【Art project 2020】遠藤一郎さん「ほふく前進 御百度参り100回目」が、5/17 無事終了
【さいたま国際芸術祭2020:当面の間延期中】
『Sightama Art Center Project』招聘作家、遠藤一郎さんの「ほふく前進 御百度参り 100回目」が本日無事終了しました。
ご協力いただきました皆様、支援、応援していただきました皆様に深く御礼申し上げます。
一郎さんは、2020年2月8日にさいたまに入り、ほぼ毎日、日本一長いと言われる約2kmの氷川神社参道をほふく前進でお百度参りし、石を並べていました。
そして、本日、100日目の5/17。
氷川参道は緑が濃くなり、季節の変化も全身で体感しながら最後の日の出発となりました。
午前11時にさいたま新都市、一の鳥居からスタート。
最後のスタートに合わせ、その姿を見ようと数名の方も集まり、声をかけあいます。
「お願いします!」の声とともにゆっくりとしゃがみ、ほふくの体勢に。
拳には、拝殿に並べる石を握り、ズルズルという音を立てながら少しずつ少しずつ進んで行きます。
100回目の最後ということもあり、参道を行き交う人からも「頑張って!」「今日で最後だね!!」「お疲れ様!よくやった!もう少しだよ!」など、応援の声かけが多く、これまで一郎さんが積み上げてきたものを強く感じる時間となりました。
初夏の陽差を感じる晴れ、最高気温29℃。汗も多く滴ります。
休みながらまた、少しずつ少しずつ進んで行きます。
そして、午後1時頃。累計約200kmの道のりの到達点。
その瞬間が訪れます。
最後の鳥居をくぐり抜け、「ほふく前進お百度参り」達成!!!
一郎さんの目に流れる涙がありました。
自然と拍手が湧き上がり、「おめでとうございます」の声が飛び交います。
それを一郎さんはそのままここにいるすべての人たちへ「おめでとうございます」を返します。
これまでの道のりを反芻するかのような時間が流れる中、次第に呼吸も整います。
立ち上がり、拝殿へ。
最後の石を並べました。
その後、一郎さんの姿を見たいと集った皆と、三密を避け、凍結状態の芸術祭の会場「旧大宮図書館前 野外空間にて」100回目の御百度参り達成をアーティストトークで共有しました。
「ほふく前進の中での山場の時期とその越え方は?」の質問に対して、
「1つ目の山場は、1回目のほふく前進。約9時間かかった。それを終えて、これを100回やろうとしていることは【勘違い】だと思った。それでも、なぜか止めずに続けた。ほふく前進をしていると、はじめの頃は、すれ違う人からきつい言葉をかけられたり、視線が鋭かった。しかし、80回目あたりからそれらが大きく変化した。これを感じた時、いつやめてもいいなと強く実感した。やめないからその山を越えることができたのではないか。」
という言葉が印象的でした。
一郎さんにさいたまで「何かをやってもらいたい」と2019年頭から準備を進め、2020年3月、予定していた芸術祭が無期延期になり、新型コロナウイルスによって生活が一変しているような状況の中、今日がこのような形で訪れることは想像できませんでした。しかし、2月から一郎さんの制作を傍で見て、記録していく中で、この制作は今、世界に必要なことであると感じています。
その中で一郎さんに率直に聞いてみたいことを10つ質問させていただきました。
遠藤一郎さんへの質問
1:100回を終えて今の気持ちは?
2:なぜ、100回できたのか?
3:なぜ、さいたまでほふく前進をしようと思ったのか?
4:印象に残っていること
5:手応えを感じた時期
6:山場とそれの越え方
7:今の状況をどう捉えているか
8:これからやりたいこと
9:なぜ、カッパ師匠ではなく、遠藤一郎で制作したのか
10:さいたま国際芸術祭が再開した時に向けての抱負やメッセージ
以上の回答は後日アップする映像で共有したいと思います。
(追記:2020/05/21 以下、Youtubeにアップしました。)
本来であれば、さいたま国際芸術祭2020の最終日にあたる5/17。
この日に達成の目標を掲げて積み上げてきたことについて訪ねると
「(ほふく前進が)イベント的になってしまっていたら最後まで来れなかったのではないかと思う。」と心境をつぶやいていました。
4月初旬に一郎さんが独自に制作したプレスリリースを改めて読み返すと、芸術祭への考えや、「ほふく前進」についての並々ならぬ熱意を感じます。
以下プレスリリースより抜粋し紹介します。
一郎さんが講師を務める美学校の「未来美術専門学校」のテキストを最後に紹介します。
このテキストを改めて読み返すことで、今回のさいたまの現場での一郎さんの活動を振り返ると、そのままを本当に実行し実現したのだと強く実感します。
関連動画
遠藤一郎 「ほふく前進 御百度参り 65回目」
後のインタビュー
https://youtu.be/_uEyMcdYwwg
遠藤一郎 「ほふく前進 御百度参り 66回目」
https://www.youtube.com/watch?v=yd5UD...
遠藤一郎 「ほふく前進 御百度参り 95回目」
https://youtu.be/AKcNJ5B0q2Y
遠藤一郎 「ほふく前進 御百度参り 96回目」
https://youtu.be/6oG_kMWZaWI
遠藤一郎 「ほふく前進 御百度参り 99回目」
https://youtu.be/IwZKKmRHIPI
遠藤一郎 「ほふく前進 御百度参り 100回目」
遠藤一郎 「ほふく前進 御百度参り 100回目 アフタートーク」
『Sightama Art Center Project』(以下SACP)は「さいたま国際芸術祭2020」のプロジェクトの1つ。
「生活都市さいたま」で、市民や来場者自身のライフスタイルに合わせた「アートへ参加する習慣」をつくりだすプロジェクトです。今回の芸術祭を機に、作家と市民が協働し継続的なアートの場づくりを試みる「浅見俊哉・青木裕志・山本未知・懸谷直弓・小林未季」の5人のメンバーが集いプロジェクトを展開しています。
5人がそれぞれ分野の異なる創造力を持ち寄り、「日常賛花―さいたまでアートに参加し・伝え・感じ合う」を合言葉に、2019年8 月から芸術祭会期中まで、約70のアートプログラムを継続して開催しています。芸術祭後も続く、しなやかで逞しいアートの場を皆さんとつくっていきたいと考えています。
(しかし、さいたま国際芸術祭2020は、現在4/12 新型コロナウイルス感染拡大防止のため開幕延期中になっています。)
芸術祭が開催されていたら、4/10の19:00-21:00に活動のレクチャー、作品展示を4/11から5/17まで、旧大宮図書館で開催の予定でした。過去のSACPのプログラムでは、2019年12/1に「ついにくるのか!?あのカッパ茶屋!!(さいたま初上陸)」を実施。
●「さいたま国際芸術祭2020」公式ホームページ
https://art-sightama.jp/jp/
●「さいたま国際芸術祭2020」遠藤一郎紹介
https://art-sightama.jp/jp/artist/uFoQfN2b/
●「Sightama Art Center Project」の詳細
https://art-sightama.jp/jp/artist/uFoQfZSn/