水煮魚

20年前に日本にやってまいりました中国出身のITエンジニア。今都内の小さいベンチャーのCTOとして勤めています。 テクノロジー、中国のIT業界のトレンド、ゲーム、歴史、社会学、自炊(中華)。。。色々と興味を持っています。これからNoteでいろいろ発信できたらと思います。

水煮魚

20年前に日本にやってまいりました中国出身のITエンジニア。今都内の小さいベンチャーのCTOとして勤めています。 テクノロジー、中国のIT業界のトレンド、ゲーム、歴史、社会学、自炊(中華)。。。色々と興味を持っています。これからNoteでいろいろ発信できたらと思います。

最近の記事

キャズムを超えるEVスタートアップ同士の争い

キャズムを越えようとするEVスタートアップ達キャズム理論とは、イノベーター理論における初期市場(イノベーターとアーリーアダプター)とメインストリーム市場の間に深い溝(キャズム)が存在し、スタートアップにとって大衆市場を開拓するためにはこの溝を越える必要があります。 中国では、2012年末頃からNEVの月間シェアが安定的に30%を超えており、発展フェーズとして既にキャズムを超えていると思われるかもしれません。しかし、実際にはセグメントによって大きく偏っており、A00市場(長さ

    • テスラ達のEV新興メーカーが示された完全自動運転への道のり

      2022-04-12 L5の実現に競い合っているプレイヤー 半導体技術やAIとくに機械学習技術の発展により、長らく夢だった完全なる自動運転が実現できる兆しを見えてきました。技術の進歩の重なりでいよいよ本質的な変換が訪れる目前となって、テスラ、Xpeng、NIOらのEV新興メーカー、Google、Baidu、Appleのようなテックジャイアンツ、Intel、nvidiaを代表とする半導体メーカー、Cruise、Autoxなどのrobotaxiや自動運転技術の専門会社、目標や

      • 勝ち目のない競争:レガシー自動車メーカー VS 新興EVメーカー(1)

        2022-01-20 前置きレガシー自動車メーカーにとって最大の敵の正体様々の要素を交差するパラダイムシフト   気候変動により世界中で脱炭素・環境保護への関心が日々高まり、各国で相次ぎ脱炭素に向けて具体的な目標と計画を明確して、多くの国や地域が内燃機関車の販売を規制をするタイムリミットを設定しました。そして年々厳しくなる排出の規制、環境保護団体、マスコミや投資家からのプレッシャー等レガシーメーカーにとって当たり風が段々強まるの中、テスラを代表とする新興電気自動車メーカー

        • 世界の王者テスラを追い越せたBYDはなにもの?ー中国EV市場のクローズアップ(3)

          2021.11 前回(テスラ中国の躍進) 今世の中に最大の電気自動車メーカーはどの会社?と聞かれたら、ほとんどの人は確信を持って”テスラ”と答えられるでしょう。では2番目は?と聞かれたら、即答できない人が多いでしょう。VW?NIO?それとも宏光Mini evを作ったSAIC?確かにBEVの生産台数でランキングすると、2位の争いが激しくなり、どちらもチャンスがありそうだが、PHVも含めるプラグイン車のメーカーと言えば、BYDは現在の世界で2番目販売台数が多いメーカーとなります

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          オタク文化が超巨大中国国有企業を救う?

          タイトルや画像に惹かれてこの記事を開いた方へ こちらの記事は最近中国で起きた超巨大国有企業が日本のオタク文化の要素を利用して自社サービスの広告宣伝を行い、若い世代のユーザーを取り込むブームが起きている事例を紹介した上で、コンテンツの二次創作や拡散について新しい動向を分析する内容を書かれています。この話に全く興味がない方に申し訳ありません。 初めにbillbill(ビリビリ)というサイトを簡単に紹介したいと思います。 billbill(ビリビリ)という動画配信コミュニティ

          オタク文化が超巨大中国国有企業を救う?

          ファーウェイADS責任者苏箐のインタービューの日本語訳

          原文はこちら ※DeepLで翻訳を掛けたが、専門用語が多いから?理解しづらいところが多くて手直しました。 2021年上海モーターショーの開幕の前夜、ファーウェイの自動運転システム「ADS」を搭載したBAIC(北京汽車)のプレミアムEVブランドArcfoxが新しい車種「αS」を披露するとともに上海で自動運転機能の公開デモストレーションを行い、その過程を記録した動画がウェブ上で拡散され、ものすごく反響を読んでました。 動画に登場するファーウェイのADSは、複雑な交通量の繁華街で

          ファーウェイADS責任者苏箐のインタービューの日本語訳

          テスラ中国の躍進ー世界最大EV市場ー中国のクローズアップ(2)

          2021-04 ※タイトル写真はこちらから引用 前回の記事で中国の主要の新興メーカーについて一通り紹介しまして、今回は電気自動車の革命児、テスラが中国に進出する話をテーマにしたいと思います。 テスラ上海ギガファクトリーに託された期待 2014年テスラは念願の中国で販売をスタートし、イーロン・マスクは上海に飛んで最初の購入者達に鍵を手渡ししました。その時にイーロン・マスクは中国で製造と研究開発の拠点を作る意向を表しました。2017年、テスラは政府関係者と接触して上海で工場

