FACT FULNESS(ファクトフルネス)の感想っておはなし
※ブログからの転載です。読みづらい箇所ありましたらご容赦ください。
2021年8月9日にFACT FULNESS(ファクトフルネス)という本を読み終わりました。
ファクトフルネスとは何ぞや
ファクトフルに(真実に基づいて)世界を見ること。
データや統計を用いて私たちの先入観や今までの知識がいかに間違っているかというのを突きつけ、正しい知識にアップデートすること。
本能(思い込み)が引き起こす勘違いに気づくこと。
著者
どんな人が書いてるのよ。
経歴や実績のない人の言ってることなんて信用ならないわ。と思う方もいらっしゃるでしょう。
著者はハンス・ロスリングさん(筆頭者)
医師であり、公衆衛生の専門家、TEDトークの人気スピーカーでした。
実際の世界と、多くの人から認知されている世界に違いがあることを講演していましたが、末期のすい臓がんを宣言され、残された時間をどう使うか考えた。その週のうちに、67の講演を全てキャンセルし、テレビ出演もラジオ出演も映画制作も取りやめて、この本の執筆に取り組んだそうです。
熱量がすごい。
実は本の完成を待たずして亡くなっています。
チンパンジークイズ
まず初めに本書にもあるチンパンジークイズをやってもらいたい。
13問の世界の未来予測や実情を3択で答えるもの。チンパンジーが適当に答えても1/3(33%)なのに対し人間はチンパンジーよりも低い正解率でしたっていうのが謳い文句。どれほど優秀な人でもチンパンジー以下多くの人が世界の現状を理解していないそうです。
出題範囲は主に、経済、環境、医療、教育。共訳者の上杉周作さん作成。
正解率はどうでしたか?チンパンジー以上になれたでしょうか?
10の本能(思い込み)
以下に挙げる10の思い込みを、筆者が体験したことを参考に世界の実情を書いている。例や書いてることが的を射ていてスッと入ってきたし非常に読みやすかった。
①分断本能
世界には「先進国」と「発展途上国」しかないのか?
億万長者と極度の貧困層を比べれば伝わりやすいが、多くの人はその中間にいて二極化ではない。
本書は生活水準をレベル1~4の4段階に分けて考えている。
レベルは上がるにつれて生活水準が豊かになる。
移動手段を例に出すと
レベル1は徒歩、レベル2は自転車、レベル3はバイク、レベル4は自動車といった感じだ。
中国を例に個人的なイメージをあげると、中国は自転車が多いイメージ(ストリートファイターの春麗ステージの影響だと思う)。これだと中国はレベル2だが実際は車社会。(場所によると思うけど)
当時はレベル2だったのが現在ではレベル4に上がったと考えてよいと思う。
世界は段々良くなっている。
②ネガティブ本能
日々の不幸なニュースばかりで「世界はどんどん悪くなっている」とお思いではないでしょうか?
その思い込みの原因が「ネガティブ本能」にある。
良い出来事はニュースになりにくく、悪いニュースの方がニュースになりやすく、印象にも残りやすい。例えば「飛行機墜落事故」はニュースになるけれど「飛行機無事着陸」はニュースにならないですよね。
この章では「減り続けている16の悪い事」と「増え続けている16の良いこと」についてのグラフが印象的です。
③直線本能
日本でいうと、子供が減って老人が増える高齢社会といわれていますよね。
子どもが少なくて65歳以上がどんどん増えて人口比率のグラフにすると右肩上がり。
んなことたぁありません。
なんでもかんでも直線的なグラフにはならないし、曲がったり落ち込んだり停滞したりします。直線的なグラフになる方が珍しいですよということ。
グラフの線はまっすぐな1次方程式と思ってませんか?
