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明日香の エンためになる 共同運営マガジン

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『真面目でも不真面目でも、おもしろいものはおもしろい!』をコンセプトに、ジャンルや形式にとらわれない≪おもしろさ≫を追求するマガジンです。 思わず笑ってしまう話から、じっくり考え…
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#毎週ショートショートnote

明日香の共同運営マガジン 参加者募集✨

こんにちは🎶 ごきげんいかがですか? このたび『【明日香の共同運営マガジン】 最強の笑いは世界を救う』はリニューアルを経て タイトル・ヘッダー画像を一新いたしました。 *** 新たなマガジンタイトルは 【明日香のエンためになる共同運営マガジン】 ちなみにこのタイトルは われらがマイトン氏の案によるものです。 マイトンさん、惜しみないご協力 心から感謝します<(_ _)>💕 新たなタイトルで気分一新 これからもよろしくお願いします😊 *** ではここでマガジンの

(本編無料)お気に入りのチョコボール / #毎週ショートショートnote

※本編無料です。いつものように読んでスキを押してもらってOKです。 ( #ショートショート 本文409文字)  お気に入りの生チョコボール。乳酸菌入り健康菓子。  最近のチョコには珍しく缶に入っている。  ちょうど1個が出てくるくらいの穴が開いていて、フタを外して缶を振るとチョコボールが出てくる。このレトロ感がいい。  だが、あと1個になって出てこなくなった。  おーい、引きこもってないで出てきてくれ。缶を振って音がするのはいつも夜中。昼夜逆転の生活は健康に良くないぞ

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(本編無料)あんにゅ博士の発明は爆発だ! / #毎週ショートショートnote

( #ショートショート 本文405文字) 「冷凍するだけじゃなく、コンピュータファイルのように圧縮して小さくできたら便利でしょ?」  そんなことを言いながら、博士は冷凍庫の中から小さな四角い物体を取り出す。 「ほら、これが冷凍された書庫よ」  なるほど、これはすごい。感動している僕にかまわず博士は続ける。 「この『書庫冷凍<zip>』で圧縮冷凍すれば、資料室を持ち歩きや引っ越しも楽ょ。元に戻すのは自然解凍がおすすめだけど……」と博士は僕に冷凍書庫を手渡した。 「佐藤くん

¥100

チョコニート/毎週ショートショートnote

「誰だ!チョコニートなんて名前を付けたのは!」 「社長、大変なんすよ。トランプさんのせいでアメリカドルは乱高下。それによってレートばかりを気にする人たちが増えてしまって、 チョコレートをチョコニートで慰めようと思ったんです」 「まあ、気持ちは分かる......」 「まさか、社長も、ニートに?」 「いや、そこまでは行って.....こら!何を言わせるんだ!」 「だから慰めるんです。チョコニート、売れますよ!」 「社長、いかがですか?これが売れたらレートもきっと!?」

毎週ショートショートnote 『書庫冷凍』

『忘れま書店』 最近ブームのその店は、どんなものでも忘れさせてくれるらしい。 雑居ビルに寄り掛かるように建つ小さな店先には、「その思い出忘れましょ」と昭和風の水着女子が微笑むレトロなポスターが貼られている。 店内に入ると、西陽が差し込むその奥に、小さなレジカウンターがあり、壁際には大きな書庫が立ち並ぶ。 ビシッと七三分けに立派な口髭が似合う、ダンディな店主が笑顔でメニューを指し示す。 【忘れま書店メニュー表】 ■ 別れた恋人と揃えた食器・・・プ冷凍 ■ 捨ててしま

毎週ショートショートnote 『チョコニート』

おれは一流のショコラティエ。 ベルギーのピエッレ マルコポーロ(略してピエマル)の元で35年修行した。長かった。いや、長すぎた。長すぎてピエマルちょっとオコだった。 そんなおれの作るチョコレートは、食べた者全てを魅了する。 一度食べれば虜となって、チョコを食べること以外は何もしたくなくなるのだ。 『チョコニート』と呼ばれるようになったおれのチョコは今日も食べた者をダメにしていく。 おれは何のためにショコラティエになったのか。 人々の幸せのためではなかったのか。

書庫冷凍っす/毎週ショートショートnote

「誰だ!チョコレートを書庫冷凍という名前にしたのは!」 「俺です、世露死来」 「今さら、ヤンキー言葉を使うのか?」 「そうっす!世露死来」 「お前、それしか言えんのか?」 「いやいや、考えたっすよ。チョコレートって甘い感じがするでしょ。それを『書庫冷凍』にしたらカッコいいじゃないすか?」 「もともと、チョコレートは、甘いんだ!」 「分かんないっすね、言葉の問題っすよ」 「カッコよく無いっすか、書庫冷凍。イケてると思いますけどね、俺」 「名前は大事なんだよ、な

