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仕事の賞味期限

 脳の回路には、デフォルトモードネットワークと、タスクポジティブネットワークというものがあります。

悩み事があって、ついマイナスなことを考えてしまって、ずっと気になって、なかなか普通の状態に戻れないときはデフォルトモードネットワークの状態なのですが、私たちマインドフルネスを勉強している仲間の間では、それをよく「パッシブな状態(受け身の状態)」といっています。

これが四六時中、継続すると、自律神経も交感神経優位の状態も継続して、変な汗をかいたり、動悸がしたりして、落ち着かない状態になって、一歩前に出られなくなったり、普通にできたことも出来なくなってしまったり、最悪の場合は鬱になったりします。

私がかつて、仕事で好業績を取ることと、資格取得のためにストイックに作業していた時、「これではいけない」と、自分自身にプレッシャーをかけ過ぎて、テストが3回不合格になったときに鬱になってしまったのですが、経験上、この「パッシブ状態」になっていることに、本人はそれに気が付いていないことが多いです。

しかし、マインドフルネスを勉強し続けると、デフォルトモードネットワークとはどんな状態か、タクスポジティブネットワーク(マインドフル)の状態はどんなものなのか、明確に分かってくるので、もし、デフォルトモードネットワークになっても、それに気が付くことができます。

そして、パッシブな状態からマインドフルネスの状態に切り替えるテクニックをたくさん学んでいるので、短時間で整理して、切り替えることができます。

よく、何でもポジティブに考えましょうという人もいらっしゃいますが、整理しないで表面上だけ、力でポジティブにすると、心の奥に詰め込んでしまうので、逆にストレスをためてしまうことになります。


仕事をしていくということは、いろんな困難がやってきたり、自分が試されたりします。

諸行無常。 いつも、ずっと同じ状態というのはないです。

ずっと契約していた仕事先から、「もういいです。」と契約終了の連絡があったり、時代が変わって、取れていた仕事が突然取れなくなったりするような「仕事の賞味期限」というのが必ずやってきます。

そうすると、物凄く「パッシブ」になるわけですが、そもそも、諸行無常ですので、それは、次に切り替えていくチャンス到来です。

成功体験のデフォルトモードネットワークにハマっているとイノベーションが絶対に起こりません。

ですので、ただ、心がフワフワして楽な状態だけを求めるのがマインドフルネスではなくて、必ず成長のために、パッシブとなりそうな現実が突きつけられる。

そのときに、冷静に、スピーディに対処できるようにするために、パッシブな状態からポジティブに変えることができるテクニックを知っておき、自然な形に前に進んでいくことが、マインドフルネスだと私は思っています。

これから、AIが発達したり、通信速度がさらに向上してきたり、何が本当かフェイクか分からなくなったり、あるいはバーチャル空間で仕事が処理される時代になってくるのは確実で、さらに変化が激しくなる現代では、いつ、仕事の賞味期限が切れるか分からないです。

ですので、そうなった時に対応できるように、パッシブを単に嫌うのではなく、状況が変わってパッシブになるということは成長のチャンスと受け止めて、冷静に対応して先手を取って、一歩前に出ることが大事かと思います。

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