どうしたらいい?初めてのキリスト教葬儀《前編》
こんばんは。株式会社創世ライフワークス社の野田です。
今回はキリスト教葬儀に初めて参列する方に向けて、キリスト教葬儀とはどのようなものか?参列するときの心得とマナーについて2回に分けてお伝えします!
冠婚葬祭に参加する機会は、ある日突然やってくるものなので、「こういうときはどうすればいいの?」と慌ててしまいますよね。この記事が皆さまのお役に立てば幸いです。
■キリスト教葬儀とは
日本で広く行われている葬儀は仏式葬儀です。キリスト教葬儀は、仏式葬儀とその目的や考え方が大きく異なるので、まずはキリスト教での葬儀の概念をお伝えします。
まず、キリスト教葬儀での礼拝の対象は神様です。いのちを与えてくださったことに感謝し、遺族への慰めが与えられることを願って、礼拝が行われます。
キリスト教では「人間の死」=「神の御許(みもと)に帰ること」と位置付けているので、死を迎えた後は神の御許での永遠の命として続いていく…と考えられています。
そのため、仏式葬儀のように『お悔み申し上げます』と、死に対して悲しんだり、忌むべきものとしてとらえるのではなく、『安らかな眠りをお祈りします』と表現することが一般的です。
POINT!
葬儀=悲しむ、人生の終わり。と考えるのではなく、人間の死は神様のもとに命が帰ると考えられています!神への信仰があるからこそ、命が永遠に続いていく、前向きな捉え方をする点が特徴です。
■キリスト教葬儀に参列するときの細かいマナーをご紹介
『周囲にクリスチャンはいないし、キリスト教葬儀なんか聞いたことない!参列することなんてあるのかな?』と、疑問に思う方もいるでしょう。
実は未信者の方でも、キリスト教葬儀を選択することができます。
また、キリスト教の信者は家族全員で教会に行っている…そんなイメージをお持ちではないですか?お父さんお母さんは未信者だけれど、実はお子さんだけ信者になったとか、おじいちゃん、おばあちゃんが知らない間に教会に通っていた、ということも少なくありません。
POINT!
クリスチャンは誰でもなれますし、必ずしも一家全員で信者にならなくても良いのです。教会へおもむき洗礼を受けたいと申し出れば、信仰告白(イエス・キリストは救い主だよ、と認めて宣言することです。)の手順や聖書についても教えてもらえます。
洗礼を受けていなくても、教会は開かれた場所なので、だれでも訪れることができますよ。
つまり、キリスト教葬儀に参加する可能性は誰にでもあり、そこまで特殊な人のものではない、ということを覚えておいてくださいね。
それでは、具体的にキリスト教葬儀のマナーをいくつかご紹介したいと思います。
マナー①《お香典ではなく「お花料」を持っていく》
「香典」とは、お香を持っていく代わりにお金を包むという仏式用語です。キリスト教葬儀には、そのような習慣はないので、遺族の慰めに繋がる葬儀のお花代として「お花料」をお持ちしましょう。「お花料」と書かれた専用の封筒は、文房具屋さんなどで買うことができます。
マナー②《水引のある不祝儀袋を使ってもいいの?》
水引の結び方や色などには、「不幸が続かないように」または「清め」などの意味が含まれており、本来のキリスト教の習慣からは離れたものです。「お花料」専用の封筒か、無地の封筒に「お花料」と書き添えて使用することをおすすめします。
マナー③《献花ってなんですか?》
キリスト教葬儀では、式の終わりに献花が行われる場合があります。これは仏式の「焼香(しょうこう)」に代わるものと誤解されることがありますが、供養や冥福(めいふく)を祈るというものではありません。故人を導いてくださった神に感謝して、遺族の慰め励ましになることを願い、花を手向ける行為です。
ただし、宗派によっては曖昧な行為を避けるため、献花を行わない教会もあります。
マナー④《献花の仕方を教えて下さい》
献花の作法には、とくべつ厳格なものはありません。それぞれの教会のスタイルがありますので、全体の流れを見て対応すると良いでしょう。
基本的な流れは次の通りです。
①花を両手で受け取り献花台へ進み、十字架を仰ぎ見ます。
②花の輪が自分側に向くように持ちかえます。
③両手で静かに献花台に置きます。
④もう一度、十字架を仰ぎ見て、牧師と遺族に礼をし退席します。
マナー⑤《キリスト教葬儀でも白い菊を使っていいの?》
菊の花は仏式のイメージが強いので、キリスト教葬儀では使うことを控えています。色も白にこだわらず、洋花で淡い色のものがふさわしいとされています。花に名札をつけておくることはかまいませんが、礼拝堂に個人名を出すことを控えて、名札だけ別にして入り口付近に飾る教会が多いですよ。
いかがでしたか?普段の生活で、なかなか葬儀の作法について触れることはないですよね。ましてキリスト教葬儀となると、どのような流れで行われるのか、ご存じない方が多いと思います。
後編では、キリスト教葬儀の具体的な式の流れや、服装・持ち物で気を付けるべき点などをご紹介していきます!
《後編》はこちらから。
《この記事を書いた人》