギーを使うと植物を食べないといけないので食べ物を摂ってカロリーを補わないといけないので基本的には省エネで生きていきたいんですよね。
省エネにするために「自動処理」してくれる無意識に落とし込んでいくんですよね。いろんなことを無意識に落とし込んでいくことで自動的に処理されるようにするんですよ。すると省エネになります。だから「無意識に落とし込む = 省エネ」という構図です。
無意識に落とし込んでいく作業において重要になってくるのがよく選択すること、よく選ぶことなんですよね。つまりよく選ばれるものは無意識に落とし込まれていって自動的に再生されるようになる。これがすごく大事なポイントです。
僕らは同じものを体験しても前と違った受け止め方をすることがあります。
これを揺らぎと呼ぶそうです。つまり同じ対象を捉えるのに複数の選択肢があるんです。例えばリンゴを食べたときに甘いと思っていたんだけど酸味を感じるようになった酸味ばかり感じるようになると甘かった食べ物から酸っぱい食べ物に変わっていくんですよね。こういった別の解釈を得ることを揺らぎと呼びます。
この揺らぎが認知獲得においてはとても重要だそうで、どれだけその選択肢を選んだかが認知を変えていきます。甘いと思っていたリンゴが酸っぱいと感じられて酸っぱい食べ物だと認識されていく過程も当然あり得ます。これは食べたリンゴが毎度酸っぱかった場合酸っぱい食べ物になっていくんですよ。
選択肢をどれだけ選んだのか、どれだけポイントを積んだのかによって認知が書き換えられるそうです。 先ほど「よく選ぶものは無意識に行く」と言いました。認知は何度も選ばれると自動的に無意識に落とし込まれていきます。
つまり「意図的にいつもと違うものを選び続けると無意識を書き換えることができる」んですよね。
ポイントを積み続けることによって無意識を書き換えることができるとこの本では言っていました。ポイントという単語は出てきてないんですけど分かりやすくするためにポイントという単語を使っています。
使い方
ではこの本について使い方を話していこうと思います。
僕はこの本をメンタルケアと習慣化に使ったんですよね。
メンタルケアについては後で話します。
習慣化は毎日「ちょっとやる」だけ
まずは習慣化なんですけど習慣化って結構難しいタスクだと思っていて、なかなか 3 日坊主になっちゃったりとか続かないものだと思うんですよね。なのでどうやってやっているかっていうととりあえずちょっとだけやるをやっています。
僕は今ピアノ 5 ヶ月くらい練習しています。 5 ヶ月間ほぼ毎日鍵盤を触るだけをやってるんですよ。それをやるとピアノを弾く体勢になってるんで自動的に演奏が始まるんですよね。これはよくやるを作ってるだけなのでそれが最終的にピアノの練習につながる感じなんですよ。
メンタルケアは「あえて今までと違う考え方」を選び続ける
ある物事が起きたときに意図的に捉え方を変えています。僕らは基本的に自分が獲得した認知を基に世界を認識しているので無意識を書き換えないと世界の見え方っていうのは変わらないんですよね。だから、それをよく選択する、ポイントを積むことをやっていくとじりじりと長い時間をかけて世界の見え方が変わるんですよ。それによってメンタルケアができるということに気づいてやってみました。
これはね、めっちゃ効きます。マジで超おすすめです。
はい今回は以上ですありがとうございます。