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【逆噴射小説大賞2022】ライナーノーツ的なやつ

今年も10月は逆噴射の季節だった。それはやってきて吹き荒れ、人びとを様々な感情で打ちのめし……10月の終わりとともに去っていった。

ヘッダー画像は『永き旅路の果てに伝説のアーティファクト〈輝ける勝利のCORONA〉を見いだした女戦士』です。しゅげんじゃ氏の意味不明なオーダーにしっかりと応えてくれたAI画伯はまじ有能。

ではやっていきます。

罪喰らうけだもの

今回逆噴射小説大賞に参加するにあたって最優先で考えたのは「小説としてちゃんと成立させる」だった。小説としての感触、手触りを大事にしようと思っていた。そしてこうも思った。「今の僕にとってそれが一番大事なことなのだから、800字のフォーマットのなかでしっかり小説として成立させることができたのであれば……別に二次選考を通過しなくてもいいんじゃない?」と。

これは別に消極的であったり、負け犬根性にとり憑かれているといったことを意味しない。実際、この『罪喰らうけだもの』はわりと賞レースに勝ち抜くことを意図して組み立てられているし、できれば年内に連載も開始しようと思っている。

ただそうは言っても逆噴射小説大賞は甘くない。ふつうに二次選考落ちもあり得るはず。だからそこで一喜一憂するのではなく、自分が見据えている長期的なゴールのなかで今できることをしっかりとやっていく。そのことだけにフォーカスしよう、と考えたわけです。

そしてこの『罪喰らうけだもの』は仕事の合間で1週間ぐらい構想を練って「いま自分が考えている素直な小説の手触り」を大切にして書きだしていった。そして3時間ぐらいで仕上がった。そういう作品だったりする。

だからこの作品について書くことはあまりない。それなりにいい手触りにできたので満足している。けど、まだまだやれたよな……という気持ちもあったりする。読みかえしてみると特に細部の言葉の置き方に納得がいかない。もっとやれたな……。

銃弾軌道の涯てに立つ女

これは完全に趣味枠ですね。賞レースとか気にせずに自分が好きなように書いてやったぜ、なんか文句あっか、という作品です。あとさっきから「小説としての手触り」とかなんとか言ってるけど、この作品については小説としての手触りよりも展開を先に進めることを優先しちゃいました。

手触りを大切にするならもっと描写に厚みを持たせたい。戦場や「EGiA」のイメージをもっとしっかりと描写したい。そして800字でそれをやるとしたら、展開としては「EGiA」との遭遇と問答ぐらいで終わらせた方がいいだろう。

が、どうしても楓子に「超人兵器オーバーマンとしての力は健在である」と言わせたかったのですね! その欲望を優先しちゃいました。

ただこれ、以前の僕であれば同じ展開を書いたとしてもイメージPVみたいになっていたはず。小説として成立していない、小説未満のイメージ断片の羅列、みたいな。でも今回は最低限小説としては成立できているので(と思ってる)、それはあきらかな成長だし、満足もしています。

この世界観やこの作品でやりたかったことについてはかなり気にいっているので、どこかでものにしたい……。

没あるいは未採用のネタ

ということで、二本目は『銃弾軌道の涯てに立つ女』になったわけですが、それを書く前に大量にあるネタのなかからどれを選ぼう……と、かなり悩みました。実はネタの選定だけで1、2週間かかった気がする。

そして没にした、あるいは未採用となったネタもかなりおもしろくなりそうなポテンシャルを持っている。タイトルだけでも……『逃げられない』『無菌室の帝王』『世界破家 ─ ワールド・ハッカー』『ギャングスタ猫』『異世界アウトサイダーズ』『美しい臓器』『エスピオナージ』『いつか消えた男』『奇骸』『史上最強の詐欺師』『兵站の魔王』などなど。

このなかのどれかが来年出てくる可能性もあったりなかったり?
さて、どうだろうな。

ということで、とりあえずはそんな感じです。それにしても逆噴射小説大賞はやはりめちゃくちゃ楽しいですね。いまは逆噴射ロス感がすごい。はやく来年にならんかな。

【おしまい】

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しゅげんじゃ
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