見出し画像

家業に入って1年が経ったので、自分の仕事について語ってみた。


「この1年どうだった?」


このお決まりのセリフを言われるタイミングって、2つあると思う。


1年間が終わるときと、年度終わりのとき。


ぼくも、この1年どうだった?と、最近周囲から言われました。


2022年4月1日、当時暮らしていた島根県益田市を離れ、
地元の静岡県裾野市にある家業(カネヤ工業)へ入社してから1年経過したから。

ただこの1年は、自分がやっている仕事、家業である会社がどんな仕事をやっているのかを伝えきれず、最近何してるの?元気にしてる?と言われることが社会人になって一番多かったです。なので、この1年過ごす中での心の中の葛藤や感情を残しながら、自分がやっている製造・建設業のリアルが皆さんに少しでも伝われば嬉しいです。

家業「カネヤ工業」が行う、
建具工事と金属工事とは?


こちらのnoteを読んでいただければ伝わるかなと思いますが、


ざっくりお伝えすると、
建設業の中で建具工事金属工事の領域を主軸にしている会社です。

建具工事とは

建具工事は、なんでもというわけではなく、アルミ・スチール・ステンレスといった金属製のサッシ(窓枠)やドアの作図・取り付けを行っています。建具のメーカーではないので、基本的にはメーカーより購入(発注)をする形をとりますが、スチールドアは、納期が少ない場合、工場で作ることも稀にあります。

マンションのアルミサッシの取付。
構造体がRC(鉄筋コンクリート)造なのか、鉄骨造なのか、木造なのかによって、
取付方法も変わります。
レーザーで墨をあてながら、
現場の状況を見てクサビ(木の板)を入れ込みながら、サッシの高さ調整してます。
RC造の場合は、基本的に鉄筋棒を使った溶接止めになります。
距離があるときは、鉄筋棒を2本組み合わせたりして、現場状況によって対応。
この枠、実はマンションの玄関ドアの枠です。固定方法は、窓枠と同じ溶接。
錆止めですが、工程の後半で塗装が入るので、そこで色付けされます。

あくまでも一例ですが、新築のマンションの建具工事の場合は、
サッシやドア枠を溶接で固定するのを階ごとに行ったり、工程の終盤で網戸をはめたり、玄関扉を吊ったりという段取りになります。

もちろん、マンションばかりではなく、
店舗や工場、学校などさまざまな建物に関わるため、建物の構造や状態、お客さんの要望に合わせて対応しています。

入社して3ヶ月目で担当した、川崎のアイン薬局の新築工事。
木造だったのと防火設備が絡んだこともあり、納まりをイメージするのが難しかった。
ゼネコンさんによって、マンションという同じジャンルの建物の工期が、
全く違うことを痛感した現場。ここで、次の工程を先読みすることの大事さを痛感。
伝わりづらいかもしれないけど、鉄骨の開口にサッシの枠が取付けられてます。
この場合は、サッシ枠を半外枠仕様にし、鉄骨に対してビス固定をとってます。

建具工事は、納まりや工期によって、
サッシやドアの仕様・納め方を考えます。場合によっては、新築ではなく改修工事もあるため、すでに取り付いている枠を残した形も検討します。


建具工事の方は、新卒後すぐに入社したのがLIXILの店舗系サッシ部門だったこともあり、少し知識が残っていたことが救いでした。でも、分からないこと、曖昧だったことが多く、電話で受けても想像ができなかったり分からなかったりして、力不足を痛感することが多かったです。その度に、現場に行って図面と実物(現場の納まり)を確かめたり、メーカーの担当者や会社の先輩・職人さんに聞いたりして、1つでも吸収しようと必死だった1年でした。

金属工事とは


一方の金属工事、イメージしづらいかもしれません。
言葉で簡潔にまとめるのが難しく、自分の中でもまとまりきっていないので、実際に施工した写真を中心に、金属工事で扱う内容をお伝えできればと思います。

玄関や靴を脱ぐ場所で、地面と床を見切る意味合いで、
ステンレスの上り框を取り付けました。ちなみに、この前の状態は…
こんな感じ。上がり框が取り付くことで、
床が貼られていくので、これが取り付く前後でだいぶ違いますよね。
最終的な仕上がりはこちら。
皆さんが見る状態はこれですが、ここまで至るまでにいろんな工程を経てます。

横から撮った写真ですが、
マンションのベランダ手すり(アルミ製)の取付後の様子。
簡単につきそうで、実はいろいろな工程があります。(墨出し・躯体にあけるとか)
浴室に取り付けられたステンレス製の手すりは、弊社で作ったもの。
生活圏の建物に自分たちの製品が納まると、そこを通るたびに現場のことを思い出します、。
学校に取り付けた、ステンレス製の門扉。
もともと取り付いていた門扉を実測し、使い勝手・要望に合わせて設計・製作・施工。

奥の三角屋根のトップライト(採光や換気を目的とした窓)もメーカーさんと協力して施工。


金属工事は、あげればキリがないくらい幅広く、
建具工事とは異なり、オーダーメイド性の高いジャンルだと感じてます。


営業・広報としてやってみて


ここまで会社の仕事を書いてきましたが、
最後に、営業・広報というポジションで1年駆け抜けて思ったことを。


家業の営業だからというわけではなく、金属や建具工事の会社の営業職がそうなのかなと思うのは、営業の守備範囲の広さ。メーカーだと分業制になっているところが、販売店・代理店の立場ということ、少数精鋭の組織ということもあると思います。

見積引合から見積り、現場との打ち合わせ・工程管理・発注・工場との打ち合わせ、現場立ち合い、職人の手伝い。

これら全部が営業の仕事。

やるべきことは多く、それが各現場で発生するので、
ときに、こんがらがってしまうことがあります。

そのたびに、紙に書き出して、今日やらないといけないことを整理したり、ひとつひとつクリアにしようと自分に言い聞かせたりしたことで、自分を客観的に見ることは出来るようになったと思います。

納期に対して間に合わないと分かったとき、こうするしかないと焦っていたのが、状況を冷静に整理して、別の方法もあるんじゃないかとか、間に合わないと認めた上で、最悪どこまでなら大丈夫かどうかを考えたり。もちろん出来ないことがまだまだ多かったり、思い通りいかずに感情がジェットコースターのように揺れ動いたりするなかで、いかに平常心・落ち着いた心で仕事ができるか。それが本当に大事だと思った1年でした。

綺麗にまとめようと思ったものの、まとめきれないのはご愛嬌かもしれないですが、ここからの2年目は、自分という軸だけでなく、会社のことを語れるようになるのが目標です。「会社として」のミッション、ビジョン、バリュー。社長の頭の中で思い描いているものを、自分なりに咀嚼し、言葉に残し、いろんな人たちとシェアする中で、同じベクトルを向いて仕事をしていきたい。そう強く思っているので、引き続き宜しくお願いします…!

いいなと思ったら応援しよう!

おおばしゅう
いただいたサポートは、Podacast「人生百貨店」の運営費やいろいろな言葉・感情に出会うための本や旅に使わせていただきます!