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#025 ドラッグストアとコンビニの業界トレンドを比較・整理してみた。
マツモトキヨシとココカラファインの経営経営統合が2021年10月に予定されています。統合後の売上高はドラッグストア業界で初めて1兆円を突破する見込みです。
大手同士の経営統合は初めてで、ドラッグストアの業界再編が次のステージに入ったことを印象づけました。
今回は、コンビニ、スーパーや百貨店との比較を含めて、ドラッグストア業界の現状を整理します。
急速に成長するドラッグストア業界
上のグラフは、小売業の業態別に市場規模の推移を示したものです。
過去20年のデータを見ると、ドラッグストアとコンビニが急成長し、反対に百貨店の地盤沈下が進んでいることが分かります。また、スーパーの市場規模は13億円前後で安定しています。
グラフからは、近年コンビニ業界の成長がやや鈍化する一方で、ドラッグストア業界の成長が加速していることが見てとれます。
「コンビニは飽和した」
コンビニについては、2019年に統計開始以来初めて店舗数が減少しました。コンビニの国内店舗数が約5万5,000店に達するなか、市場の飽和も叫ばれています。ですから、セブンイレブンは「北米及びグローバル展開の強化」を成長戦略に掲げています。
最近では、ファミリーマートが人員適正化を目的に社員の希望退職を募集したことがニュースになりました。800人の募集枠に対し1,000人以上の応募が殺到しました。同社の沢田社長も「コンビニは飽和した」と語っています。
ドラッグストアの店舗数は10年で3割増加
ドラッグストアの店舗数は過去10年間で3割増加しました。これは年間平均500店舗増えている計算になります。1週間に約10店舗のドラッグストアが、日本のどこかでオープンしている、とも言えます。
ちなみに、コンビニの店舗数は約5万5,000店舗(19年末)、スーパーの店舗数は約2万2,000店舗(20年2月末)となっています。数年以内にドラッグストアがスーパーを上回る可能性も十分にあります。
業界再編が進むドラッグストア業界
過去10年間で店舗数が30%増加した一方で、ドラッグストアの企業数は減少しています。背景には、ツルハHDをはじめとする大手ドラッグストアによるM&Aがあります。
これまでは、大手のドラッグストアが中堅、中小の同業他社を買収する形で業界再編が進んできました。大が小を買収してきたわけです。
今回のマツキヨ、ココカラの経営統合は「大手同士の経営統合」という意味で、業界再編が次のステージに入ったことを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。
今回は以上です。