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寒波の東京の朝、筋肉を思う


▼▼▼寒い▼▼▼

今朝の東京は-5度まで気温が下がった。
僕が寝ている部屋の気温は9度まで下がった。
今の家に引っ越してから、
冬の日の朝の部屋の気温はだいたい12度なので、
かなり寒いと感じた。

岡山の古い社宅に住んでいた頃、
最低気温2度の冬の朝の室内の気温が2度だったから、
そのときよりはマシだ。

僕は北海道に6年住んだことで、
寒さに弱くなった。

え?

なんて?

書き間違えたのではない。
あなたが読み間違えたのでもない。
北海道に6年間住んだことで、
僕は寒さに弱くなったのだ。

これは本当だ。

信じて欲しい。

北海道は集中暖房が一般的で、
家屋の隅々まで温かく、
特にスチームヒーターという仕組みは微調整が効かないから、
外気温-10度の日に、
建物の中の温度が+30度近くなることがある。
Tシャツで過ごし、
窓を5センチ開けることで室温を調整する。
北海道の冬にアイスクリームが売れることは良く知られている。
汗ばむぐらいの真冬の室内で、
Tシャツでアイスクリームを食べる。
これが北海道スタイル。

窓は基本的に二重サッシだし、
玄関も二重構造になっていて、
とにかく寒さへの対策が万全なので、
冬に「寒い」と感じる瞬間がほとんどないのだ。

何事も見かけにはよらない。

だから帯広畜産大学の同級生は、
8割が本州・四国・九州からの越境組だったが、
正月に実家に帰省すると多くが風邪を引いて帯広に戻った。
「いやー、実家が寒くてさ」
「オレも」

本当だ。

信じて欲しい。

ただ、僕のような、
酪農家を相手に仕事する獣医だと、
毎朝-10度以下になる農場で、
牛の肛門に手を突っ込む直腸検査をする。
この時は寒い。
当たり前だ。
鼻がもぎ取れるかと思う。
「耳、まだくっついてる?」と思う。
目がとにかく乾いて、
上のまぶたと下のまぶたがくっつく。
直腸検査のために界面活性剤を混ぜた40度ぐらいのお湯をバケツに用意し、
牛を5頭ぐらいつないで順番に直腸検査をする。
直腸粘膜越しに、牛の子宮や卵巣を触り、
「排卵日」を予測する。
その1日、2日前に人工授精すれば、
「種付け」が成功する。

そういったルーティーンを、
僕は大学4~6年まで3年間、
毎日していた。
繁殖学研究室は、
大学の150頭の乳牛の種付けを一手に担う。

1月や2月は、
朝5時半に40度のお湯でいっぱいにしたバケツに、
作業中、6時ぐらいにはもう氷が張っている。
冬の帯広の朝というのは、そういう寒さなのだ。

でも作業が終わると、
すぐ車に乗り込み暖房をつけ、
そこから研究室に駆け込むと、
研究室の温度は28度だったりする。
その気温差はすごいときは50度ぐらいになるから、
気温差で異様に眠くなる。

それが僕の冬の帯広の思い出だ。

拝啓、けいこちゃん、眠くなります。


▼▼▼寒さと筋肉▼▼▼


さて。

僕はそんなわけで寒さに弱い。
帯広の後に住んだ豊橋は海が近く、
本州のなかでもとりわけ気候が穏やかだ。
夏の暑さも名古屋と違ってひどくないし、
冬の寒さもやわらかだ。
甘やかされた。

東京はその点、けっこう厳しい。
北海道のような二重サッシでも集中暖房でもないが、
地味に真冬は0度付近を行き来する。

今朝は摂氏-5度。

Googleの天気アプリは、
どんな計算式なのか謎だが、
体感気温:-13度
って表示していた。

ウソつけ。

そんなわけない。

たぶん気温と風の強さのアルゴリズムではじき出しているのだと思う。
今回の寒波は強風がすごかったから、
-13度ってなったのだろう。

とにかく寒い。

朝起きて9度。
なかなか部屋が暖まらない。

北海道を経験した僕は寒さに弱い。

ちなみに暑さにも弱い。

僕は身体が弱いのだ。

身体の弱さには自信がある。

妻と子どもが寝ている部屋は我が家で一番暖かく、
今朝でも気温が16度あった。
隣の人が住んでるからだろう。
角部屋の僕の部屋は最も冷え込む。

早く筋トレして身体を温めねば、と思いながら、
ルーティーンの「メルマガ30分執筆」をしている現在朝7時。

そんなわけで、
寒さにも暑さにも弱いが、
暑い夏と寒い冬だと、
後者のほうが僕は体調が良い。
夏の暑さは身体をおかしくする。

気候変動の時代に、
僕たちは厳しい自然のなかでサバイブしなければならない。
「観測史上最悪の」という言葉を生きている間に、
あと何度聞くことになるのだろう。

なんとか生き延びなければならない。
引きこもるシェルターを作る金はないから、
僕は筋トレをする。
部屋が寒いなら内側から熱を発生させるべく、
スクワットを決め込む。

身体の内部に筋肉という発熱機を持つ。

牛はめっぽう寒さに強いが、
それは第一胃(ルーメン)という、
ドラム缶ぐらいある大きな胃の中で、
微生物発酵により熱生産している牛は、
身体の内部に「天然のヒーター」を搭載しているからだ、
と大学のルミノロジー(第一胃学)で習った。

↑そんな「学」があるのか!?

あるんです。

信じて欲しい。

僕は単位を取ったのだから、本当だ。

たしか必須科目じゃなかったかな。

僕は筋肉という天然のヒーターを獲得すべく、
今朝も筋トレに励む。

僕には第四胃はないが、
大胸筋はある。

YO,
牛にあるのは第四胃
オレにあるのは大胸筋 

なんかラップみたいじゃね?

終わり。



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陣内俊
NGOの活動と私塾「陣内義塾」の二足のわらじで生計を立てています。サポートは創作や情報発信の力になります。少額でも感謝です。よろしければサポートくださいましたら感謝です。