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綾辻行人「十角館の殺人」
現在デジタルデトックスして、いろいろな小説を読もうと試みています。「十角館の殺人」は「衝撃の一行」「史上最高のどんでん返し」などのキャッチフレーズで、とても評判の高いミステリー小説です。ネットをダラダラ見てる中でYoutubeの小説紹介動画やHuluの新作ドラマの予告が目に入り、その「衝撃の一行」を体験したくて読んでみました。
ミステリー小説については、小学生中学生ぐらいに江戸川乱歩シリーズをよく読んでいた記憶があります。乱歩から入り、海外作家ではアガサ・クリスティーやエドガー・アラン・ポーなど、誰でも知っている有名な作品も図書館で借りて読んでいたと思います。しかしながら、大学生ぐらいから読む本のジャンルが変わり、あまり読まなくなってしまいました。ですので純粋なミステリー小説を読むのは久しぶりです。
あらすじは孤島の中の建つ十角館と呼ばれる奇妙な建物に集まった、大学のミステリー小説サークルのメンバー達が、連続殺人事件に遭遇しながら犯人を探していくというお話です。ストーリーは十角館に集まった7人のメンバーと本土にいる3人のグループの2つの場所で同時展開していきます。同じ時間軸の中で十角館グループの周辺で起きる連続殺人事件、本土グループによる怪文書を巡る調査が同時進行で連続殺人事件の謎に迫っていくという形です。
ストーリー展開にスピード感があり文章も読みやすいので、スラスラと読めます。そして十角館で連続殺人事件が進行し、ラストのあたりで、あの「衝撃の一行」。私は「ん?え?」と一瞬戸惑ったあとに、その意味を理解して「なるほど~!」と驚嘆しました。噂に違わぬ衝撃の一行です。ミステリー小説でここまでの意外などんでん返しを体験したのは、初めてかもしれません。この衝撃の一行を読むだけで読む価値があるのかなぁ、と思いました。
その後、Hulu版のドラマも見ました。映像化不可能と言われていましたが、様々な工夫を凝らして映像化しています。犯人はわかっていましたが、ドラマとして楽しめました。犯人役の俳優さんは、とても上手かったと思います。
小説の中の登場人物たちは海外の有名ミステリー作家の名前をニックネームとして名乗っています。アガサ・クリスティー、エラリイ・クイーン、ジョン・ディクスン・カー、ガストン・ルルゥ、エドガー・アラン・ポー、バロネス・オルツィ、ヴァン・ダイン、コナン・ドイル。あまり読んでこなかったミステリー小説ですが、この小説をきっかけに読んでみようかな。