[必見] 大学院へ進学したほうがいい理由 5選
こんにちは , こんばんは もしくはおはようございます.
社会人大学院生のしゅうとです.
前回はこんなタイトルで, 社会人大学院生とは思えぬネガティブキャンペーンをしてしまいました...
今回は, 前回の記事に対抗するように大学院のメリットを余すことなくお伝えできればと思います.
※あくまで, これまでの経験から僕自身が感じたこと実際に体験したことをベースに記事にさせていただいているので, 中には当てはまらない方がいるかもしれないということを予めご容赦下さい.
まず, 結論からいうと以下の5つになります
(1) 縦と横のつながりをつくることができる
(2) 大学院生のみに付与される資源(研究資金・研究室)が活用できる
(3) 院生の立場を利用し, 自身の研究(論文)を教授陣に指導してもらえる
(4) 専門性の高い講義が在学中, 何度でも聴講することができる
(5) 世間的な評価が高まる
その他
学位取得により優遇・免除を受けることができる制度がある (職種による)
専門性の高い研究を継続したことで国家試験の受験資格を得られる
細かい部分で他にも沢山ありますが, 主なものを挙げると以上になります.
それではここから, 1つずつ具体的にメリットについて解説していきたいと思います(多少マニアックな内容もあるかもしれません).
(1) 縦と横のつながりをつくることができる
環境を変えれば必然的に横と縦のつながりは増えます.
大学院では他の環境で得られるつながりとどう違うのか?
それは, 大学院でできる仲間や先輩, 教授陣は必ず専門(強み)を持っているということです.
これ, 本当に重要です.
自分の専門性を極限まで高めたいと考えたとき, それを独力で達成することは無理とまでは言いませんが, 非常に困難なミッションになります.
それぞれの強みを把握し, 協力してもらえることは手伝ってもらったり, 知恵を借りたりして自分の目標を確実に且つ効率的に達成していきましょう.
もちろん自分の専門性を頼りたいとお願いされる場面では, 惜しみなく協力するといいでしょう. 研究成果という目に見える結果が出る前に自身の知識・経験をアウトプットする機会って意外と少ないんですよね.
仲間や先輩・教授陣の力を借りる → 専門性の高い知識をインプット
仲間や先輩・教授陣に力を貸す → 自分の専門性をアウトプット
座学だけではなく, 対話して誰かと一緒に考えるという実体験の連続で知識を定着させていくということは, 学習戦略としても理に適っていると思います.
↓ 学習の考え方として大変参考になります.
2021 / 2 / 7 現在 , 緊急事態宣言中ということもあり, オンライン授業への移行で, 今までのように研究室でワイワイ議論を交わすことが難しくなってきているのも事実ですが, むしろ緊急事態宣言を口実に直接聞きづらいような突っ込んだ質問や議論をメールやオンライン面談で持ちかけたりすると, 思ってもなかったような丁寧な対応をしていただけることもあります.
僕自身, 現在の状況を利用して, 研究費のことを相談したり, 研究で使用したい書籍やワイヤレスイヤホンなどをメールで教授におねだりして, 獲得に成功しました.
その他, "本当は直接伺いたいところなのですが..." と, メールの冒頭に書いて, アポを取って直接会いにいく時間を作らずして, 他教室の教授陣へメールでキャリア形成について相談したり, 自分の研究内容に関するフィードバックを得たりしていました.
正直言って仕事しながら直接会いに行く時間を作るのって結構大変なんですよね...
横のつながりとしては, "R" というプログラミング言語を使用した統計解析をしたいということもあって, 解析依頼を自分から請け負ったりしています. 仮想データで解析するのもアリなのですが, あえて他人のデータを扱うことで強制的に期日が設けられるため, 時間的制約がある中で一定の成果を出すトレーニングになります.
(一人で勉強するとつい甘えが出てしまうので・・・)
ちなみに "R" はこんなんです. 有料の統計ソフトを使用せずに高度な解析が自宅で無料でできるのでとっても便利です.
udemyで学習するのもオススメです (セール期間に購入したほうがお得)
少し話が脱線しましたが...
時間的な費用対効果の観点から言えば, 今のこの状況(コロナ禍)は縦と横のつながりを増やしたい自分にとって優勢に働いていると感じています.
ピンチをチャンスに変えるのは全て自分次第だということですね.
(2) 大学院生のみに付与される資源(研究資金・研究室)が活用できる
院生のみに与えられる研究資金や研究室を活用できるのはとても重要です.
