今、アフガニスタンで何が?タリバンとは一体?初心者向け5分で基本解説!!
こんにちは、shunGoです!!
今回は、最近ニュースで連日報道されているアフガニスタンでの出来事について書こうと思います。
知っている方も多いと思いますが、今アフガニスタンではタリバンというイスラム原理主義の組織がアフガニスタン政府を制圧し、新たな政権となりました。
テレビで、離陸寸前の飛行機に群がる人々の映像や、離陸した飛行機から人らしきものが墜落する非常にショッキングな映像を見た方もいるのではないでしょうか?
私自身、タリバンがどんな組織なのか、今回は誰と誰が何の目的で争っているのかについて知識が曖昧で、中東の争いについてなんとなく苦手意識を持っていたのですが、実際勉強してみるととても根深く、考えさせられる内容でした。
それでも、決して難しい話題ではありません!
今回は、過去の私と同じように中東の問題について苦手意識を持っている方や、アフガニスタンで起きていることについて基本的な知識や背景を知りたいという方に向けて5分でかんたんに解説しようと思います!!
それでは、早速参りましょう!!
①アフガニスタンってどんな国?
今回の出来事について語る上で、アフガニスタンの地理的な情報について知ることは非常に重要なので、まずはアフガニスタンについての基本情報を知っておきましょう。
アフガニスタンは中東と呼ばれる地域にある内陸国で、北にはロシア、東には中国、南にはインドと大国に囲まれた位置にあります。
アフガニスタンは昔からイスラム教信者の多い国であり、さらにイランやパキスタンなど周辺国も含め中東一帯はイスラム教の信者が多い地域です。
イスラム教そのものは非常に信者が多く、世界三大宗教とも呼ばれるほどに偉大で立派な宗教ですが、信仰が過激化すると非常に危険な思想となってしまいます(これはどの宗教にも当てはまる)。
”イスラム教以外は悪だ”
”イスラム教を信じない人間は殺してもいい”
こういった、極端で危険な思想を持っている人々を”イスラム原理主義”や”過激派組織”と言ったりします。
そしてアフガニスタンにも、この過激派組織がいます。
1970年代後半から、ソ連がアフガニスタンに侵攻します。理由は、ソ連は面積が広い一方で人口が少ないため、周辺諸国に攻められたら対応するのが難しくなってしまうためです。
つまり、攻められる前に自分から攻めて、周辺国を自分の支配下に置いておき安心したいと考えたのです。
こうして始まったソ連vsアフガニスタンの争いでしたが、アフガニスタン側には同じイスラム教を信仰する中東各国や、ソ連の勢力拡大を阻止したいアメリカが援助するなどして大規模な争いに発展してしまいます。
もはや、ソ連とアメリカの代理戦争の場となってしまったアフガニスタンは、こうした争いが昔からずっと続く地域なのです。
②タリバンってどういう意味?名前の由来は?
なんとなく名前が一人歩きしているような"タリバン"ですが、この名前の由来を理解することは今回の件を理解する上でカギになります。
タリバンは、アフガニスタンの公用語のパシュトゥー語で「学生たち」を意味します。
先程話した、ソ連のアフガニスタン侵攻により、アフガニスタン国内では多くの難民が発生しました。難民ですから、家もなければ、子供は教育も十分に受けられません。
そんな時、何者かによって難民の子供たちに教育の場が与えられました。教育の場というと聞こえは良いですが、実際そこではイスラム過激派の教育が行われていました。
そうした過激なイスラムの教育を受けた学生たちが”タリバン”として、脅威的な存在になることになります。
②今は誰と誰が争っているの?なぜ起きた?
さて、今回の件について核となる部分についてのお話です。一体、誰と誰がなぜ戦っているのでしょうか?
これは、アフガニスタン政府 vs タリバン の争いです。
まずアフガニスタン政府は、アメリカの思想や社会を模範として西洋的な新しい考え方を取り入れたい、そういった考えを肯定する組織です。
現在のアフガニスタンのガニ大統領は、実はアメリカの大学・大学院を卒業し、アメリカの大学で教員としての経歴を持つ、かなりアメリカ寄りの人物です。なぜこんなにアメリカ寄りの人物が大統領になったのかは後述します。
一方のタリバンですが、タリバンはイスラム原理主義の人々です。アメリカ的な思想は、もっての他であり、女性が肌を露出したり1人で夜出歩くなど言語道断というようなかなりガッチガチに、過度にイスラム教を信仰しています。
この2つの勢力ですが、実は今回が初めての衝突ではありません。過去に何度も衝突しているのですが、その度にタリバンは政府に鎮圧されてきました。
それはなぜか?