接吻代行/毎週ショートショートnote

求人募集を見ていたら「接吻代行、急募」という募集を見かけた。 「面白そう」と思った私は早速電話をかけてみた。 それによると、 「キスしたくない男や女の代わりにキスをする」というものだった。 「付き合っているのにキスしたくない、とかおかしいんじゃ無い?」と思ったら、 今はあるらしい。マッチングアプリで知り合った女にキスできない男、急にキスしたら驚くんじゃないかと思いためらう女など。 私は面白そうだから登録した。 依頼があるとその場に出掛け、代わりにキスをする仕事。1人につき5

節分胎教/毎週ショートショートnote

なんだか変な産婦人科に来てしまったような気がします。診察は良かったんですが、そのあと。 子ども用の太鼓をもらいました。胎教に使うそうです。それから、カセットテープ。 「えっ今ごろカセットテープ?」 そうなんです。 「家にはカセットテープを聞けるものがありません」というとレンタルであるそうです。 そしてやり方を教えて頂きました。 カセットテープをかけると ♪鬼は外ポン福は内ポン     鬼は外ポン福は内ポン♪ ポンの所は太鼓を叩きます。 延々と続きます。 30分かかりま

毎週ショートショートnote 『接吻代行』

彼は顔が良い訳でも、会話が面白い訳でも、セックスが上手い訳でもなかった。 ただ、私が一番落ち込んで、駅のベンチで酔いつぶれていた時、120円の水と優しい言葉をくれたひとだった。 「自分を大切にしなよ」 優しいだけのひと。 でも、それだけで良かった。 世の中にはゴミみたいな男しかいないから、彼の言葉と存在が癒しだった。 いつも会うのは金曜日の夕方と決まっていた。 最初の頃は外でご飯を食べることもあったけど、最近じゃコンビニ弁当を私の部屋で食べてセックスするだけ。

毎週ショートショートnote 『節分胎教』

「この子があの鬼から助けてくれたのよ」 女は穏やかな笑みを浮かべてそう話す。 ◇◇ 2月2日17時23分 雪がちらつく寒い日だった。 「今年はどっちだっけ?」 「えとねぇ、西南西だって」 コンビニで買った恵方巻きとビールの入った袋を下げたカップルが通り過ぎる。 節分の日の夕暮れ時。駅は家族の幸せを願って家路を急ぐ人々でいっぱいだった。その幸せで膨れた風船は、突如上がった悲鳴ではじけ飛び、忘れていた寒さに皆、身震いした。 「きゃあああああ」 階段からサラリー

武器屋の餌付け/毎週ショートショートnote

街の外れに武器屋がある。いつも鳩がいっぱい集まっている。どうやら武器屋が鳩の餌づけをしているらしい。 「餌づけをして何をするって?それはもうアレしかないだろう。伝書鳩」 きっと隣町の武器屋と情報交換をしているんだろうと、街の者は話していた。そして、たくさんの鳩が行き交うのは戦が早く起こるのではないかと街の者は噂していた。 戦が起これば街の男たちは駆り出され、街の中には老人と女と子供しか残らない。王様は、武器屋に盾と有刺鉄線を作るように命じた。 老人と女と子供で街を守らねばな

毎週ショートショートnote 『武器屋の餌付け』

おれは武器屋だ。 三井さんという酔狂な金物収集家がいるのだが、つい先日、面白いものが手に入ったと大きな鎌を持ってきた。 どうやら前の持ち主がこの大鎌を置いて行方をくらましたらしい。そこで、曰くのあるものが好きな三井さんの手元にやってきたというのだ。 ところが三井さん、 「わしはこんな無粋なもんを家に置いておくのはいやじゃ。お前の店にゆずってやろう。ただし条件がある。どうもこの鎌は生きているらしい。月に1度、満月の夜に腹いっぱい喰わしてやるのだ。さもないとお前が喰われて

毎週ショートショートnote 『月夜の寝ぐせ』

この辺りの地主である三井家からの帰り道。 白い息を吐きながら使用人の羽島が話しかけてきた。 「旦那さま、今宵は冷えますなぁ」 「そうだなぁ。三井の爺さん自慢の金の茶器を見ている間に、すっかり夜になってしまった。早く帰って熱い風呂に入りたい」 「雪でも降りそうですね。そういやこんな寒い満月の夜の妙な噂があるようですね」 「なんだその噂と言うのは?」 「妖が出るんですって。月明かりに照らされた寝ぐせのついた妖だそうです。その姿を見た者は帰ってこないらしいですよ」 「ず