この辺は, 各大学院によって様々だと思いますのであくまで一例として参考にして下さい.
自分がやりたい研究を成功させるためには, ある程度の研究資金が必要です.
研究デザインによっては外部委託をしたり, 参加者や協力者へのインセンティブが必要な場面も出てくるからです.
メインの研究ではありませんが, 企業で働く労働者へのアンケート調査でマーケティング会社を経由した場合の見積もりで, 何十万もかかるということがありましたww
これ, 自腹でやれと言われたら絶対に無理ですよね??
何をやるにも資金が潤沢であるということはとても重要なんです.
僕がメインで行おうとしているランダム化比較試験という研究デザインでは, 教授のご厚意で全額資金提供を受ける予定になっています.
(いくらとは言えませんが一般的に100万くらいかかります)
その他, 学内の選考基準を満たすと助成を受けることのできる制度があるなど結構嬉しい特典が沢山あります. 助成金を使用して書籍やPCを購入することができるので, こういった制度は積極的に活用していきましょう.
(ちなみに令和2年度の選考は落ちてしまいました. 3, 4年生が優先ぽいです)
次に研究室, 研究設備を活用されることが許されることです.
僕は運良く, 昨年リフォームされたばかりの研究室で新品のデスクと立派なチェアを与えてもらっています(写真がないのでイメージだけ貼っておきます).
Wi-Fi環境も充実しており, 通信が遅い...なんてことまずありません. また, 大学院のWi-Fiを利用することで, "Pubmed" や "医中誌" で論文が取り放題ですし, 図書館で専門書を借りたりすることができます. 基本的に専門性の高い最新情報を集めるのに困ることはまずありません.
潤沢な資金を使いながら研究を進めて, 専門性の高い知識を身につけるために情報収集できる環境が整っていれば最高ですね.
また, 資金的援助を受けることできなかったとしても, 既に取られているデータを使用させてくれるかも重要です. 後方視的研究ではコストはかかりませんが, 既に同じようなデータを使用した論文が出し尽くされている可能性もあります. 研究室に蓄積されているデータに関する知見が世に出ていないのであれば, それを利用してお金をかけずに論文を書くことも可能です. 是非とも入学前に確認しておくことをオススメします.
(3) 院生の立場を利用し, 自身の研究(論文)を教授陣に指導してもらえる
相手からみたときに自分がどのような立場であるかを俯瞰的に考えるのはとても大事なことです.
大学院生という立場は教授陣からすれば, 指導を受ける権利を有している者でもあります. 学費を払って学んでいる人に, 教授陣が時間を割いて指導するのは義務でもあります. ここで, 「ぼく(わたし)は, お金払って来てるんだから教えてもらって当然だ」とふんぞり返るのはお門違いですが, 立場を利用して普通では難しいような手厚い指導やサポートを受けることができます.
院生という立場ではない時に, 教授レベルの人たちとコンタクトを取ろうとしていた人は余計に立場の違いによる扱いの変化を感じることだと思います.
これは誰が悪いということではなく, 院生以外の人間に教授レベルの人たちが時間を割かない, 割きたくないというのは仕事でもなんでもないので当たり前です. これは個人の考え方や性格に大きく左右されますが, 指導を受ける立場として院生が圧倒的に優利であることは間違いないでしょう.
特にメールでの質問の場合は, 有益な情報発信を引き出すためにフォーマットや文章構成にも工夫が必要です. その内容を一部公開したいと思います.
これは実際に質問した内容になります. (ホントはもっと質問してますが画面に入りきらなかったので割愛)
ポイントは,
(1) 冒頭に感謝や尊敬の意を示す
質問させて頂いている立場として当たり前です
(2) 自身の研究テーマを簡潔に述べる
その後の回答で研究テーマに配慮した情報提供を受けることができる可能性を高めるためです. 言い方が多少悪いかもしれませんが, 文章でそうなるように誘導します.
(3) 質問は必ず箇条書き
たまに質問を文章中にいくつも書く方がいますが, 見づらいですし, 数が多くなるほど, 見落とされる可能性が高まります. 箇条書きにすることで質問が明確になり, 回答もしやすいため詳細な内容が得られやすいです.
(4) 回答方法は相手の都合の良い形に合わせる
基本的にはメールでの返信がほとんどでしょうが, 手っ取り早く電話や面談でという方もいらっしゃいます. 電話ではペンとメモ用紙を, 面談であれば許可をいただいてボイスレコーダーを持っていくようにしましょう. 個人的にはメールのほうが互いの時間を奪い合わず, 文字情報としてずっと残るのでなべくメールで回答しやすい構成にします.