④恐怖本能
日本ではあまりなじみのないテロ。
私も海外はテロのイメージが強くあります。
2016年にテロで亡くなった人はその年の死者数全体の0.05%
住む場所や旅行に行く場所によって左右されるとは思うが、あまりテロを怖がらなくてもいいように思う。
海外旅行する際に、世界は恐ろしく見える。メディアや自身の関心フィルターのせいで、恐ろしい情報ばかり届くからだ。
恐怖と危険は違うということ。
⑤過大視本能
物事の大きさの判断がへたくそな理由が過大視本能だ。
ただ1つだけの数字を見て、なんて大きいとか小さいとかを決めつけてしまう本能のこと。
例を挙げると2016年には420万人の赤ちゃんが亡くなったそうだ。
これだけで見ると非常に大きな数に見えるが1950年では1440万人の赤ちゃんが亡くなっている。
急に420万人が小さく見えるようになった。
もちろん赤ちゃんの死亡数がもっと早いペースで減るのが最高なんだけれど、以前よりも多くの命を救えるようになっている。
⑥パターン化本能
ひとつの例がすべてにあてはまるという思い込みのこと。
より適切な分類を見つける、ドル・ストリートの説明がこの章で行われている。
1章で話したレベルに応じた写真が多数登場し、各レベルの生活風景が示されている。
歯ブラシや寝室、コンロや屋根などの写真がある。
私たちが良く見るのはレベル4の生活日常だし、逆に危機の映像はレベル4以外のものばかりだ。
間違ったパターン化は思考停止につながり、あらゆる物事への理解を妨げてしまう。
⑦宿命本能
持って生まれた宿命によって、人や国や宗教や文化の行方は決まるという思い込みのこと。
アフリカが経済成長して発展してきているのに、その事実を見ようともせず、「アフリカ良くなるなんて考えられない」と言われたことを紹介しています。
それがここの文化だから、あっちはそんな文化だからなんて言う人がいる。昔からそうだったし、これからも変わらないと言いたいのだろう。
変わらないように見えるのは変化がゆっくりと少しづつ起こっていると気づくこと。
⑧単純化本能
ひらめいた解が、ほかのたくさんのことにも当てはまると思い込むこと。
ここではキューバとアメリカが例に挙げられている。
キューバの厚生大臣が「キューバは貧しい国の中で一番健康だ」といった話が書かれている。
言い換えればキューバは健康人の中で一番貧乏であり、一つの見方でいい社会であるように示しているからといってほかのすべての面がいいわけではない。
数字を見なければ世界を知ることはできないが、数字だけでは世界を理解できない。数字が人々の生活について何を教えてくれるかを読み取ろう。
⑨犯人捜し本能
なにか悪いことが起きたとき、単純明快な理由を見つけたくなる傾向のこと。
物事がうまくいかない時には、責めるべき人やグループを捜してはいけない。原因やシステムを理解することに力を注ぐ。
梅毒についての例があり、イギリスではフランス病、フランスではイタリア病と呼ばれていました。イタリアではやり返したかったのかフランス病と呼んでいたそう。
他国のせいにしても、直接的な原因ではないのに。
誰か(何か)が見せしめとばかりに責められていたら、犯人捜し本能発動中だなと気づくこと。
⑩焦り本能
いつやるか?今でしょ!みたいに「いますぐに決めなければならない」と感じたら、自分の焦りに気づくこと。とりあえず、一息つこう。
世界の見方を歪めてしまう最悪の本能のひとつが焦り本能。
「なんでもいいからとにかく変えなくては、分析は後回し。行動あるのみ。」や「何をやってもダメ。自分にできることはない。あきらめよう」という気持ちになる。
どちらの場合も愚かな判断をしてしまうことになる。
ハンス・ロスリングさんの体験
本書には、各章に必ずと言っていいほど、ハンス・ロスリングさんの体験談が書かれている。講演の時の話だったり、医師としての話だったりだ。
特に医師としての体験談はやはり間違いが許されない世界なんだろうけれど、判断ミスをしたことがしっかり描いてある。
スウェーデンの空軍パイロットが搬送されてきたときに、戦争がはじまると勘違いした話や、病気が蔓延して何かしなきゃと道路封鎖をしてしまったせいで、多数の人を死なせてしまった話は考えさせられるものがある。
かなり端折って紹介したので、どういう本能が働いて間違ってしまったかは是非読んで体験話を聞いてほしい。
感想
データなんて日々更新していくものなので、この本に書かれているデータもいつか古い物になる。しかし、本を読んでみると、大事なのはデータの読み取り方と考え方ということが解かると思う。
この本に書かれている実話を基にした例は、非常に共感できるし、イメージもしやすい。
筆者の真実を伝えたいっていう熱量がすごい伝わってきました。また、真実を知ることで前向きになれる本だと思います。
世界は良くなってきていると納得できたし、知識をアップデートできた。
余談だけれど、ウプサラという地名が出るんやけど「ドラゴンタトゥーの女」を思い出すよね。
紹介させてもらったファクトフルネス、ベストセラーにしようとして作られていない。すごくないか。
僕は紙の本を目で追いながら、オーディブルを駆使して耳でも読み聴きしました。
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