well-beingについて考えてみる


最近巷でよく聞く、well-beingについて書籍を読んでみた。

よくわからない概念だと捉えている人が多いと思うので、今回はその解説を。


やはり人に伝えることを前提に読むと、理解がグッと深まって自分のためになる。ラーニング・ピラミッドも伊達じゃない。


well-beingとは???


well-beingとは、良好な状態、(心もからだも)健康であるということ、満たされている状態のことを表す。
世の中にはどのような満たされた状態があるかというと、


(狭義の) 健康

幸福『happiness- 感情として の幸せ』

福祉

の3つに分類されるという。


この3つを満たす状態のことをwell-beingというらしい。



well-beingは、「健康・幸せ・福祉」を包含した 概念のため、SDGsの上位互換であるといえる。

SDGs「持続可能な開発目標『Sustainable Development Goals』」は、人々が幸せに生きるために設定されたものである。

そして時代はsociety5.0に突入しようとしているという。society5.0がWell-beingの到来であると本書は捉えている。

【参考までに】
society1.0狩猟採集社会
society2.0農耕社会
society3.0産業革命による 工業化社会
society4.0情報化社会



society5.0は、

サイバー空間とフィジカル空間を融合した システムを用いて、経済発展と社会問題解決を 両立する人間中心の社会であり、情報に占拠されることなく我々人間が主体となって進めていく時代とするのだ。


情報化社会を過ごしてきて、効率化スマートさがすごく求められていたと思う。

人と人のやり取りは簡素化され、結果主義の個人主義のなんとやら…。

寂しい時代になってしまったと我が物ながら感じていたのだが、その状況はwell-beingではないというのだ。

では何が不足しているのだろうか。

そうだ。happinessだ。

感情としての幸せが、現代の我々には不足しているのだ。


健康や福祉は発展が進んでおり、well-beingにおいても大きな欠点はないように思う。

しかし、happiness(感情の幸せ)については大きな問題があると感じている。

心が、貧しいのだ。

情報化社会によって心が貧しくなり、効率化を求め個人主義となりつつあり、そんな大人の姿を子どもは見てきた。

だから子どもの幸福感はとても低い。自己肯定感の低さもよく取り上げられる印象があるだろう。

私はいわゆるZ世代の人間だが、同僚にも自己肯定感の低いものや劣等感を常に感じているものも多い。失敗を恐れるZ世代というどこかで読んだ記事も個人的には無視できないのである。


〈幸福度を高めるには??〉

なんと、そんなhappinessを高める幸せの四つの因子があるらしい。

○やってみよう

○ありがとう

○なんとかなる

○ありのままに


この四つが、幸せの四つの因子である。

○やってみよう因子

ワクワク感やときめき感がこの「やってみよう因子」を稼働させる。

ときめくためには視野を広げて 夢や人生の目標を明確にすることが求められる。

視野が広い人は幸せで、視野が狭い人は不幸せだ!と本書には書いてあった。これは私からすると逆ではないだろうかと思ったのだが、視野が狭いのとお花畑で生きているのでは少し土俵が違うと感じたため、ここにはそのまま記しておこう。


○ありがとう因子


これは、つながりと感謝の因子である。人間関係に関わる因子だ。
アドラーが、嫌われる勇気で『すべての悩みは人間関係にある』的な言葉を記していたことを思い出し、幸せも不幸せも孕んでいるのか…!とふと思ってしまった。

カウンセリングはコーチングに派生し、1on1はコーチングから派生したものである。つまりはこの三つとも傾聴することが求められているのだ。基礎基本は同じで、筋道が少し違うのであろう。

傾聴して否定せずにじっくり聞く。

これを実践できる人はどれだけいるのだろうか。結論を急いだり、効率を求めていた情報化社会ではよく遮られていたのではないだろうか。

『孤独は幸せの敵』ともいわれていた。「おひとりさま」や「独身貴族」などと、今や独り身が選択肢として当たり前にある中で、やはり「独り」というのは幸せから離れていくものなのだろうか。
先程の「ありがとう因子」を発生させるタイミングが減るという意味では、幸せから遠ざかることは間違いないだろう。

○なんとかなる因子

これは本当に面白い因子であった。なんとかなる!と思うことも大切なのだが、

ポジティブな人の行動を真似してみたり、笑顔を無理矢理作ってみるだけで幸福感は向上するそうだ。


形から入るのが効果的で、幸せなふりをするだけで幸福度は上がる。幸せであるようにふるまうのがよくて、ポジティヴに考えるのが幸せになるコツである。

確かに、人の思い込みには強い力があると思う。それをマイナス方向に使うのではなく、自分の幸せに向けていくのはある意味画期的かもしれない。

私もこのnoteを書く前に、陽気な人を演じて駅まで歩いたのだが、何かすごく楽しい気分になった。少しスキップしていたし。
思い込みというか、人はやる気スイッチが入れば本当に速いなぁ…と思いつつ、自分って単純だなぁと改めて思った瞬間であった。

○ありのままに因子


これが最も難易度が高いのではないだろうか。

揺るぎない自分軸をもつこと、自己の確立、自分らしこの自覚。独立性と自分らしさを保つ。



つまり、自分が何者かを知る必要があるということだ。そしてその際に他者との比較はしてはならないのである。

相対評価にさらされてきた我々と、さらされている子ども達に、自分の軸を見つけ出せ!というのはものすごくハードルが高いだろう。

しかし、well-beingな状態になるにはきっとこれが不可欠なのだ!これが心の牙城となるのだ!!


「自分は自分、他者は他者」

自分らしく「ありのままに」「やってみる」


周りを気にせず、ありのままに過ごしてみよう。



さいごに


幸せに影響する行動として、以下の四つが挙げられていた。

対人援助行動

課題遂行行動

自己決定行動

挑戦行動


幸せの四つの因子と関わりが深い行動であることがわかる。

自らのwell-beingのためには、自己決定や他者のために奉仕することが大切であるということがわかった。

さてこれをどのようにして子どもに獲得してもらうか。私の大きな課題である。

well-beingな状態を作るにはまず自分がwell-beingでないといけないことは当然必要だ。

子どもがwell-beingな状態になるには、自己決定・自己評価ができなければならない。つまり生徒の自律が求められる。

やはり行き着く先はここか…。と思いつつ、生徒や子どもの自律のためにまた明日から動くのである。

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