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deft_prawn9989
「たられば」と「かさぶた」
昔、嫌なこと言われたなとか、子供の頃した失敗を、引きずってしまう性格だ。
生きていたら、あの頃の過去に戻れたら、こうするとかを考えるだけの時間が、ある。
心の傷にかさぶたが覆っている状態だ。
今では、偉大な科学者がいるわけでもないし、過去に飛べるわけではないのだから、考える時間は純粋にもったいないと感じるようになった。
本当の傷跡も、時間が経てば、かさぶたになって、いつか元通りになるのに。
昔から、かさぶたを剥がす癖があった自分には、元通りにならなかった傷が、勲章のように残っている。
心の傷も同じようなもので、引きずってしまう自分にとって、全て元通りに戻るものではない。でも、その傷があるからこそ、痛みを分かち合ったり、共感をすることができる。
次、誰かに好きという時は、目を見て話せる、きっと。傷の分だけ、僕は少し大人になれた。