息子へ
どんなものが失われても、すべてが失われても、この世に自分以外誰もいなくなっても、最後の最後まで自分と一緒にいてくれるのは自分の身体です。(海辺の洞くつで岩に絵を彫り付けた、最後のネアンデルタール人に思いを馳せます。)
身体だけあれば、すべて大丈夫。
自分の過ごしてきた道はモノに宿るのではなく、自分が今この瞬間としてすべて一緒に運んでいます。過去のこととしてではなく、今に生きるかたちに変容して、いつでも自分とともにあります。
そこには、良い・悪いの価値判断はなく、すべて、この瞬間の栄養になっています。
すべての曲折を誇りとして感じたい。
一緒に、新鮮な思い出をたくさん作りましょう。
年齢的に親と行動することには抵抗があるかもしれませんが、10年20年たってから、その経験がかけがえのないものであったことに気づきます。
新鮮な思い出を作ると、過去の思い出がよい意味で弔われます。執着でなく、微笑をたたえて懐かしむことができるようになります。
ブーリエンパークで遡上の途中で浮かんでこなくなった真っ赤な鮭も
ウィットニーガーデンのバスタオルのような海藻も
尾上公園からのトレイル、母ちゃんの木も
私は今、微笑みながら思い出しています。
(新鮮な思い出が過去の思い出を弔ってくれるのは本当。私は、引っ越しすると一つ前の場所に執着してしまいますが、もう一度引っ越しすると、二つ前の場所は良い思い出に変化します。)
新鮮な思い出をたくさん作って、過去への思いが日差しに照らされて色が抜けて乾燥したら、家に見にいらっしゃい。アメリカ時代のあなたのよすがも、日本でのあなたのよすがもしっかり残っています。
最近私がはまっている曲
https://www.youtube.com/watch?v=8XZ7dKan--4
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