(5) 最後に改めて感謝の言葉を添える
これも(1)同様に当たり前です.
余談ですが, このメールへの返信は僕の文字量の5・6倍の内容が返ってきました...とても熱心な先生で, 本当にありがたかったです.
(4) 専門性の高い講義が在学中, 何度でも聴講することができる
僕の通っている大学院では, 毎年5月から1月末までほぼ毎日のようにどこかでなにかしらの講義が行われています.
すべての講義を受ける必要はないので, 選択科目で受けたい講義を選ぶことができます. 基本的には選択科目と必修科目を全て受講することが絶対条件になるのですが, 余裕があれば選択科目で選んでいない講義も時間さえ調整すれば聴講することが可能です. さらに今年聞き逃したとしても来年度にまた同じ講義が行われれば何度でも聴講し, 質問もその場ですることが可能です. 現在はzoomを使用したオンライン講義なので, チャット機能を使用することがほとんどです. 時間の余裕をみつけて新しい知識や考え方を学ぶのは最高の贅沢だと思います.
たまに開催される外部講師による特別講義にも積極的に参加して質問などするのもとてもオススメです.
大学院によっては講義の様子をyoutubeにupしているところもあるようのなで, 自分が通う大学院以外で有益な講義が公開されていないかを調べてみるのも良いかもしれませんね. 僕は修士課程在籍中に京都大学大学院医学研究科の生物統計学の講義を食い入るように何度も観ていました.
(5) 世間的な評価が高まる
いきなりミーハーっぽい内容になってしまい申し訳ありません笑
ただ事実として未だに, 博士 = 凄い先生 というイメージが世間一般で根強いと感じています.
肩書に見合った専門性の高い実力が身につけば, 各方面からお仕事を依頼されることも夢ではないはずです.
ただし, 期待度が高いため中身が伴っていない場合の風当たりが強いのもある程度は覚悟しておきましょう.
その他
今回は, 当てはまる方が少ないだろうなと思ったので主には取り上げなかったものも少しだけ解説したいなと思います.
理学療法士・作業療法士(?)向けかもしれませんね
学位取得により優遇・免除を受けることができる制度がある (職種による)
理学療法士などは卒後の生涯学習制度として, 学会発表や論文執筆, 講習会の受講を推進しています. 特に認定理学療法士や専門性理学療法士を取得する際は, 講習会や学会発表などで膨大なポイントを貯める必要があるのですが, 学位を取得していれば, それだけで生涯学習ポイントが沢山もらえたり, 論文執筆の要件が満たされたりと一石二鳥になることが多くあります. 是非, 自分の職種が, 大学院へ進学することによって優遇される制度があるのであれば事前に調べておくといいでしょう.
専門性の高い研究を継続したことで国家試験の受験資格を得られる
これはかなり稀なケースになるかと思うのですが, 僕たちのような職種が選択肢を広げるための手段になり得ることがあります.
実際, 僕はこの要件を満たして(正式な確認が必要ですが), 労働衛生コンサルタント(開業権あり)という国家資格を受験しようと考えています. これは普通に理学療法士をしていても受験することができません. しかしながら以下の受験資格をみてみると...
要件の穴をかいくぐることができそうですね.
ときに学位取得は, 理学療法士からキャリアアップするための抜け道になる可能性があるという良い事例だと思います.
他には, 修士号 or 博士号取得者のみしか理学療法士の教員にはなれないだの話題がありますが, 個人的に一切興味がないのでここはスルーします笑
というのも, 以前は教員になることが理学療法士のキャリアアップという考えが当たり前だったのですが, 正直ここは...クエッションマークな問題だと思っています.
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は大学院進学によって得られるメリットをまとめてみました.
基本的な戦略としては, 在籍中に専門性を高めて, 研究成果をいくつか出すことで学位取得後のキャリアアップにつなげるための布石にするというところではないでしょうか.
勘違いしてはいけないのは, 学位さえ取れば世の中が自分を優遇してくれると考えることです.
チャンスを広げるのは大学院在籍中・在籍後の行動次第で無限にあるということですね.
次回は, 大学院へ行く前に準備しておいたほうがいいことなどをまとめようと思っています. 少し裾野の広い話題になっていますが, 徐々に専門的な記事も増やせるといいなと思っています.
それでは, ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!
皆さんの参考になると幸いです.
またねー!