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L4自動運転+無人販売ー新石器(Neolix)の無人販売車

先日Twitterに上海でKFCの無人販売車の目撃報告を投稿されまして、あっという間に大きい反響を呼んました。小さ目で丸くなっている車体にKFCの赤と白の背景色にしてサンダースさんの写真もしっかり写っていって、「かわいい!」とのコメントがたくさん寄せてきました。またどう移動していたかについて興味津々な方もたくさんいました。早速、その後CNETにも目撃情報の裏付けの関連の記事を公開しました。それを機に新石器の無人販売車を含めて無人配達の現状と未来についてもっと話せたらと思います。

基本情報

・自動運転レベル:L4(無人運転のレベル
・車体の幅:1m
・荷室容量:2400L
・動力源・最大走行距離:電気自動車・100km
・時速:最高50km(域内は概ね5~10km、公道では15km前後)
・緊急停車距離(時速20km):0.98m
・遠隔操縦:4G(LTE)で通信する場合遅延は300ms、5Gの場合10ms
・充電:電池交換式、電池重量は約18KG、作業員は補助器具なしで30秒で交換可能
・価格:初期バージョン約400万、アップグレード後600万円前後、量産後は大幅値下げする見込み

2018年で初公開して、2週間前ほど三代目の車輛が公開されまして、下記の動画をご覧ください。

車体サイズについて汎用性が高いので、配達、販売、安保、広告、いろな目的に合わせてカスタマイズ可能です。

コロナの時人手不足の解消や人の接触を減らすことを兼ねて、医療物資や食品などの配達にも活躍しました。

無人運転技術へのアプローチ

近年Deepmindを代表とする人工知能の技術の大躍進のおかげで、2015年から長年大きい進展を見せられなかった無人運転業界に急に火をつけたように、テックジャイアント、人工知能や新興EVスタートアップ、半島体メーカー、通信会社、デリバリーや配車サービスの大手等々、さまざまなプレイヤーが参入し、相次ぎ新しい製品やコンセプト、プラットフォームもしくは試験プロジェクトを発表しました。今年7月テスラのCEOマスク氏は今年中に完全無人運転を実現するだろうと公言しましたし、waymo、autox、百度などがすでにカリフォルニア、深セン、北京で完全無人タクシーテスト運営の許可を取得して、安全員がなしで完全無人タクシーの試験運用を開始しました。

とは言え、技術の発展の勢いが凄まじいだが、マスク氏が言う通りに年内に完璧に備えるのは楽観過ぎるだと思い、無人タクシーも運営地域やスピードなど限られた条件で行われているため、L5にまだ到達できてないです。たとえ近い将来に車がL5の技術要素を備えたとしても、インフラ、法律の整備や人々の受け入れがまだ追い付いてないため、L5の普及にはまだまだ時間をかかります。

テスラやGoogle達みたいに真正面でL5を挑むには資金力と技術力を兼ねあわないといけないです。スタートアップだった新石器はMVP(Minimum Viable Product)の手法で無人運転にアプローチを掛けました。既存の無人運転の技術の成果を最大限利用する一方で、低速で人載をせない、物を運ぶという限定的な利用目的でいち早く商品化に成功し、成果を上げました。

物流のラス5キロの配送の狙い

新石器は最初に狙ったのが物流業界のラスト5キロの末端の配送でした。中国は今毎日2億回の配達が行われて、末端の配達に人的なコストは約90%を占めていて、電動バイクを含め4000万台の車両を使われています。巨大な市場であり、コスト削減と人手不足の問題の解消に切実に解決策を求められていて、まさにブルーオーシャンです。

新石器自身は配達業者ではなく車両メーカーとして、配達業者に自動配達を実現する車両と関連するシステムを提供して、配達業者のコスト削減と効率向上に実現することを目指しています。車両は顧客のニーズに合わせていろんな形にカスタマイズ可能です。その上の動画をご覧になったらイメージがつくと思います。

配達の無人化に関して、自動運転以外に一番難しいのはやはり手渡しの部分だと思われます。例えば住所の情報元で、建物の入り口に辿り着くのは人間でさえ分かりにくくて迷ってしまう場合もあります。さらに建物の状況はもっと複雑で、特に集合住宅の場合、エレベーターがなくて階段をのぼらなければいけなかったり、自動扉がなく手動扉だったり、オートロックがあったり、走行向け設計された無人配達車にはこれらの”障害”を乗り越えることにはAIの能力がまだ遥かに及ばないだけではなく、コンミュニティ手段、移動手動、特定の装置の操作の手段等々いろんな能力が欠けています。

そこを妥協して、玄関までではなく建物の前までの届くでしたら、現在の技術で実現できます。到着したら自動的に利用者へ通知を送って、建物の前に降りってきて荷物を受け取る必要がありますが、宅配ボックスが普及して使い慣れている人でしたら、そんなに違いを感じないかもしれません。一方で自動配達だからこそ、使い方を変えて、受け取りの時間と場所をより自由に指定できたら、日中で外出させで荷物を受け取ることができたらむしろより便利だと感じる場面もあると思います。

そして、システムが拡張すれば荷物の集荷もできて、重量を図って、目的を指定したら料金を表示され、支払いが済んでそのまま配達しに行く。移動範囲内の短距離の配達は集荷から届くまで、完全に人の手の介在がなしで完結できてしまいます。

無人配送より無人販売は本命?

