買ってはいけない回数券? その1

前回の「お得な回数券?」が妙に長文だったため、まとめた改定版

回数券と言えば?
「回数券を購入しました。」と聞くと どのような業種のサービスが思い浮かぶでしょうか?銭湯・バス・コーヒーショップ・英会話教室などなど、定額の物であれば利用者にとっては数回分お得になるサービスの事を言いますが、なぜかこの整体業界にも「回数券商法」と言うやり方が横行しています。それは本当に利用者の得になる事なのでしょうか?
同業者目線で検証してみたいと思います。

回数券の一回当たりの価値
バスや銭湯、あるいは物販であれば一回利用するサービス(基準価格)は決まっているので、回数券を購入する事で「回数 × 一回当たりの値段以上」の誰でも平等にサービスを受けられます。 しかし、物を売る仕事では無い徒手療法業界にとってこの回数券の価値はどうなのでしょうか?
エステの様に脱毛やスキンケア(機器の使用)と言った明らかに結果が判る施術を受けるのであれば回数券の購入は理解できますが、骨盤矯正や○○調整、慰安行為のような曖昧で結果が判りにくい あるいは施術者のレベルがあやふやなモノ(商品)に対しては回数券の価値に疑問が生じます。

そもそも料金形態に基準がない【重要】
銭湯やバス運賃には基準価格(どこの銭湯も同じ料金・距離による運賃設定)があるのでどこの銭湯に行っても同じ価格であったり、バスは初乗り運賃を含め距離に応じて定められた基準価格があります。(どこに行っても同じサービスが受けられる)

本来業界団体や組織等が決めた基準価格があることで回数券「1回分料金×回数分=料金」に対する割引が発生し購入者にとってお徳なサービスになります。

しかしこの業界は店主(個人)が勝手に決めた料金になるため回数券分のお徳感というのはあって無い様なものなのです。

〇回分お得?
一回当たり5,000円
で11回分の回数券を10回分の値段 50,000円?
一回当たり7000円で6回分の回数券を5回分の値段 35,000円?
この一回当たりの値段は店主が勝手に付ける値段なので全く根拠も意味もありません。さらにはスタッフが数人いてその違うスタッフが施術すれば、同じ「サービスを受ける」一定の商品価値も保証も全くありません。

技術レベルが底辺の施術者が陥る事例
そもそも技術レベルが低すぎると、客が次に来店する可能性が低いため、経営的に継続できません。都度の支払いにすると回数券分の回数なんて来る訳ないので無駄に集客行為(宣伝)の経費がどんどんかさんでいきます。
むしろ回数券商法をやらないと経営がアッという間に行き詰ってしまうのです。

二回目以降の施術料金が高い
回数券を買わせるために初回は妙に値段を安く設定をして、二回目都度払いを選択すると、妙に高額な料金を請求する整体院がいます。回数券を買った方が一回当たりの施術料金が安くすると言う”二重価格”を疑う様な悪質な商売をしている整体院もあります。
初回3,000円ぐらいで客引きを行い、
 ↓
説明がほとんどで施術する時間なんてほんの10~20分程度
 ↓
歪んでいると言って不安を煽り
 ↓
一回じゃ治らないとウソを言って、次回の予約を取らせる
 ↓
A案 :回数券を買わないと次回の施術8000円~10,000円(実際はそんな価値なし)
B案 :回数券だと5,000円~7,000円円の6枚つづりで3万円~4万円程度

C案:このような悪質な事をしている店に対しては、「じゃあ歪んだままでいいです」と言って予約も何も取らずに帰るが正解なのですが、ケンカするのもなんだからと妥協してA、B案どちらか選んでしまった時点で整体院の丸儲けになってしまいます。その上に購入した客自身が健全性が高くなる訳でも無いので詐欺同然の結果になりやすいのです。

まとめ
1.店主の都合で料金を決めている以上回数券という概念自体意味がありません。

初回の値段 + 回数券の料金 ÷ 全回数 = 単価 と考えなければなりません。購入を考えている人は時間の消費も考えておかなければなりません。

2.数人のスタッフが入れば技量にムラがあるので一定のサービスと言う価値も消失します。【重要ポイント】

結局、回数券すべて消費する事も踏まえると、お金と無駄な時間を浪費するように高く付く結果になりやすいのです。

【要注意】初回限定と称して初回の料金を異常に安くしている店の大半が回数券を購入させてきます。 

「やはり返金して欲しい」とお願いした場合どうなるのでしょうか?エステや手技療法などは特定継続的役務提供(エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス)に該当するので 8日間以内であればクーリングオフが有効とされています。しかし8日過ぎてしまうと余った分差額の返金などほぼ100%返って来る事は無いと思ってください。ヒドイ所になるとクーリングオフすら対応しない非常識な店まで存在するため、返金に関するトラブルも少なくなく、常識やリテラシーの低さが垣間見えたりすることがあります。

※最近(2023現在)では各自治体のHPなどでも「整体院での回数券に関するトラブル」の事について注意喚起されています。

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