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【ジブン史】僕と剣道①「運動オンチの決意」

僕はあまり運動が得意ではないのだなと気付いたのは、小学生の頃だった。

身体も痩せてるし、走っても遅いし、ボールも遠くへ投げられない。
水泳や器械体操など特殊な運動も得意な訳じゃない。
低学年の頃はそれでも大して顕在化しなかった同級生との差が、年齢を重ねるにつれて広がっていく。

自然と、一番苦手な科目は、「体育」になった。

いまの時代は少し変わってきているかもしれないけれど、平成初期に小学生だった男子にとって、基本的なヒエラルキーの構成要素に「運動神経」は間違いなくカウントされていたから、運動会で活躍する場がない自分に、随分と引け目を感じたのを覚えている。

僕は読書をすることの方が好きだったし、途中から通い始めた学習塾によって他の成績は上がっていったので、高学年にもなると「賢い系キャラ」みたいな立ち位置になっていった。眼鏡もしてたし(?)

別にそれを理由にいじめられた訳でもないし、仲の良い友達もいたのだけれど、元々お調子者で前に出たがりだった自分にとって、全く活躍の機会を得られない「運動オンチ」ぶりは、人生で最初のコンプレックスだった。
(だからこそ、そんな目立ちたがり屋が学芸会でメインキャストを演じられたことは後々の演劇活動のルーツになるのだけれど、それは別の記事に書こうと思う)

特に「男」としての自信を喪失するきっかけとなったのは、当時気になっていたクラスメイトが、リレー選抜の代表になるような抜群の運動神経で、(謎な思考回路なのだけれど)「自分は彼女とは釣り合わないな…」と感じてしまったことだ。

ここから、自分の「男性性」と「自信の無さ」のよじれた関係が始まる。

さて、僕は中学受験へのトライなど紆余曲折を経て、小学校時代の友人がほとんど居ない隣町の公立中学校へ入学した。

中学になると、本格的に「部活動」というものを体験することになる。
基本的に、何かしらの部活に入ることがルールだった。

もし演劇部があったら入部していたかもしれないけれど、幸か不幸か、その中学校には存在しなかった。

僕が選んだのは、剣道部だった。

両親に「剣道部に入りたいから胴着と袴を買ってほしい」と伝えたときに、とても驚かれたことを覚えている。
てっきり文化系の部活に入ると思っていたようだった。

剣道部を選んだのは、いくつか理由がある。
まずは、単純にカッコいいと思ったこと。
当時は少年ジャンプで『るろうに剣心』が連載されていて、漫画もアニメも大人気だった。

るろ剣のキャラのカッコ良さに痺れた男女は多かったはず
たぶん当時の剣道部員はほぼ全員、九頭龍閃と天翔龍閃の真似をしていた
引用元:https://www.s-manga.net/items/contents.html?isbn=4-08-874150-1

剣術と剣道の差も理解してない少年だったけれど、「剣を振るう競技って最高じゃん」という憧れを持ったのは割と普通の感覚だと思う。
もうひとつの理由は、体験入部に行った際に、同じく剣道部に見学に来ていた同級生の多くが、剣道経験が無かったことだ。

今更、サッカーやバスケや野球などの球技や、陸上や水泳などで同級生にかなうわけはないと思っていた。
でも、剣道なら、今から始めても同じスタートラインかもしれない。
自分でも活躍できるかもしれない

そう思ったのは事実だった。

勿論そうそう甘いものじゃないことは剣道を始めてから知るのだけれど、それは間違いなく、初めて「自分を変えたい」と思って決意したことだった。

僕はかつてリクルートの社訓だった「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉が好きで、就活の際にリクルート系の会社を沢山受けていたのだけれど、剣道部への入部を決めたときの自分は、まさにそんな意志を持っていたなと思う。

さて、そこから中学高校と6年間もの間、剣道を続けるのだけれど、そこでの変化などについては、また後日書きたいと思う。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
それではまた、別の記事で。


心理カウンセラー 俊(しゅん)

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