Vol.1 鶏肉摂取による疲労回復法 イミダゾールジペプチド
深める程面白い exercise psychology のマガジンを始めました、岩田俊太朗です。
これから自らの学びをアウトプットして皆さんにみていただく事により自分の成長に繋げていけたらと思います。
ここのnoteでは出来るだけ専門的用語や難しい言葉を使わずに、詳しくなりすぎず緩く紹介していけたらと思います。元の論文も貼っておくので、もっと興味が出てきた方は読んでみてください。
あくまで、"今から実践してみよう""今日の夜からこれを食べてみよう"となって欲しいなと思っているだけですので。
参考文献 :日本補完代替医療学会誌 第6巻 第3号
新規抗疲労成分:イミダゾールペプチド
○イミダゾールジペプチドとは
イミダゾール基を含むアミノ酸のジペプチドの総称。カルノシン(βアラニンとヒスチジン)とアンセリン(βアラニンと1-メチルヒスチジン)が最もよく知られる。
日本予防医薬の方々が23種の食品成分の疲労に対する効果を調べたところ、最も顕著に抗疲労効果を表した成分。動物の骨格筋や脳、鶏胸肉に多く含まれる(アンセリンが優位)
○抗酸化作用とは
とても簡単に言ってしまえば細胞を修復する事。
1970年以降、カルノシン・アンセリンが抗酸化作用を有する事が明らかとなる。
ラットの実験でもイミダゾールジペプチドを豊富に含む鶏肉抽出物を投与した場合、酸化ストレス条件下でのラットの肝臓において鶏胸肉抽出物が抗酸化作用を持つ事が報告された。
(Peng HC, Lin SH. Effects of chicken extract on antioxidative status
and liver protection under oxidative stress. J Nut Sci Vitaminol
2004; 50: 325–329.)
○抗疲労効果・パフォーマンス効果
・マウスに泳がせた実験
マウスを強制的に泳がせた時にイミダゾールジペプチドを反復的に摂取させたところ、6日後から遊泳時間が延びた。運動能力を向上させる作用を有することも明らかになった。
15分間隔で2回遊泳させた時の疲労回復度を遊泳時間を比べて評価した所、疲労回復度も高くなる傾向があった。
・ヒトの実験(例)
イミダゾールジペプチド1500mgを摂取させ、5秒間の全力ペダリングを実施した所、平均パワーがプラセボに比べて有意に高値であった。
イミダゾールジペプチド400mgを4週間継続摂取させたあと、4時間エルゴメーター漕ぎを実施し、その後さまざまな疲労に対する評価を行った。
結果、10秒間の全力ペダリングなどの回転数の低下を優位に抑制させる効果が現れた。また、主観的評価の中でも疲労感を感じにくくさせる効果があった。
また抗酸化作用により、細胞ストレスの上昇を軽減し、細胞機能の低下を抑制するような報告も出ている。
・日常作業による疲労に対しての実験
イミダゾールジペプチド200mgまたは400mgを日常生活で疲労を自覚しているひとに8週間継続摂取させたところ、400mgの人は摂取2週間後から8週間後まで、200mgの人は3週間後、4週間後、6週間後で疲労感の有意な低下が見られた。
○イミダゾールジペプチドの安全性
・ラットを用いた実験でもヒトの実験でも安全性を認める実験は行われている。
ヒトの実験ではイミダゾールジペプチド1200mgを4週間継続摂取させたが、安全上問題はなかった。
○私たちの生活に取り入れていくには
ここまでイミダゾールジペプチドについて書いてきたが、疲労回復法として有効な可能性があるように思ってくれたかもしれない。
鶏胸肉100gあたり200mgのイミダゾールジペプチドが含まれているようだ。
ヒトの実験で行われていた内容的には400mgを継続摂取していた実験がほとんどである為、
鶏胸肉200g(セブンイレブンのサラダチキン2個分)を継続的に食べる事が疲労回復に有効なのではないかと思う。
自分で調理する場合は、イミダゾールジペプチドは水溶性の為茹でてしまうとお湯に溶け出してしまう。
だから疲労回復を目的として食べるのであれば茹で汁をスープとして食べる事が推奨される。
運動パフォーマンスの向上を目的とした場合は実験では1500mgも摂取している為、ここはサプリメントに頼るしかないのか?
参考文献
#運動生理学 #エルゴジェニックエイド #イミダペプチド #イミダゾールジペプチド #鶏胸肉