アフガニスタン政府が強かったから?違います。
ここで出てくるのがアメリカです。先程も言った通り、アフガニスタン政府はアメリカ寄りの組織であり、実際にアフガニスタンには何千ものアメリカ軍が駐在していました。
タリバンが攻めてくれば、アフガニスタン国軍(政府側)とともにアメリカ軍が対抗し、タリバンの攻撃を抑えてきたのです。
最新の武器やデータをあわせ持つ圧倒的強者のアメリカ軍の力が絶大だったために、タリバンは何度も抑えられてきたのです。
では、なぜ今回はタリバンが勝利を収めたのか?
それは、アメリカ政府が2021年8月までにアフガニスタンから完全撤退すると宣言したからです。
タリバンにとっては、政権を奪う絶好のチャンスが訪れた訳です。
③アフガニスタンとアメリカの関係性とは?
なぜ、アメリカ軍はアフガニスタンから撤退することになったのか?
そもそも、何でアメリカがわざわざ遠いアフガニスタンに駐在しなくてはいけなかったのか?
アメリカがアフガニスタンを注視するきっかけとして最も大きかったのが、かの有名な9.11同時多発テロです。世界的な歴史に残る、残酷すぎるテロです。あの衝撃を覚えている方も多いと思います。
この同時多発テロの首謀者として疑われたのが、アルカイダというイスラム過激派組織のリーダーであるビン・ラディンという人物でした。
当時、ビン・ラディンはアフガニスタンに潜伏しているとされており、アメリカ政府はアフガニスタンの当時のタリバン政権にビン・ラディンの身柄を引き渡すよう命じましたがタリバンはそれを拒否(9.11前はタリバンがアフガニスタンの政権を握っていました)。
そして、交渉で無理なら武力行使して無理矢理引っ張り出してやると、アメリカがアフガニスタンに侵攻し、アフガン戦争と呼ばれる戦争に発展し、ビン・ラディンも最終的に暗殺されます。
それ以降、タリバンは政権を奪われ、代わりにアメリカの息がかかった新たなアフガニスタン政府が置かれました。
アメリカとしては、二度と9.11のようなテロを起こさせたくないため、アメリカ寄りの人物を国の重要ポストに置き、監視も兼ねてアフガニスタンに軍を駐在させ管理したいという思いが強かったのです。
しかし、それから20年たった今、アメリカの代償はものすごく大きいものとなっています。
アフガニスタンでのアメリカ軍兵士の死者数は2,500人を超え、軍事費はなんとトータルで250兆円です。
民間人も含めた莫大な犠牲者を出し、信じられない額の費用をかけてまでアフガニスタンを監視下に置く意味はあるのか?
それだけの額を国外に使うのではなく、今アメリカ国内にある様々な問題解決に使うべきじゃないのか?
こういった疑問の声がアメリカ国内で強まっていった結果、アメリカ政府は国民の声に押され、アフガニスタンからの完全撤退を発表したのです。
おそらく、タリバンにとってこのアメリカの発表には興奮したことでしょう。アメリカ軍がいなくなればアフガニスタン政府を倒すことは難しくないですからね。
⑤なぜ猛スピードで首都まで制圧できたのか?
今回の、タリバンによる首都カブール制圧までは驚異的なスピードだったと言われています。その大きな理由として、アフガニスタン政府の国軍のモチベーションが低かったことがあります。
元々アフガニスタンはイスラム教の国で、9.11同時多発テロ後にアメリカ寄りの政府になったけれど、結局はアメリカの言いなりになっただけであり、心の底から西洋的な国にしたいと思っている訳ではなかったのです。
絶対にイスラム教を復活させる!!アフガニスタン政府を倒せ!!と一致団結し戦意に満ちたタリバンと、アメリカ軍が撤退し、元々モチベーションの高くない国軍がぶつかったら、それはどちらが勝つか明白でしょう。
④まとめ
いかがだったでしょうか??
今アフガニスタンで起きている事態は、急に勃発したのではなく、はるか昔からのの歴史の線上にあり、宗教や各国の利害が複雑に絡み合っている状態です。
これから先アフガニスタン国内はどうなるのか、日本にも影響があるのか、それは誰にもわかりませんが、少なくともこういった社会問題や国際問題にも興味を持つことは、大事なことだと思います。
難しいと嘆き、学びを放棄するのでなく、皆さんが少しでも楽しく学べるようにこれからも記事を書いていきます!
これからも共に勉強していきましょう!!
では、また!!!!!