YouTubeで好まれる学術系の話題
YouTube戦略の本を読むと、「YouTubeはお勉強の場ではない」という記載があったりして、学術系の話題は避けるべきとの通念があるようなのだが、そういった話題でも登録者数を伸ばしているチャンネル・話題は存在する。
1. 自然科学系
自然科学系で最強はヨビノリで、登録者数は100万人を突破している。
その他、物理学・数学の動画で単発で伸びているものはたまに見かける。
「数学が嫌いな人しかわからないあるある」を見た数学科あるある(237万回再生)
京大生、数学科の休日(再現)【勉強ルーティン】(156万回再生)
他方、自然科学系でチャンネル登録者数が10万人以上のチャンネルとなるとヨビノリ以外に探すのが難しく、でんじろう先生・うごめ紀・しが数ぐらいしか思いつかなかった。
なお、話題を大学受験系、生き物捕獲系、理系女子まで広げると、河野玄斗、ホモサピ、りり先生などが登録者数を伸ばしている。
2. 社会科学系
ここまで自然科学系の話をしてきたが、社会科学系に目を向けると自然科学系の動画とは違った傾向が見られる。
(1) まず特徴的なのが、チャンネル登録者数のトップが「中田敦彦のYouTube大学」(525万人)になってしまうところだ。
次点が「ぴよぴーよ速報」(92万人)だろうか。
両チャンネル共に大学院等で専門の訓練を受けた人ではなく、多様な分野に首を突っ込むため、内容の正確性は非常に怪しい。
(2) 次に分野別で見ていくと、法律学・経済学・歴史学・哲学は基本的に人気が無いらしく、「〇〇学」というより、トリビアを取り上げる動画がたまに伸びている程度。(「アトム法律事務所」をどう捉えるかはちょっと難しい)
言語学はそれなりに人気があるらしく、「ゆる言語学ラジオ」や「minerva scientia」などが登録者数を伸ばしている。
(3) これだけの事実から無理やり一般論を導き出すのは気が引けるので、漠然とした感想を述べると、「社会科学系のチャンネルはもうちょい何とかならんか」ということに尽きる。
学生が法律学・経済学・哲学などに興味を持ったとき、YouTubeで初めて出会う動画が中田敦彦やぴよぴーよ速報になってしまうのはかなりもったいない感じがする。適当な理解をして「なぁんだこんなもんか」で終わってしまうのでは?
社会科学でヨビノリのようなチャンネルが生まれないのは何故なのだろうか。