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20代後半に突入した私が選ぶ10本~映画編~

前回の書籍編に引き続き今回は映画を10本厳選して書き綴ります。
前回の書籍編はこちらhttps://note.com/shuu_jdrama/n/n9869cda0de5d?sub_rt=share_crp


【邦画】

①花束みたいな恋をした

2021年公開。公開から3年半経った今でも本作が様々な切り口で語られているという事実がこの作品のクオリティの高さや作品としての強度を表しているように感じる。絹ちゃん麦くんの恋愛モノとして観ても面白いけれど、それだけでなく色々なこと(例えば社会人になるとカルチャーと疎遠になってしまうのか問題など)を考えずにはいられないという状況に無意識のうちに引き込また人も少なくないのでは?当時就活をしていた私も「社会人になったらスマホ漬けになってしまうのかな…」と恐れ慄いていたのを鮮明に覚えている。恋愛だけど恋愛だけじゃない作品。
脚本は坂元裕二。2021年は1月に本作が公開され、4月期ドラマで『大豆田とわ子と三人の元夫』を世に送りだすなど恐ろしく神がかっていた1年だった...。

②街の上で

下北沢に住む青(若葉竜也)の何気ないけど色々ある日常を軽やかなタッチで描く作品。私にとって若葉くんデビュー作でもあり今泉力哉監督を知った作品でもある。ミニシアターでの上映がメインだったと記憶しているのだが、ミニシアターにぴったりの肌触りややさしさを感じられた。
青の周りを囲む穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚といった若手女優陣がみんな魅力的。「ハーレム」ではなく男1:女3の1対1の人間関係模様をしなやかに描ける技術がほんとにすごいと思うし、そこが見心地のよさにつながっているように感じた。

③罪の声

グリコ・森永事件をモチーフにした映画。
小栗旬×星野源のW主演、野木亜紀子脚本、主題歌がUruということでかなりハードルを上げた状態で劇場に行った記憶なのだけど、そんなもの余裕で超えてきた。スパスパと事件を解決していくカタルシスもなければ、分かりやすい感動的!!なシーンがある訳でもないのだけど全く飽きない。苦しい展開もあるけれど、単なるバッドエンドでも終わらせない。とても深みのある作品。

④恋は光

こういう爽やかな恋愛モノを求めていた!!!
爽やかな映像とは裏腹に「恋とは何ぞや??」という答えなき問いに悶々とするする西野七瀬、神尾楓珠、馬場ふみか、平祐奈が眩しく愛らしい。なかでも主演の西野七瀬の演技が素晴らしすぎるので全国民に見てほしい…!
「人が光を帯びて見える」などSF要素もあるのだが、一歩間違えれば大事故になりかねない設定への違和感をまったく抱かないほど巧く作られた作品だな~と改めて思う。

⑤まともじゃないのは君も一緒

”恋愛下手な成田凌×恋愛アドバイス大好きな清原果耶”

設定を文字起こししただけでこんなに面白そうに思えるのすごくないか??
ダメダメな年上男性と面倒見たがりの年下女性。
奇異な設定をこの2人に託した方に金一封送りたい!!
気楽に面白い物語を摂取したいな~~と考えているあなたにオススメです!

⑥3年目のデビュー

日向坂46のドキュメンタリー映画。欅坂46(現:櫻坂46)の妹分「ひらがなけやき」としてデビューした彼女たちだったが実質2軍のような不遇の扱いを受ける。周囲から認められない中でのメンバーのもがき、絶望と希望、そして日向坂46への改名。ハッピーオーラをテーマに輝く彼女らからは想像できないほど生々しさが伝わってくるが、同時にアイドルっていいなというオタクにとっての原点に立ち返らせてくれる作品でもある。46回泣けます。

【洋画】

⑦ボヘミアン・ラプソディ

ロックバンドQUEENの足跡を辿る映画。QUEENの結成から発展、そしてフレディ・マーキュリーの病気までをダイナミックに物語として展開すると同時に代表曲も数多く流れるためさながら”映画”と”LIVE”両方浴びているかのよう。フレディの病気に告白のタイミングが事実と異なるという指摘があるものの、”原作改変”など悪い反応がファンからなかったのは作品の完成度ゆえだろう。公開当時、通常上映やIMAX、4DXや応援上映など2018年当時としては珍しく様々な上映形式があったこともあり、筆者は3回劇場で観た。懐かしい!!

⑧LEON

命を狙われたマチルダと殺し屋のレオンが疑似家族を形成していく物語。
任務中とは違いやさしさを覗かせるレオンと”風邪予防で被る帽子”など恰好から寄せていくなど愛らしいマチルダの関係性が尊い。
人間関係の細やかな描写に加え、大胆なアクションシーンも当然見どころ。
とくに終盤にレオンが敵地からの逃走を図る際のスピード感やカメラワークから目を離せない。

⑨アバウトタイム

イケイケ陽キャによるラブロマンスかと思いきや「人生で本当に大切なものは何か?」という普遍的な問いに踏みこむ傑作だった。タイムトラベルできる能力を得て、時間を思い通りに操れるようになっても結局は”人”なんだというメッセージに胸が熱くなる。ポスターになっている大雨がまさにその象徴。大雨が降っても結婚式をやり直さなかった。だって最愛の人と過ごした最高の時間だから。

【韓国】

⑩パラサイト 半地下の家族

自身初の韓国映画だったが、とんでもない映画を引いてしまったな。なぜだか公開初日に劇場に行って、鑑賞後、たまらなくみぞみぞしたのを鮮明に覚えている。
目に見える格差、目に見えない格差。非情にも富裕層と貧困層は生まれ、その断絶は広くそして深く蔓延り続ける。富裕層の家に忍び込んだ貧困者がリビングに隠れていたら富裕層の夫婦がセックスをし始めて、それを息を殺しながらただただ静かに潜んでいる、というシーンが1番印象に残ってる…。ソファの上でセックスして、その下で気配を消しているという構図が格差の象徴に思えてならなかった。


【終わりに】

2018年~2024年7月までの間に観た映画の数は208本。
10本に絞るのは至難の業であったが、それだけ良作に出会えたという幸福の象徴でもある。
このnoteを綴っているときに思ったことはやはり
「映画館で映画を観ることは最高だ」ということだ。
配信サイトで観ることもあるが、今回私が選んだ10作はすべて映画館で観たものであった。この10作を観た劇場の場所やその時の自分を取り巻いていた状況など意外と覚えているものだ。配信サイト等を通じていつでも観れるこの時代だからこそ、「映画館で観る映画」が加速度的に好きになっているのかもしれない。

これから生まれる名作。過去の名作の再上映。
名作映画を映画館で。
今後の人生の楽しみであることは疑いようがない。



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