![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/103595031/rectangle_large_type_2_79107f35ed07adc57e6bf6eed4f11b76.jpeg?width=1200)
読書感想「働くひとのためのキャリア・デザイン」
読んだ本
本を読む前の状態
キャリアとは何か、という問いに一言で答えられなかったように思う。
また、キャリアのトランジション(節目)をどのように乗り越えていくか、はっきりとしたイメージが湧いていなかったように思う。
本から得た気付き
まず、筆者の定義では、キャリアとは、長期的な仕事生活のあり方に対して見出す意味付けやパターンのことを指すと述べられている(本書p.2 前書きより)。また、キャリアは轍であり、立ち止まって来し方を振り返ることで初めて見えてくるものだという。
本書の主張は、節目だけは強く意識してデザインするべきであるという点にある。一方で、節目さえきちんとデザインできていれば、節目と節目の間はむしろドリフト(漂流)することも必要だと述べられている。
ここで、節目とは、英語に直すとキャリアや生涯発達の文脈でよく使われるトランジションという言葉だとされる。本書は、キャリア・トランジション論という研究分野を基盤に語られる。
さて、ではそのキャリア・トランジションとはどのようなものか。
本書では、序盤の第2章においてブリッジズやニコルソンによるキャリア・トランジション・モデルが紹介されているほか、終盤第6章では、以下の4つのステップで構成される独自のモデルが提示されている(以下、本書p.259より引用)。
キャリアに方向感覚を持つ
大きな夢、でも、現実吟味できる夢を描く。生涯を通じてこの夢を探しつつ、節目ごとの夢(の修正)。節目だけはキャリア・デザインする
人生や仕事生活の節目ごとに、なにが得意か、なにがやりたいか、なにに意味を感じるかを自問して、キャリアを自覚的に選択する。アクションをとる
デザインしたら、その方向に、力強い一歩を歩み、元気を持続する。MER(最低必要努力投入量)を超えるまでは、よいがまんはしつつ、頑張ってアクションを繰り返す。ドリフトも偶然も楽しみながら取り込む
あとは、つぎの転機までは、安定期にも退屈することがないように、偶然やってきた機会も活かす。ドリフトもデザインの対として楽しむ。
本書では、学習性無力感の対極にある言葉として、自己成就的予言が挙げられている。前者は悪の循環であるのに対し、後者は善の循環である。
せっかくの人生、前向きに夢を掲げたい。そして、結局は、掲げられた夢だけが実行に移され、最終的には成就に繋がると信じたい。
今後実践したいこと
節目だけはデザインしようという本書の主張は、あるサイクルから別のサイクルへの移行のときにデザインの要素を持って挑むことを勧めている。
ここで、サイクルの移行の結果は、より自分らしい世界に近づくことを目的とした上昇でありたい。
マズローが説くB価値(自分の存在=beingを味わうような生き方、仕事の仕方)を希求し、仕事に対しても単なるライスワークでなく、高い志を持っていたいと思う。
志、といった大袈裟な言葉を使わずとも、いい仕事をしたい、という素直な気持ちを大事にしたい。
以上