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ばあばと孫、笑顔で再会ならず、2019年春。
昨日、母の往診の立会いがあり、
春休みということで妹と姪も予定を早めて一緒に行くことに。
久しぶりに孫に会え「よくきてくれたね、大きくなったね」という言葉をかけてくれるだろうという「淡い期待」はもう何度も打ち砕かれているのだが、それでもやはり笑顔の再会を期待してしまう。
しかし、扉の向こうには険しい表情の母がいた。声色をいくつも使い分け、なぜか大阪弁まで飛び出し、何者かが母に憑依しているかのよう・・・。
ばあばと笑顔で会えなかった子どもたちを不憫に思ったスタッフの計らいで、パンケーキを焼かせてくれた。
桜色のパンケーキのできあがり。
焼きあがったケーキを見せに行ったら、「すごいじゃない」と言った。
昨日、普通のコミュニケーションができたのは一瞬だった。
母においては「ボケたかわいいおばあちゃん」は幻想だと思う。
気分転換に海がみたくなり、少し足を伸ばして大森ふるさと浜辺公園へ(最寄駅は京急平和島)。
開放的な浜辺の公園に長いローラー滑り台がある。
羽田空港から飛び立つ飛行機も見えた。
夜、上の子は「今日のばあばは、まあまあだった」と言っていたらしい。
寝ているみたいな無反応な日よりはいいと感じたようだ。
むきだしの不機嫌、取りつくろうことができない感情。
もう少しで「帰れ」と言い出しそうな緊迫感。
孫とおばあちゃんのカンケイは、なかなか厳しい。
こういうばあばに会って、子どもたちは傷ついているのか、怒っているのか、案外へっちゃらなのか、もっと別の眼差しでとらえているのか。
元気であれば、孫の健やかな成長を楽しみにしてくれただろう。
そういう気持ちは、老いる前にちゃんと手紙に残しておくというのもいいかもしれない。