新石器が狙っている物流の革命は配達に限らずリテールも含めより広範囲”物流”と考えて、下記のように無人販売向けの車両も作りました。

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自走式自販機そのものですね。公園とかで走らせて、手を振って停車させ、バーコード決済して商品を取り出す。

無人配達を実現するには配送会社の既存業務に深く入り込んで、両社が連携して業務フローをきちんと設計し、システムの設計開発を行い、それに沿って車両のカスタマイズを行う必要がありまして、実現されるまでかなり時間が必要で、配達業者により制約もあります。

一方で飲み物や食べ物や雑貨などの販売は高度なカスタマイズやシステムの開発が不要で、リテール業者と協業して、商品、値段、期間、場所を決めればすぐにでも運用開始可能です。新石器にとって早めに商品化してテスト運用し始めたら、自動運転のテストデータも蓄積し始められるし、ブランドの周知にも非常に効果があるため、2年前から無人販売を中国の各地でテスト運用開始してました。ビジネス街や観光地、スタバックスの飲み物や吉野家の弁当から、観光記念グッズまでいろんな商品を試して販売したらしいです。一日売り上げは平日で3万円、祝日は10万円のテスト結果を残しました。

商品の販売だけではなく、ブランドの宣伝も目指しているのであれば、KFCのように新石器とコラボして車体の外観をカスタマイズしたら絶大な効果が得られると思われます。

全く個人的な妄想ですが、例えば吉野家が新石器とコラボして、さらに下記のようなロボットシェフを車内に取り入て、その場で牛丼を作って出来立ての状態で販売できたら、牛丼業界や外食業界にどんな衝撃を与えられるか楽しみにしています。


資金も技術もないのになぜ無人運転分野で成果を上げた?

新石器は元々電気自動車のメーカーではなく、独自のAI技術を持つハイテックの会社でもなかった、2010年で設立して配送会社の業務用のPDA端末などを製造するメーカーでした。無人運転技術が成熟期に迎えに来たと気づき、2015年に無人配達車の開発を立案しまして、自ら電気自動車をゼロから開発するではなく、配達向け改造しやすい電気自動車を探し始めました。

2017年に新石器のCEOー余恩源氏はようやく運命の相手と出会えました。今Nasdaqに上場している中国の新興EVメーカーである理想汽車(NASDAQ: LI)のCEO李想でした。二人は昔からの知り合いだったです。李想も同じく2015年EVメーカー(当時の社名は理想汽車ではなく、車と家でした)と創業しまして、2017年同社初めての電気自動車ーSEVがリリースしました。

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SEVは0~20キロの短距離の移動をターゲットにした超小型のEV。最高時速は40km、最大走行距離100km、バッテリーを簡単に交換できて、家庭の電源でバッテリーへ充電可能、超小型EVのよくあるスペックでしたが、車両の幅はわずか1メートル、前後で二人乗りの形にしています。細い道が多い、渋滞が多い、駐車スペースの確保が難しい都市での利用のしやすさを売りにしたかったです。サプライヤーや工場の整備が整えて、いつでも量産可能な状態になったが、中国で低速自動車の合法性を認める法改定がなかなか進展がなく、販売ができても、車ナンバーを取れない、走れる地域も定めがないグレーな商品になります。上場を目指しているスタートアップがこれを主力商品として販売していくわけがないです。またヨーロッパでカーシェアリングのサービスも検討してましたが、そちらも黒字化の予測が立てられず断念しました。

前路が絶たれたSEVがこうやって残念な形でプロジェクトが中止となりました。しかし新石器がずっと探してた車体と巡り合えたようにSEVに一目惚れしました。電池交換システム、制御システム、EVのシャーシ、ちょどいい車体、どれも余恩源氏がイメージしたのとぴったりしてました。両社はすぐに提携関係を結び、新しい会社(社名は新石器のまま)を設立し、SEVをベースで配達向けに車両の改造を行い、工場の生産リソースも共有されました。

