機械仕掛けのコウノトリ 1 2 しゅん 2022年4月27日 07:04 赤子の声が聞こえた。この場所で起こり得るはずはないと知りながら、私の耳には確かにそのはっきりとした命の呼ぶ声が聞こえていた。 振り返るも、見えるのは自動車が行き交う日常であり、聞こえるのは無生物であるエンジンの音だった。その中に生命の響きなどあり得るはずはなかった。 私は私を思い出して、また私の進むべき道に顔を向ける。日常の変わらないその道を私は歩いていく。今というこの世界で私にできることは、日々を変わらず、希望すら持たず、ただ祈りを持って生きていくことだけなのだから。 #私の作品紹介 次話 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する この記事が参加している募集 #私の作品紹介 116,015件 #小説 #私の作品紹介 #連載小説 #SF #連載 #純文学 #ディストピア #毎日連載 #連続短編 #機械仕掛けのコウノトリ 2