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日米のタイ料理店にて

米国勤務3年でかなり太ってしまった(今はほぼ元に戻っていますが)。その元凶は、ひとりの同僚(日本人出向者)にある。
彼は、どういうわけか昼食を、社内のカフェテリアではなく、外食、それも米飯を含む、タイ料理店と韓国料理店に行きたがった。
私自身は社食メニュー(米国食と日本食)で十分だったし、その方がコストも抑えられるのだが、彼に付き合っていた。

米国は移民の国なので、エスニック料理店は実際にその国出身の料理人が担当していることが多く、結構ホンモノが食べられる。デザートだけは米国人好みのやたら甘いモノが多いけれども。
経験的には、日本料理店(特に安めの店)がホンモノでない確率が高いようです。

行きつけのタイ料理店は2店ほどあり、たいてい彼の車ででかけ、注文する確率の高かったのは(定番ですが):

ガパオライス
ご飯の上に挽肉・パプリカ・バジルの炒め物と半熟目玉焼きが載っている。
パッタイ
ライスヌードルとモヤシや海老などを炒めて砕いたナッツなどがかけてある。
・タイカレー
ココナッツミルクが入っているのが特徴。海老orチキンなど選べることが多い。バンブー(と表現したのは、タケノコより竹に近いので)が入っていることもある。

当時(15年ほど前)は1品10ドル前後(1ドル=80-100円)で1.5-2ドルぐらいのチップを置く、そんな感じでした。
注文に際しては、
「これは hot & spicy だけど大丈夫?」
「Mild にしようか?」
なんて尋ねてくれることが多かった。
店の中になぜか人間の子供より大きな象の置物があったりしましたね。

私、タイ料理は、極端に辛い物以外は好みでして、苦手な人が多いといわれるパクチーも、
「え、なぜ、これが苦手?」
と不思議に思うくらい自然に受け入れます。

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さて、6月の終わりに年長の知人から名古屋のタイ料理店に誘われました。
下記のエピソードに出てくる元・直属上司で、定年退職後にバンコクのチュラロンコン大学理学部で10年以上教授職を務め、何人ものタイ人修士や博士を育てた人です。

その店は、名古屋駅近くのビル地下にありました。
『タイ国政府商務省認定』のレストランだそうです。

マイペンライ(タイ語)=問題ない、大丈夫
つまり、No problem

ちょうど辺りのビジネス街は昼食休憩時間であり、お得なランチメニューであるガパオライスやパッタイなどを頼むお客ばかりです。
「単品メニューでもいい?」
「いいですけど、ランチ優先になるので少々時間がかかる可能性があります」
注文は元チュラ大の先生にお任せする。

まず、スープは当然、トムヤンクン
「クン」は海老のことで、海老以外の食材が使われればトムヤン**と変化
ソムタム(タイ流サラダ)
青いパパイヤのスライスを使っています
シャキシャキです

さて、肉料理はガイヤーン(タイ式骨付きローストチキン)。これは注文後に焼くので30分ぐらいかかる、と言われました。

ガイヤーン
ソース以外はやや普通っぽかったですかね
右手前の甘辛いスパイスソースを振りかけていただきます

続いてプーパッポンカリー(カニと卵のカレー炒め)。これはタイ料理の定番のひとつですね。あまりカレー味はしないので、え、これがカレー?と思ってしまう。
ソフトシェルのカニはタイ料理で好きな食材のひとつです。

プーパッポンカリー
赤く見えるのがタイ料理によく出現するソフトシェルクラブ

最後がデザートです。
カオニャオマムアンは甘いモチ米とマンゴーの組み合わせです。タイらしく、ミントの葉とナッツもお皿に。
この店のマンゴーは薔薇の花のように美しく並べてありました。

カオニャオマムアン
甘いモノは苦手な私ですが、マンゴーは美味しかった!

さて先生、私の背後の壁にかかった装飾品を指して、
「それは『ラーマーヤナ(古代インドの長編叙事詩)』のタイ・バージョンである『ラーマキエン』に出てくる、猿のハヌマーンが思いを寄せる人魚だよ」

「ラーマーヤナ」はサンスクリット語
タイでは「ラーマキエン」

『ラーマキエン』はタイ人なら誰でも子供の頃から知っており、その中の名場面はお寺の壁画などにも登場する。
だから、ストーリーや登場キャラに関する知識を持っていると、タイ人と仲良くなれる、とのことでした。

ごちそうさまでした!

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