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ZARAスペイン本社でどんな仕事をしていたの?(後編)

前編はこちらからどうぞ!

前回のお話の続き。
なんやかんやあってインディテックスというZARA本社で働くため、スペインに引っ越したボク。

インディテックスのオフィス


当時やっていた仕事!
について、やっとお話します!

前編でも述べた通り、ZARAは世界で1800店舗以上あり、ということは世界中のニーズを元に商品を作っています。

なので扱う商品バリエーションは…。

それはそれは、怖いくらい膨大な数になります。

それを全種類お店に送っちゃうと、すんごい数の在庫になり、お店はパンクしちゃいます。
(在庫週数という専門的な話は割愛します。)

それらは世界に向けて作られた商品なので、全て日本で売れるとは限りません。
詳しいニーズの話は守秘義務なので言えませんが、

例えば、日本で真っ赤な車!ってあまり見かけないですよね?

スペインではめちゃくちゃ走ってます。
日本の「イケてる」は世界でイケてるとは限らないのです。

どの商品を送る?
数は?
サイズは?
どの店舗に?

これを決めるのが「プロダクトマネジャー」であり、当時ボクがやっていた仕事です。

面白いのが、「日本担当」「アメリカ担当」「東南アジア担当」などなど、マーケットごとにプロダクトマネジャーがいました。
※ボクは日本担当でした。

これは入社して間もない、ある朝の出来事…。


同僚:シュウヘイ!今から新商品のミーティングだよ!

隣の同僚に声をかけられ、メンズ部署の中央にある大きなスペースへと向かった。

想像以上の広さのオフィス


ぞろぞろと人が集まり出す。

部署全体が集まり始め、あれよあれよと100人くらいになった。

全員で輪を囲む。

でもそこはスペイン。みんなおしゃべり好きなのでガヤガヤが止まらない。
コーヒー片手に来ている人もいる。

輪の中には、商品がたくさん掛かったラックが置いてある。

やがて1人の男性がラックに近づき始めると、静寂が訪れる。

彼は「バイヤー」と呼ばれる商品を買い付ける部署の1人。

ラックから商品をピックし、威勢のいい声でこう話し始めた。

バイヤー:今週の新商品を紹介していきます!
まずはこのTシャツから!生地が〇〇、後ろにプリントが入って〇〇、世界全店規模の買い付けでetc…

同じ要領で、次々と商品を紹介していく。

バイヤー:この商品は新しい試みのデザインなので、限られた店舗にetc…

その時、あるプロダクトマネジャーが割り込んで発言する。

プロダクトマネジャー:ちょっと待ってくれ!
それはアメリカ全店に必要だ!
必ず売れる!分析結果もちゃんとある!

バイヤー:なるほど…。では後ほど一緒にデータを見ましょう。

こんなやりとりが、100人の輪を囲んでバンバン飛び交う。

まるで「セリ」のような世界だ。



ZARAは週2回、新商品が届くことで有名!
という事は、こんなミーティングも同じく週2回やっているわけです。

その間プロダクトマネジャーはみんな必死。

というのも、自国の売上は自分たちにかかっているから。

良い商品が送れない⇢お店は売れない商品ばかり⇢良いディスプレイもできない⇢お客様は離れていく。

「億」が動くレベル。それが個人の1つの行動にかかる。

だからみんな「俺が俺が!!!」と食い入るワケです。

そしてそれは日本人がすっごく苦手な事。
ボクはそれができると判断され、日本から送られたそうです。
※学生時代に「度胸」がつく経験をたくさんした事が、めぐり巡って役立ちました。

それはさておき、バイヤーを説得するのは、パッションだけではダメ。
データで論理武装して交渉する必要があります。

ただ、そのタイミングで送る商品も何十とあるわけで、その中でたった1つの商品についての交渉。

何時間もかけれるわけではありません。

というわけで、プロダクトマネジャーには
「鬼レベル」の高速な分析力が求められます。

元々数字に弱かったボクは、死ぬほど苦労しました。
ただ毎日エグいぐらいのプレッシャーを生き抜いたので、
(何回かしんどすぎて泣きました笑)

今となっては「データ分析」は自分の得意分野に変わったので、当時厳しくしてくれた方達には感謝しかありません。

プロダクトマネジャーの仕事は他にも

  • 自国の為の特別なコレクションを作る

  • 年2回出張で自国の店舗を巡回

  • 研修に来る本社メンバーにレクリエーション

  • 価格分析

  • 新店舗の準備

これら以外にも、まっだまだあるのですが、あんまり長いと最後まで読んでくれへんから笑
今回はこのくらいで!

2017年 大阪出張 店舗マネージャー達と打ち上げ
東日本、西日本をこの2人で分けて担当していました 
恋人じゃないよ笑


ブログは今後も継続するので、インディテックスのお話はまたいつか!

PS.会社は海沿いにあったので、昼休憩でサーフィンに行く猛者もたくさんいました。

その猛者の写真 笑


最後まで拝読いただき、ありがとうございました!

そんなボクが立ち上げたブランド「FOL」
お店もぜひ見ていってね!

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