死んだSEVが蘇って、新石器の無人配達車は一夜で完璧な”体”を手に入れた。次に”脳”(自動運転のAI)の調達に百度に力を借りることになりました。百度はかつて中国のGoogleと言われたテックジャイアントであり、中国の検索エンジン市場を独占してましたが、その後長い間に、SNS、モバイル、O2O、ライブ配信、いろんな新しい展開を試みましたが、どれもうまくいかず、アリババとテンセントにどんどん差をつけられました。テクニカルこそが自社の一番コアの強みであることを再認識した百度はその後、AIに”All in”の勢いで戦略を大幅変更して、2013年から毎年巨額の費用をAIの研究開発に投じてきました。近年ようやく社運を賭けた巨額な投資が収穫期に迎えに来ました。自社のロボタクシーは先日北京で完全無人でテスト運営する許可を得まして、2017年公開したApollo計画は現在最も人気なオープンソースの無人運転プロジェクトとなり、自動運転領域で世界中で最も進んでいる一社と認められています。新石器の無人車もApplloを利用してL4の無人運転を実現しています。

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”車輪の再発明をしない”、事業のコンセプトと行動力を自分の強みとして最大限に発揮して、必要な技術要素を有力の提携先の協力を得ることにより、技術力、資金力もない新石器がこういういハードルが高い分野でいち早く商品化を実現する秘訣です。

他社の事例

Nurohttps://nuro.ai/
ソフトバンクも投資しているアメリカのスタートアップ、コンセプトも車輛の外観も新石器とかなり近いです。

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2018年1月で一代目を発表しました。同年12月にKroger(スーパー)と協業し、オンラインで注文した商品を翌日届くように本格的サービス開始しました。アメリカの配達市場のコストの高さのおかげて、無人配達業界で早くサービス化できた一社です。

・Starshipとamazon

Starship Technologiesの配達ロボは小型で歩道で走れるように設計されています。用途は限られていますが展開はとても早くて、スーパーやレストランのデリバリーのサービス開始の実績をたくさん持っています。

新石器、Nuro、Starshipどちらも無人配達のソリューションを提供する会社であり、そしてその無人配達が一日でも早く実現して使いたいのは巨大ECサイト他ならないです。特にAmazonとアリババ、毎日天文学的な数字の荷物を送りだしいます。そして自社も世界トップレベルのエンジニアや専門家を抱えているため、他社からソリューションを提供されるのを待ってられず、自社で開発に取り掛かるのは当然のことです。

・Amazon

Amazon scoutはStarshipの無人配達車とサイズ感も走り方も似ています。同じく歩道で走るタイプです。

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今年amazonがまた無人運転のスタートアップzooxを買収しまして、これからはscoutを使って末端の配達を無人化するだけではなく、域内の配送や地域間の輸送用の別無人配達車輛も登場すると期待されます。

・美団

中国のデリバリーの最大手である美団は2016年から無人のデリバリーに手をかけ始めた。出前商品を直接注文した人の手元に届けるを目指して、2018年に”小袋”という無人配達車を発表しました。

”エレベーターを乗れる”と言い張ってましたが、どう考えても無理ですね。前述の理由で、やはり手渡しは近頃に実現できそうもないので、”小袋”の大規模な正式の運用はなかなか進展がないです。変わりに、2018年に美団は新石器と協力関係を結び、野菜などの宅配サービスを企画し始めたようです。近頃にサービス化される可能性があると思います。

・アリババ
中国で毎日2億回の配達を行われていると紹介しましたが、その内の約半数はアリババグループの各サービスを通して出されています。自社に世界トップレベルのエンジニアやAI専門家も抱えているだけ、無人配達の分野に出遅れるわけがないです。今年9月アリババはオリジナルの無人配達車”小蛮驴”を発表しました。

動画では様々な”ハプニング”を乗り越えて、最後に荷物を無事届いたというミニドラマを演出して、自動運転AIの完成度を誇らしげに見せました。サイズ感的に新石器の無人配達車よりコンパクトです。動画の最後で映ったように、建物内で顔認識して荷物を受け取ってバイバイしました。このサイズ感でしたら、確かに建物内に侵入してもそんなに違和感がないでしょう。

・京東(JD.com)

アリババの競争相手、中国ECの2番目の選手JD、ECの売り上げはアリババに抑えられていますが京東物流という中国最大級の物流の子会社を持ちまして、配達は完全に自分でやっています。無人配達への渇望はアリババ以上かもしれません。アリババと同様に早い段階からオリジナルの無人配達車の開発に着手してました。

こちら、コロナの時期に京東の無人配達車が武漢で医療物資の配達を行った動画をご覧ください。新石器のとほぼ同じぐらい完成度でできています。

実はその京東の無人配達車はすでに日本で走っています。

最後

自動配達は自動運転の大カテゴリの中に比較的に商用化しやすい分野の一つとして今すごく注目を集めています。上記で紹介したプレイヤー以外に、日本でもチャレンジしているベンダーさんがいます。早かれ遅かれ、これから日本でもどんどん無人配達の事例も徐々に増えてくると思います。

そして新石器の無人販売の成功事例がまた別の新天地を示してくれました。AI技術の躍進により自動化の新しい事例がどんどん増えて来た昨今、「自動運転+自動X=?」という方程式は無限な可能性が生み出せると思います。


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