          テスラ中国の躍進ー世界最大EV市場ー中国のクローズアップ(2)

          世界最大EV市場ー中国のクローズアップ(1)

          前回:なぜEVは主流と見なされる 2020年中国の自動車の新車販売数は前年に比べ2%を落ち込んでいるの中、NEV(EV、PHV、FCV)は10%の成長を達成し、新車の販売台数は137万台達成しました。同じくEVの激戦区であるヨーロッパは134万台という新しい記録を更新しましたが、わずかの差ですが、6年連続世界最大のEV市場の座を保ってました。この世界一の市場を育てて盛りあげさせたは政府の先読みの戦略づくりや強力な政策、各新興メーカーのチャレンジ精神、新しい事業ビジョンと高

          世界最大EV市場ー中国のクローズアップ(1)

          トヨタのEV戦略について(2)ーなぜEVは主流と見なされる

          前回:豊田社長の会見を見た感想を語る 自動車産業は日本にとって世界との競争で優位を確立できているとても重要な産業の一つです。たくさんの期待と誇りを詰まっているため、不都合な脅威が現れるとき、客観的に直視できない人がたくさんいました。最近は減っていると思いますが、まだいろんなメディアで、EVについて懐疑的、批判的な意見を散見しています。ここでそういった代表的な観点を整理した上で改めてEVはメインストリームとみなされる理由について話したいと思います。 EVの反対派がよく持ち出

          トヨタのEV戦略について(2)ーなぜEVは主流と見なされる

          トヨタのEVの戦略について(1)ー豊田社長の会見を見た感想を語る

          豊田社長が2020年12月17日に取材に応じ、日本政府がカーボンニュートラル実現の声明や2030年代半ぱガソリン車の新車販売禁止を検討していることについてコメントを発表しまして、波紋を呼んでました。 自動車産業のことだけではなく、環境、エネルギー、政治、日本国内の事情と国際問題、いろんなことに絡んでいます。既にいろんな専門家がこの発表に関してコメントをしてまして、自分も全く専門外だったですが、興味深い話題がいっぱいあるのでいろいろと拙見を述べたと思います。 話が長くなるの

          トヨタのEVの戦略について(1)ー豊田社長の会見を見た感想を語る

          L4自動運転+無人販売ー新石器(Neolix)の無人販売車

          先日Twitterに上海でKFCの無人販売車の目撃報告を投稿されまして、あっという間に大きい反響を呼んました。小さ目で丸くなっている車体にKFCの赤と白の背景色にしてサンダースさんの写真もしっかり写っていって、「かわいい!」とのコメントがたくさん寄せてきました。またどう移動していたかについて興味津々な方もたくさんいました。早速、その後CNETにも目撃情報の裏付けの関連の記事を公開しました。それを機に新石器の無人販売車を含めて無人配達の現状と未来についてもっと話せたらと思います

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          Fintech世界最大手ー[中国]アントフィナンシャルの成長の秘密ーPart2

          Part1未読の方はこちらへ 更新に大分時間をかかりまして、その間アリペイの上場についても評価価値が35兆円に膨らんだにもかかわらず、まさか上場の2日前にストップをかけられ、廃止となる?幻過ぎる2020年はもうなにが起きても驚かないと思います。この件についてまた別機会で感想を書けたらと思います。引き続きアリペイの成長の物語一緒に回顧しましょう。 銀行連れてデジタルの洪水に呑み込まれる 前回の続き、2003年アリペイが誕生して、独自の仕組みで取引の信用の問題を解決できたおかげ

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          Make with Internetー世界最先端C2M工場ーアリババの犀牛智造について徹底解析

          9月16日、アリババは2017年から極秘で進んだプロジェクトーC2M工場ー犀牛智造を発表しました。 C2M(Customer to Manufactory)という言葉最近よく見かけるようになりまして、需要を元に製造、スピーディ、小口、多種類の製造の特徴を有して、それらの特徴を実現するため、ビッグデータを活用して需要の分析や予測、AI、IOT、MESなどの技術を活用して柔軟かつスマートな製造を行われると理論上一般的に認識されていますが、具体的にどう実践されるか実例がまだ少ない

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          Fintech世界最大手ー[中国]アントフィナンシャルの成長の秘密

          7月20日、アリババグループのアントフィナンシャルは上海と香港市場に同時上場する計画を発表しまして、中国のネット上度々祭りの状態になってました。投資ファンドが試算したアントフィナンシャルの企業価値は21兆円となり、おそらく今年世界最大規模のIPOとなります。 あまり馴染みのない社名かもしれませんが、どうしてこんなに価値があるかというと。先日アリババは直近1年間の財務状況を披露しまして、グループ全体年間のGMVは1兆ドルを超えました。これは中国の2019年のGDPの約7%、日

          Fintech世界最大手ー[中国]アントフィナンシャルの成長の秘密